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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
March 02, 2011

どちらかと言うとマレーシアの文化のことが勉強になったよ―『企業再生に生かすリーダーシップ』

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山岡 法次
玉川大学出版部
2006-07-31
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 元IBMの常務取締役だった著者が、マレーシアの中堅企業(日本企業と現地企業の合弁によって設立された精密機械の製造・販売会社)の再建に携わった経験を振り返る、というもの。著者が実践した変革プロセスは、ジョン・コッターの「変革の8ステップ」にかなり忠実に沿っているという印象を受けた。参考までに、コッターの「変革の8ステップ」を以下に記載しておく。
第1段階:危機意識を高める
 トップが現在の危機的状況を、「目に見える形で」社員に示す。

第2段階:変革推進チームをつくる
 大規模な変革を推進するだけの力があるメンバーを結集し、社員に改革への本気度を示す。

第3段階:適切なビジョンをつくる
 変革チームが簡潔で明瞭なビジョンと戦略を策定する。

第4段階:変革のビジョンを周知徹底させる
 トップ自らが変革ビジョンを社員に説いて回り、変革ビジョンの意味を全社員と共有する。

第5段階:従業員の自発的な行動を促す
 障害となる組織構造や人事制度を取り払い、社員が変革行動を実践できる環境を整える。

第6段階:短期的な成果を生む
 変革がうまくいっていることを社員に示し、社員を鼓舞する。

第7段階:さらに変革を進める
 短期的な成果で満足するとすぐに変革前の状態に後戻りするため、慢心せず変革を継続する。

第8段階:変革を根付かせる
 変革を企業文化に組み込む(企業文化を変えるのは最後でなければならない)。
 副題に「海外進出企業の新ビジネスモデル」とあったので、ビジネスモデルを根本から再構築するような変革内容を期待していたのだけれども、残念ながらそうではなかった。著者が同書で触れているマレーシアの企業は、長年にわたって高い製品競争力を維持している会社であり、戦略そのものをがらりと変える必要がなかったのかもしれない。そのためか、変革の対象となったのは、組織体制や評価制度、在庫・品質管理といった、オペレーション関連の課題が多くなっている。

 ビジネスモデルの変革という点ではやや物足りなかったが、個人的にはマレーシアの文化のことが参考になった(マレーシアのことは、水曜どうでしょうの「ジャングル探検」や「ジャングル・リベンジ」でしか知らないもので…汗)。以下、同書からマレーシアに関する記述を抜粋しておこう。
 イスラムの人も右手で食事をとるが、このマレーシアでも左右の役割への認識はもっと徹底しているように思われる。例えば空腹の場合、体を横たえるときは右腹を下にする。食事の後は左腹を下にする。上向きになって横になることは普通はしないそうだ。
 (多民族国家であるマレーシアでは、)正月とか聖なる日が休日として宗教ごとに一年中あるように思える。1月の年初めの祝い、2月の中国人の正月、マレー人のHari Raya Haji、インド人のAwal Muharam(※)、5月がマレー人のモハメッドの生誕日と中国人のWesak Day、6月はマレーシア国王の誕生日、10月がマレー人のNuzul Al Quran、11月が同じくマレー人のHari Raya Puasaとインド人のDeepavali、12月がクリスマスなど、それぞれの宗教にとってはわれわれの1月の正月と同じくらい大切なものだ。会社としてもこれに合わせて生産計画を立てるのだが、やはり現実は大勢の人間がほかの宗教の休日も一緒に休んでしまうのでいつも番狂わせになる。
 この国では住み込みのお手伝いさんを雇うことは特別なことではないらしい。女性の社会進出をこれほどまで考えているこの国の行き方にうらやましさを感じた。外国人のお手伝いさんでも、ある一定の基準さえクリアすれば誰でも雇うことができる。次にうらやましいことは、平均的な家族であればお手伝いさん用のバス・トイレ付きの部屋が提供できる住宅水準にあることである。
 会社で仕事の状況を尋ねると、"On the way. On the way."という返事がよく返ってくる。意味していることは、どうやら「すべきことには取りかかっているから、そんなに心配しないで」ということらしい。しかし、その裏には「そんなに焦ったってしょうがないよ」という意味合いも含まれているように感じた。(中略)この地の人をもう少し理解してくると、せっかちでせき立てられた行動こそしないが、一定のスピードを保った行動を続けていることが解る。
(※)2011/05/22 タリクさんより「インド人ではなくマレー人の誤り」との指摘を受けました。本書の誤植のようです。タリクさん、ありがとうございます。マレーシアの祝日のページを見ると、11月に「イスラム暦新年(Awal Muharram)」がありますね。
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コメント

一つだけ間違ってます。

>インド人のAwal Muharam、
マレー人のです。

他は全部あってるので、素晴らしいです。
タリクさん、こんにちは。
ご指摘ありがとうございます。本文中に追記で訂正しました。

> 他は全部あってるので、素晴らしいです。
いえいえ、単に本の内容をそのまま引用しただけですので
ちっとも凄くないです(笑)

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