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June 03, 2012
《要約》『戦略サファリ』―ミンツバーグによる戦略の10学派(1.デザイン・スクール)
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ヘンリー・ミンツバーグに関しては、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューなどで論文を読んだことはあるものの、書籍は恥ずかしながらちゃんと読んだことがなかった。本書『戦略サファリ』は、百花総攬状態の戦略論を10の学派(スクール)に整理したものである。一般的に、戦略論にはマイケル・ポーターの競争戦略論に代表される「外部環境アプローチ」と、J・B・バーニーの資源ベース論に代表される「内部環境アプローチ」の2つがある、と言われており、私もこのブログでそういう書き方を何度かしてきた。だが、この本を読んで、戦略論にはもっと複雑な系譜と歴史があることを知った(それもまた恥ずかしいことだが・・・)。
一応、本書の巻末にも10の学派の一覧表が掲載されているが、それとは異なる形で、(本の内容を自分の記憶にとどめておくという意味も込めて、)各スクールの概要をまとめておきたいと思う。まずは1つ目のデザイン・スクール。第1〜第3スクールは、「望ましい戦略とは何か?」を追求する”規範的”な性格を持つ。
【第1学派:デザイン・スクール】
<代表的な論者・理論>
(1)フィリップ・セルズニック『組織とリーダーシップ』
(2)アルフレッド・チャンドラー『組織は戦略に従う』
(3)ケネス・アンドルーズがまとめたハーバード・ビジネス・スクールのテキストで用いられているSWOT分析
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<特徴>
(1)企業の内的能力(強み・弱み)と、企業を取り巻く外的可能性(機会・脅威)の「調和」を目指す。
(2)戦略形成とは、意図された計画的なプロセスである。戦略は、完全に合意されてから初めて実行される。
(3)計画的なプロセスの責任はCEOにある。CEOこそが唯一の戦略家(ストラテジスト)である。
(4)戦略形成モデルは簡潔であるべきだが、形式ばったもの、過度に抽象化されたものであってはならない。
(5)戦略は独自性をもたなければならない。最も優れた戦略は、創造的プロセスから生まれる。
(6)戦略は明快でなければならない。ゆえに、簡潔でなければならない。
<功績>
(1)規範的な戦略マネジメントの中心的概念、すなわち「外的可能性と内的能力の適合」という概念を開発し、他のスクールが発展する基礎を築いた。
<問題点>
(1)セルズニックを除けば、経営責任者の価値観(組織を担う人たちの信条や選好)、および社会的責任(組織が機能する社会における倫理観、もしくは経営責任者が考えるところの倫理観)が考慮されていない。
(2)CEO以外の人たちが戦略策定プロセスから排除されている。
(3)戦略の漸進的進化(実行途中での進化)や創発的戦略(最初から明確に意図したものではなく、行動の1つ1つが集積され、その都度学習する過程で形成される一貫したパターンとしての戦略)が無視されている。
(4)チャンドラーは「組織は戦略に従う」と述べたが、戦略の変更によって既存の組織構造が簡単に変えられるわけではない。また、組織構造が戦略に及ぼす影響も過小評価されている。
(5)デザイン・スクールが機能するのは、外部環境が比較的安定しており、シニア・マネジャーが現在、および将来の外部環境を深く理解している時であるが、この条件が整うとは限らない。
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《10学派一覧》
第1学派:デザイン・スクール
第2学派:プランニング・スクール
第3学派:ポジショニング・スクール
第4学派:アントレプレナー・スクール
第5学派:コグニティブ・スクール
第6学派:ラーニング・スクール
第7学派:パワー・スクール
第8学派:カルチャー・スクール
第9学派:エンバイロメント・スクール
第10学派:コンフィギュレーション・スクール
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