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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
November 24, 2010

「よかれと思ってやったのに・・・」というマネジメントのパラドクス集(その8〜10)

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 残りの3つは、うちの会社の講師が以前HPに掲載したコラムからの抜粋で大変恐縮なのだが、メルマガでは結構反響が大きかったのでこの機会に紹介しておこうと思う。

(8)明確な目標を打ち出すと、メンバーがモチベーションを低下させる
 あなたは、ある企業の事業部門のリーダーだとする。これまで、部門全体の売上目標は設定してきたが、個人別の目標はつくっていなかった。そこで今年度は、個人別に明確な売上目標をもたせることにした。もちろん、メンバーひとりひとりがやる気と責任をもって目標達成にまい進することを期待してのことである。あなたは、各人ごとの実績をもとに、公平に目標数値を配分した。

 しかし、期待はあっさりと裏切られた。部門全体に急速に冷ややかな雰囲気が広がったのである。ある中核メンバーは「こんな目標無理にきまっている」と公言してはばからない。別のメンバーは他人と自分の目標を比べて「なぜ、彼より自分の方が大きな目標を背負わなければならないのか?」と、詰め寄ってきた。言葉をつくして理由を説明しても「彼は楽をしている。不公平だ」の一点張りで納得しない。結局、前向きな態度を示したメンバーは、ごく一部にとどまった。
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(9)コミュニケーションを取るほど、対立が深まる
 2人の担当者が、ある案件について激しく対立していた。一方の担当者は「利益の薄い案件であり、コスト対効果を考えて撤退するべきだ」と主張していた。もう一方は「顧客開拓やノウハウ蓄積のために是非とも進めるべきだ」と言い張り、両者とも譲らない。それぞれを支持するメンバーが口を出し始め、もはや個人の対立にとどまらず、チームを二分しかねない状況になっている。

 そこで、マネージャーであるあなたは仲裁に入ることにする。あなたが「こっちだ」と判断を下してしまえば話は簡単だが、そうはしたくなかった。「腹を割って話せば分かりあえる」というモットーを持つあなたは、あくまで話し合いによって当事者に落とし所を見いださせたいと思ったのだ。そこで、2人を呼びミーティングを持った。

 しかし...、ことは意外な方向に進んでしまう。「じっくり話し合おう。そして我々にとってベストの結論を納得して出そう。」こう切り出したまでは良かったが、2人の担当者の意見はぶつかり合ったまま、わずかな接点すら見つからない。たまりかねたあなたが、「もっと相手の意見もよく聞こうよ。」と口を差し挟むと、「いったいどっちの味方なんですか!」と罵られ、口をつぐんでしまう。結局、3人のミーティングは、より深まった対立と徒労感を残して終了した。そして、行き場をなくした不満の矛先はあなたに向かってきた。「優柔不断なマネージャー」との陰口が急速に広まってきたのだ。
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(10)思いやりのあるアドバイスが、チャンスを奪う
 某ソフトウェア企業の若手のAさんは、イベントに出展して販路を広げるという企画を練っていた。ところが、営業会議に提案しようと勇んで先輩のBさんに話すと、「悪いことは言わないから止めておけ」と、あっさり却下されてしまったのだ。

 「なぜですか?」と食い下がると、「数年前にイベント出展をやったが、お客さんの集まりが悪くうまく行かなかった」という返答がかえってきた。さらにB先輩いわく、「部長も『ウチの製品はイベントでの派手な打ち出しには向かない』と言ってたんだ」とのこと。
企画に自信をもっていたAさんは不服だったが、経験のある先輩の忠告なので、しぶしぶ従うことにしたのである...。

 結果的に、Aさんは組織の中での無用なつまづきを避けられたと言える。もし先輩に相談せずに営業会議に提案したら、「見当違いなことを言うな」などと部長から責められた可能性も高いからだ。Aさんは、会議の場で非難され意気消沈するというダメージを避けながら、この企業の過去の経験を学び、一歩組織に適応したのである。
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