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January 05, 2012
KPI(重要業績評価指標)の取得方法を工夫しよう―『日経情報ストラテジー(2012年2月号)』
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【997本目】1,000エントリーまであと3。
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。新年一発目の記事は軽めで。『日経情報ストラテジー』の定期購読を始めて4か月になるけれど、やっぱDHBRに比べるとコストパフォーマンスが低いな・・・日経情報ストラテジー1冊あたりの料金は、DHBRの約半分。しかしながら、日経情報ストラテジーを2冊読めばDHBR1冊と同じくらい濃い情報が得られるかというと、今のところかなり疑問。まぁ、もうちょっと辛抱強く読み続けるか。飽きたらこのブログで取り上げるのをやめます。
2月号で印象に残ったのは、新幹線の車内販売を手掛ける「ジェイアール東海パッセンジャーズ」の事例。販売業務改善に向けた施策の効果を定量的に測定している点が興味深かった。
最近、同社が取り入れたのが「振り返り販売」と「お勧め販売」である。振り返り販売とは客席を通過しても何度も振り返り、お客の見逃しを無くすこと。一方、お勧め販売とは、お弁当を買った人にお茶を勧めるというような”関連販売”だ。(中略)以前の記事「プロセスKPIを設定するための5つの視点」で書いたように、業務プロセスの生産性や各種施策の効果をモニタリングするには、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を用いたマネジメントが有効である。KPIは、これもまた昔「実務的なプロセスKPIにファインチューニングする3つのポイント」という記事で書いた通り、「値を継続的に測定できる」ものでなければならない。実のところ、KPIマネジメントは、この部分で頓挫することが多い。すなわち、値を測定し続けることが困難であるために、だんだんとモニタリングが雑になり、やがて放棄されてしまうのである。
2つの販売について、きっちりと数値管理している。2010年12月では、振り返りとお勧めの回数は、それぞれ7195回(1列車当たり約24回)と3913回(同13回)。うち販売に結び付いた回数は411回(17回に1回ほど)と1312回(3回につき1回ほど)という高さだ。
しかし、ジェイアール東海パッセンジャーズの事例は、工夫次第でKPIの値を取得できることを示唆している。私の推測の域を出ないが、同社は振り返り販売やお勧め販売の効果を測定するために、パーサー(販売員)が持っている端末を多少改良したのであろう。つまり、製品ごとに割り当てられているボタンの一部を、「振り返り販売実施」、「振り返り販売成功」、「お勧め販売実施」、「お勧め販売成功」というボタンにして、それぞれの回数をカウントしたのだと思われる(間違っていたらスミマセン)。
似たような効果測定を、もっと徹底的にやっていると感じるのが、マクドナルドである。マクドナルドは100円マックのクロスセルに力を入れている。例えば昼下がりの時間帯にコーヒーだけを頼むと、必ず100円マックを勧められる。また、週替わりで様々なキャンペーンを展開しており、直近では「マックフライポテトLを買うと、割引券などが当たる福引がついてくる」というものがあった。キャンペーン期間中にポテトMやSを注文すると、クルーは必ずLサイズへのアップセルを行う。
店員がこうしたキャンペーンの紹介を顧客に対して行った後、POSレジに特定のキャンペーンコードが表示されることに気づいた方もいらっしゃるのではなかろうか?店員がPOSレジのキャンペーンボタンを押して、キャンペーン実施の有無をカウントしていると考えられる。さらに、表示されるキャンペーンコードや、店員がPOSレジを打ち込む操作を見ていると、成功・失敗を問わず、押すボタンは1つと決まっているようである。
実際、クロスセルやアップセルの成功率を算出するには、ボタンが1つあれば十分である。「Xという製品の注文があった時はYという製品を勧める」という条件さえ整っていれば、「クロスセル/アップセルの実施フラグ」を立てるボタンが1つあればよい。クロスセル/アップセルの成功率は、フラグが立っているトランザクション(取引)データのうち、Y製品が含まれるトランザクションの割合を計算することで求められる(※)。
ジェイアール東海パッセンジャーズのように、パーサーの数がそれほど多くなければ、多少複雑な操作でもトレーニングでカバーすることができる。ところが、マクドナルドのクルーは16万人にも上り、その大半はパートやアルバイトである。彼ら彼女らが確実に操作できるように配慮されているというわけだ。
(※)逆に、ジェイアール東海パッセンジャーズの場合は、クロスセルのパターンを明確に決めることが難しい。例えば、お酒を買った顧客におつまみを勧めたところ、その顧客はおにぎりなどの軽食を選択するかもしれない。あるいは、ご当地のお土産を買った顧客に別のお土産を勧めたら、その顧客は友人に自分と一緒のお土産を送ろうと、同じお土産をもう1つ購入するかもしれないからだ。こういう場合には、マクドナルドのようにボタン1つでやりくりすることができないため、「お勧め販売実施」、「お勧め販売成功」という2つのボタンを用意する必要があるだろう。
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