※2012年12月1日より新ブログに移行しました。
>>>現行ブログ free to write WHATEVER I like
⇒2019年にさらにWordpressに移行しました。
>>>現行HP シャイン経営研究所(中小企業診断士・谷藤友彦)
⇒2021年からInstagramを開始。ほぼ同じ内容を新ブログに掲載しています。
>>>Instagram @tomohikoyato
新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
May 29, 2007
東京都の世帯実態調査に対する毎日新聞の解釈に少し突っ込んでみる
拍手してくれたら嬉しいな⇒
気づいたら1年ぶりに投稿する記事だった!(大汗)
情報を鵜呑みにせずに、ちょっと思考を挟んでみる
コンサルティング業務に携わる人に限らず、ビジネスマンであれば、日々さまざまな新聞記事やビジネス雑誌の特集、各種統計資料に目を通している。それらの情報は、大手マスコミが書いているから、有名な人が書いているから、公的な機関の資料だからきっと正しい、と信じたくなるものだが、その気持ちをぐっと堪えて、ちょっと疑いの目で読んでみよう。
例えば次のような記事。
低所得層が増えたのは何故だろう?
大都市・東京でも、雇用機会や賃金に恵まれず、厳しい生活を送っている人が増えているとでも言いたげな記事である。おそらく「カクサシャカイ」とか「ショトクノニキョクカ」とか、その辺のことを意識した論調にしたかったのだろうが、んー、よく考えてみよう。本当にそこまで言えるだろうか?
記事の基になった「福祉保健基礎調査」の中身を見てみよう。(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kikaku/news/presskikaku070412.html)。65歳以上の高齢者のみの世帯の割合が、前回調査の16.6%から21.7%と、5.1%増えている。高齢者の収入源はもっぱら年金。もちろん、定年後再就職する人や、定年後に起業する人も最近は話題になっており、年金以外にそれなりの収入を得ている高齢者もいるかもしれない。しかし、わずか数年でそういった高齢者が爆発的に増えたとは考えにくい。やはり、高齢者の圧倒的大多数は年金暮らしであろう。
年金の受給額はどのくらいなのだろうか。社会保険庁によると、20年以上厚生年金に加入していた人の平均的な厚生年金受給額は、基礎年金も含めて月16万9000円(さすがにここは社保庁も大きく外していないはずだ)。仮に夫婦がともに厚生年金を受給していれば、年間約400万円の計算になる。しかし、女性の厚生年金加入期間は男性よりも短いのが一般的だし、専業主婦であれば国民年金しか受給できないため、年間の総受給額は実際にはもっと少ないと予想される。また、国民年金しか受給していない世帯であれば、総受給額はぐっと少なくなる。
このように考えてみると、仮に年金以外の収入があったとしても、高齢者のみの世帯の年間総収入が500万円を超える可能性は低い。よって、年収500万円未満の世帯の割合の増分13%のうち、半分弱は高齢者のみの世帯の増加によって説明ができることになる。高齢者のみの世帯ではないが、主たる収入源が年金である世帯(夫65歳、妻63歳、子供は独立、夫婦は仕事せず、みたいな世帯)も考慮すれば、説明の度合いはさらに高まる。つまり、この調査から、低所得者層の増加は雇用機会や賃金に恵まれない人が増えたためとまで言うのは無理があるのではないだろうか。
引用記事の最後に書かれている「『仕事をしている人がいない』世帯も過去最高の22%」も、高齢者のみ世帯の増加を考えれば至極当然のことであり、そこだけ見ても何ら有効な示唆は得られない。
「福祉保健基礎調査」そのものの信憑性にも疑いあり?
こんな記事を書いてしまった毎日新聞は勇み足だったと思うのだが、そもそも東京都福祉保険局が実施した「福祉保健基礎調査」自体が、東京都民の実態を反映していない可能性が高い。一番の問題点は、この調査が訪問面接で行われていることだ。つまり、住民基本台帳から無作為に抽出した6,000世帯に対して(ここまでは問題ない)、調査員が直接訪問し、インタビュー形式で調査を実施しているのである。
今どき訪問面接で適切なサンプリングができるとは到底思えない。調査員が対象世帯を回るのは日中であろうが、平日ならば働いている人は家にいないし、休日でも家族がどこかに出かけてしまっていればどうしようもない。おまけに、たとえ家に誰かがいたとしても、回答を拒否されてしまえば一巻の終わりである(国勢調査で居留守や回答拒否に悩む調査員が続出した件は記憶に新しい)。実際、この調査で回答が得られた世帯の構成員9,171人の性・年齢階級と、東京都の人口ピラミッドには結構な違いが見られる。前者の方が高齢者の割合が高いのは、日中に自宅にいる確率が、仕事のない高齢者の方が若年層より高いことと無関係ではないだろう。
福祉保健基礎調査の回答世帯員の性・年齢階級

東京都の人口ピラミッド(東京都HPより)

結論
どんなに権威ある人や機関の記事や資料であるといっても、書いているのは所詮人間であるから間違えることもあるし、場合によっては結論ありきで文章を書いて、数字については後からうまくつじつまを合わせたり、何食わぬそぶりではぐらかしたりしているということもある。頭の体操がてら、こうした文章や数字をちょっと疑いながら読んでみると面白いかもしれない(あまり疑いすぎるのも考え物だが…)。
情報を鵜呑みにせずに、ちょっと思考を挟んでみる
コンサルティング業務に携わる人に限らず、ビジネスマンであれば、日々さまざまな新聞記事やビジネス雑誌の特集、各種統計資料に目を通している。それらの情報は、大手マスコミが書いているから、有名な人が書いているから、公的な機関の資料だからきっと正しい、と信じたくなるものだが、その気持ちをぐっと堪えて、ちょっと疑いの目で読んでみよう。
例えば次のような記事。
「東京都が5年ごとに実施する『福祉保健基礎調査』で、年収が500万円未満の世帯が昨年度、初めて5割を超え、81年度の調査開始以来、過去最多となったことが分かった。300万円未満の世帯も全体の3割近くで前回調査より約10ポイント増加していた。雇用機会や賃金で地方より恵まれている首都・東京でも低所得層の増加が顕著になっている実態が浮かんだ。
調査は昨年11〜12月、無作為に選んだ都内の計6000世帯を対象に実施、3775世帯から回答を得た(回答率63%)。
それによると、年収500万円未満の世帯は51%で、前回調査(01年)より13ポイント増えた。また、300万円未満の世帯も27%に達し、前回より9.3ポイント増加。2000万円以上は1.6%で前回より1.7ポイント減少、1000万円以上2000万円未満は11.5%で3.2ポイント減るなど、高所得者層は減少傾向だった。
また、収入源については、28%の世帯が『年金や生活保護』を挙げ、『仕事をしている人がいない』世帯も過去最高の22%に達するなど、厳しい生活実態が垣間見える。」
(2007年5月16日 毎日新聞 ※毎日新聞そのものを批判するつもりは毛頭ありません・・・)
低所得層が増えたのは何故だろう?
大都市・東京でも、雇用機会や賃金に恵まれず、厳しい生活を送っている人が増えているとでも言いたげな記事である。おそらく「カクサシャカイ」とか「ショトクノニキョクカ」とか、その辺のことを意識した論調にしたかったのだろうが、んー、よく考えてみよう。本当にそこまで言えるだろうか?
記事の基になった「福祉保健基礎調査」の中身を見てみよう。(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kikaku/news/presskikaku070412.html)。65歳以上の高齢者のみの世帯の割合が、前回調査の16.6%から21.7%と、5.1%増えている。高齢者の収入源はもっぱら年金。もちろん、定年後再就職する人や、定年後に起業する人も最近は話題になっており、年金以外にそれなりの収入を得ている高齢者もいるかもしれない。しかし、わずか数年でそういった高齢者が爆発的に増えたとは考えにくい。やはり、高齢者の圧倒的大多数は年金暮らしであろう。
年金の受給額はどのくらいなのだろうか。社会保険庁によると、20年以上厚生年金に加入していた人の平均的な厚生年金受給額は、基礎年金も含めて月16万9000円(さすがにここは社保庁も大きく外していないはずだ)。仮に夫婦がともに厚生年金を受給していれば、年間約400万円の計算になる。しかし、女性の厚生年金加入期間は男性よりも短いのが一般的だし、専業主婦であれば国民年金しか受給できないため、年間の総受給額は実際にはもっと少ないと予想される。また、国民年金しか受給していない世帯であれば、総受給額はぐっと少なくなる。
このように考えてみると、仮に年金以外の収入があったとしても、高齢者のみの世帯の年間総収入が500万円を超える可能性は低い。よって、年収500万円未満の世帯の割合の増分13%のうち、半分弱は高齢者のみの世帯の増加によって説明ができることになる。高齢者のみの世帯ではないが、主たる収入源が年金である世帯(夫65歳、妻63歳、子供は独立、夫婦は仕事せず、みたいな世帯)も考慮すれば、説明の度合いはさらに高まる。つまり、この調査から、低所得者層の増加は雇用機会や賃金に恵まれない人が増えたためとまで言うのは無理があるのではないだろうか。
引用記事の最後に書かれている「『仕事をしている人がいない』世帯も過去最高の22%」も、高齢者のみ世帯の増加を考えれば至極当然のことであり、そこだけ見ても何ら有効な示唆は得られない。
「福祉保健基礎調査」そのものの信憑性にも疑いあり?
こんな記事を書いてしまった毎日新聞は勇み足だったと思うのだが、そもそも東京都福祉保険局が実施した「福祉保健基礎調査」自体が、東京都民の実態を反映していない可能性が高い。一番の問題点は、この調査が訪問面接で行われていることだ。つまり、住民基本台帳から無作為に抽出した6,000世帯に対して(ここまでは問題ない)、調査員が直接訪問し、インタビュー形式で調査を実施しているのである。
今どき訪問面接で適切なサンプリングができるとは到底思えない。調査員が対象世帯を回るのは日中であろうが、平日ならば働いている人は家にいないし、休日でも家族がどこかに出かけてしまっていればどうしようもない。おまけに、たとえ家に誰かがいたとしても、回答を拒否されてしまえば一巻の終わりである(国勢調査で居留守や回答拒否に悩む調査員が続出した件は記憶に新しい)。実際、この調査で回答が得られた世帯の構成員9,171人の性・年齢階級と、東京都の人口ピラミッドには結構な違いが見られる。前者の方が高齢者の割合が高いのは、日中に自宅にいる確率が、仕事のない高齢者の方が若年層より高いことと無関係ではないだろう。
福祉保健基礎調査の回答世帯員の性・年齢階級
東京都の人口ピラミッド(東京都HPより)
結論
どんなに権威ある人や機関の記事や資料であるといっても、書いているのは所詮人間であるから間違えることもあるし、場合によっては結論ありきで文章を書いて、数字については後からうまくつじつまを合わせたり、何食わぬそぶりではぐらかしたりしているということもある。頭の体操がてら、こうした文章や数字をちょっと疑いながら読んでみると面白いかもしれない(あまり疑いすぎるのも考え物だが…)。
May 09, 2006
検察官が自白を録音・録画する
拍手してくれたら嬉しいな⇒
検事取り調べ録音・録画 調書の任意性立証に限定 裁判員制度導入で試行
平成二十一年五月までに始まる裁判員制度を見すえ、法務・検察当局は九日、検察官による容疑者の取り調べの一部で、録音・録画(可視化)を試行導入することを決めた。東京地検のほか大阪地検でも実施する方向で検討している。導入により、「自白偏重の温床」ともいわれる密室での取り調べの改善につながることも期待される。これまで録音・録画に一切応じなかった捜査当局にとって重大な方針転換となる。
試行は裁判員制度の対象事件のうち、起訴後の公判で被告人の供述調書の任意性が争点になると予想される場合に限る。一般国民から選ばれる裁判員に分かりやすく客観的に供述調書の任意性を立証することが狙い。現行の刑事裁判では、捜査段階の供述調書と、法廷での被告人質問に食い違いが生じると、調書の任意性が争点として浮上する。法廷では警察・検察による取り調べ・調書作成の過程で暴行や脅迫などがあったかどうかについて証人尋問が繰り返され、審理が不毛に長引くことがある。録音・録画の試行は、裁判員制度の対象事件の中でも「取り調べの機能を損なわない範囲内で相当と認められる部分」に限定。検察官は経験則などから、公判で被告人の供述調書の任意性が争われると予想される事件について適用する。警察の取り調べは対象外。
(5月9日産経新聞より抜粋)
果たしてこの記事に書かれているような成果が期待できるかどうかはやや疑問です。それは、検察官自身が自白を録音・録画するかしないかを決定するからです。
自白の任意性が争点となるのは、自白が検察官の暴行や脅迫などによって強要されたものである可能性がある場合です。しかし、被疑者に自白を強要したケースを録音・録画しようとする検察官はいません。いくら検察官が高潔だとしても、自分にとって不利になるようなことをわざわざするはずがないのです。よって、録音・録画される自白は、任意性が争われるべき自白ではなく、ほとんど任意性が問題にならないような自白ばかりになります。
また、自白の任意性ではなく、録音・録画の任意性という新たな争点が発生する可能性があります。すなわち、被疑者に対して、録音・録画中は任意で自白しているように喋るよう、録音・録画の前に検察官が強要したか否かを争うということです。こうなるとほとんど泥仕合のような審理になってしまい、収拾がつきません。
問題は、検察官自身が録音・録画の決定権を握っている点にあります。自白の任意性に関して、検察官はチェックを受ける立場にあります。にもかかわらず、チェックを行うのは検察官自身なのです。「外科医と患者は同一であってはならない」という言葉がありますが、自分で自分を治すことはできません(ブラックジャックは何度か自分で自分を手術したことがあるが、天才の腕ですら手術中はびくびくと震えていた。全ての検察官がブラックジャックのように天才であるとは到底考えられない)。
真にチェック機能を働かせるならば、検察官以外の第三者が対象となる刑事事件、自白を録音・録画すべき取り調べの状況などを決めるべきです。その第三者としては、弁護士も適格ではありません。なぜならば、弁護側は審理をいたずらに長引かせたり、混乱させたりする目的で、過剰に自白の録音・録画を要求する可能性があるからです。また、起訴されていない事件について裁判所が口出しをすることはできないので、裁判官も不適格です。そうなると、最後はやはり法律がその役割を担うしかないように思えます。
《参考URL》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060509-00000090-kyodo-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060509-00000023-san-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060509-00000057-mai-pol
《追記》 この件についてもっと詳しい情報はないかと検察庁のHPを見てみたが、「お知らせ」のページに次長検事が短いコメントを書いているだけで詳細は解らず。今度は法務省のHPを覗いてみるものの、5月分の定例記者会見はアップされていない(5月9日時点)ため、やっぱり解らない。おまけに法務省のHPはサイト内検索ができず、検索ワードで調べられない。何と不便な…
January 20, 2006
ライブドア事件について思うこと〜ワイドショーのコメンテーターに喝!
拍手してくれたら嬉しいな⇒
ライブドア事件に関しては、自民党の陰謀説(強制捜査がヒューザー小嶋社長の証人喚問と同日であったことから、自民党に不利な証人喚問の記事を小さくするために同じ日に強制捜査を行った)とか、広島6区の「あの人」の陰謀説(堀江氏に二度と広島6区で立候補されないように、「あの人」がライブドアのあら探しをさせた)など様々な憶測がネット上で飛び交っているようです。誰の陰謀であるかはともかく、上場企業の粉飾決算が事実であるならばやはり問題なので、真相解明が望まれるところです。
マスコミは陰謀説を持ち出すことこそないものの、ここぞとばかりに鼻息荒くいろいろと捲くし立てています。しかし、まあ言いたい放題です。私はテレビにカフェのバックミュージックのような役割を与えているので、ブログを書いたり料理を作ったりしながらニュースを耳に入れているのですが、時にコメンテーターの頓珍漢なコメントに唖然とさせられます。特に昼間のワイドショーは酷い。感情論でモノを言うわ論点を摩り替えて自分の知識のひけらかしをするわ…
「ライブドア事件の背後には東証の時代錯誤がある。デイトレーダーがこれだけ増えてきているのに東証はシステム増強を怠った。」とコメントされた時には、星一徹がちゃぶ台をひっくり返すがごとくテレビをひっくり返してやろうかと思いました。なんだそりゃ?東証がシステム増強を図っていたらライブドアのような企業は出てこなかったとでも言いたいのか?
仮に約定件数1000万件を処理できる完璧なシステムがあったとします。デイトレーダーは大喜び。増加するデイトレーダーに目をつけて、ライブドアのように大規模な株式分割を行う企業が出てくる。その中から不正を働いて株価を吊り上げようとする輩が出てくる。これがオチじゃないですか。システム増強したって株価吊り上げは防げませんよ。東証システムの処理能力は次元が違う問題です。
メディアの悪いところは、こういった変なコメントを垂れ流しにしてしまうところにもあります。どんなに名のある人や優秀な人が出演していても、人間ですからたまには間違ったことや論理崩壊したようなことを言うこともあるでしょう。一人で番組をやっているわけではないのですから、何かおかしな発言に気付いたら周りの人が突っ込むなり質問するなり是正するなりのフォローを施さないと。もっとも、変なコメントに気付かない人ばかりだったら論外ですが。いずれにしろ、有害物質の垂れ流しはよくありません。
だいたい、同じコメンテーターがあらゆる分野の問題・報道に関してコメントをするという番組の構成にも無理があると感じているのは私だけではないはずです。人には専門分野というものがあるのですから。専門以外のこともあれこれと語るのは、度を越えれば無責任な行為ともなりかねません。
ライブドア事件の核心は、ライブドアのコーポレートガバナンスや内部統制がどうであったか、監査法人の監査機能がどうなっていたのか、有価証券報告書をチェックする東証の機能はどうであったかといった点に尽きると思います。
マスコミは陰謀説を持ち出すことこそないものの、ここぞとばかりに鼻息荒くいろいろと捲くし立てています。しかし、まあ言いたい放題です。私はテレビにカフェのバックミュージックのような役割を与えているので、ブログを書いたり料理を作ったりしながらニュースを耳に入れているのですが、時にコメンテーターの頓珍漢なコメントに唖然とさせられます。特に昼間のワイドショーは酷い。感情論でモノを言うわ論点を摩り替えて自分の知識のひけらかしをするわ…
「ライブドア事件の背後には東証の時代錯誤がある。デイトレーダーがこれだけ増えてきているのに東証はシステム増強を怠った。」とコメントされた時には、星一徹がちゃぶ台をひっくり返すがごとくテレビをひっくり返してやろうかと思いました。なんだそりゃ?東証がシステム増強を図っていたらライブドアのような企業は出てこなかったとでも言いたいのか?
仮に約定件数1000万件を処理できる完璧なシステムがあったとします。デイトレーダーは大喜び。増加するデイトレーダーに目をつけて、ライブドアのように大規模な株式分割を行う企業が出てくる。その中から不正を働いて株価を吊り上げようとする輩が出てくる。これがオチじゃないですか。システム増強したって株価吊り上げは防げませんよ。東証システムの処理能力は次元が違う問題です。
メディアの悪いところは、こういった変なコメントを垂れ流しにしてしまうところにもあります。どんなに名のある人や優秀な人が出演していても、人間ですからたまには間違ったことや論理崩壊したようなことを言うこともあるでしょう。一人で番組をやっているわけではないのですから、何かおかしな発言に気付いたら周りの人が突っ込むなり質問するなり是正するなりのフォローを施さないと。もっとも、変なコメントに気付かない人ばかりだったら論外ですが。いずれにしろ、有害物質の垂れ流しはよくありません。
だいたい、同じコメンテーターがあらゆる分野の問題・報道に関してコメントをするという番組の構成にも無理があると感じているのは私だけではないはずです。人には専門分野というものがあるのですから。専門以外のこともあれこれと語るのは、度を越えれば無責任な行為ともなりかねません。
ライブドア事件の核心は、ライブドアのコーポレートガバナンスや内部統制がどうであったか、監査法人の監査機能がどうなっていたのか、有価証券報告書をチェックする東証の機能はどうであったかといった点に尽きると思います。


