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May 25, 2010
実務的なプロセスKPIにファインチューニングする3つのポイント
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前回の記事「プロセスKPIを設定するための5つの視点」では、プロセスKPIを定義するにあたってまずは測定対象となる業務プロセスを明確にすること、そして「量」、「質」、「時間」、「コスト」、「次プロセスへの進行率」という5つの視点を使ってできるだけ網羅的にKPIを設定することを述べた。

(※クリックして拡大表示)
ここから、実務的に運用可能なレベルへと微調整を加えていく。その際のポイントは以下の3つである。
(1)定性的な指標は可能な限り定量的な指標に置き換える
これはとりわけ「質」のKPIについて言えることだが、定性的な指標は読み解くのに時間がかかるし、良い−悪いの判断が難しい。定性的な指標はできるだけ定量的に測定可能なものに変換するのが望ましい。
上図では、すでに部分的にファインチューニングを行っているKPIがある。それは「商談の難易度評価(製品・サービス提供にあたり、自社のリソース・ノウハウで十分対応か否か)」、「商談獲得の見込み評価(受注の確度がどの程度あるか)」という指標である。営業活動から生まれるアウトプットの質とは、言い換えれば「顧客や商談の良し悪し」である。しかし、こうした定性的な情報はそのままでは非常に測定しにくい。そこで、商談をA〜Eの5段階で評価して、それぞれのランクに含まれる商談数をカウントすることで、定量的な測定を可能にしている。
営業会議で、「今週のA商談は○件、B商談は○件、C商談は○件…」といった進捗報告を行っている企業もあるだろう。その場合の件数が、まさに商談の質を定量的に測定した数値と言える。
(2)測定困難な指標は代替指標を考えるか、方法を変える
KPIはその数値を継続的にモニタリングすることができなければ意味がない。KPIの値を取得するだけで莫大な時間がかかるのであれば、改善策の検討が大幅に遅れてしまう。だから、KPIは測定が容易で、かつ繰り返し取得できるものにしなければならない。
例えば、上図にある「提案書の質」に関しては、営業担当者が顧客企業に「私が書いた提案書の内容はどうですか?満足していただけましたか?」と聞いて回るのはあまりにも常軌を逸した行動である。また、ある期間内に作成された全社員の提案書をマネジャーが評価することも非現実的である。
こういう場合は、サンプリング調査を行う。無作為に抽出した数十件程度の提案書の内容を社内で定めた基準に従って採点するというやり方である。サンプリングと社内基準が適切であれば、提案書の質に関する全社的な傾向を知ることができる。
(3)最終成果との結びつきが薄い指標は削り、KPIにメリハリをつける
プロセスKPIは最終成果に至るまでのプロセスをモニタリングするものであるから、最終成果をどのように位置づけるかによってKPIの優先順位が変わってくる。
とにかく売上拡大が最優先課題であるような場合は、「時間」や「コスト」に関するKPIはごっそり削ってしまうのも1つの手である。逆に、収益性を重視するのであれば「時間」や「コスト」は重要なKPIになるし、「値引率」や「値引になった商談の割合」も見過ごせない指標となる。
営業活動の効率性を重視するのであれば、「量」のウェイトを軽くする。前回の記事の中で、「営業活動はろ過装置のようなものであり、プロセスが進むに従って顧客・商談数が減っていく」と書いたが、効率的な営業とは、入口(=ターゲット顧客数)が多少狭くなったとしても、ほとんどろ過されずに出口から出てくる(=成約できる)状態を指す。この場合は、「量」の代わりに「質」や「次プロセスへの進行率」に重きを置くことが考えられる。
上記の3つのポイントに従って微調整を行えば、プロセスKPI体系ができあがる。あとは各KPIの目標値を設定し、継続的なモニタリングを通じて目標との乖離をチェックする。そして、必要に応じて改善策を打つ。この繰り返しによって、KPIマネジメントのPDCAサイクルが回っていく。

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ここから、実務的に運用可能なレベルへと微調整を加えていく。その際のポイントは以下の3つである。
(1)定性的な指標は可能な限り定量的な指標に置き換える
これはとりわけ「質」のKPIについて言えることだが、定性的な指標は読み解くのに時間がかかるし、良い−悪いの判断が難しい。定性的な指標はできるだけ定量的に測定可能なものに変換するのが望ましい。
上図では、すでに部分的にファインチューニングを行っているKPIがある。それは「商談の難易度評価(製品・サービス提供にあたり、自社のリソース・ノウハウで十分対応か否か)」、「商談獲得の見込み評価(受注の確度がどの程度あるか)」という指標である。営業活動から生まれるアウトプットの質とは、言い換えれば「顧客や商談の良し悪し」である。しかし、こうした定性的な情報はそのままでは非常に測定しにくい。そこで、商談をA〜Eの5段階で評価して、それぞれのランクに含まれる商談数をカウントすることで、定量的な測定を可能にしている。
営業会議で、「今週のA商談は○件、B商談は○件、C商談は○件…」といった進捗報告を行っている企業もあるだろう。その場合の件数が、まさに商談の質を定量的に測定した数値と言える。
(2)測定困難な指標は代替指標を考えるか、方法を変える
KPIはその数値を継続的にモニタリングすることができなければ意味がない。KPIの値を取得するだけで莫大な時間がかかるのであれば、改善策の検討が大幅に遅れてしまう。だから、KPIは測定が容易で、かつ繰り返し取得できるものにしなければならない。
例えば、上図にある「提案書の質」に関しては、営業担当者が顧客企業に「私が書いた提案書の内容はどうですか?満足していただけましたか?」と聞いて回るのはあまりにも常軌を逸した行動である。また、ある期間内に作成された全社員の提案書をマネジャーが評価することも非現実的である。
こういう場合は、サンプリング調査を行う。無作為に抽出した数十件程度の提案書の内容を社内で定めた基準に従って採点するというやり方である。サンプリングと社内基準が適切であれば、提案書の質に関する全社的な傾向を知ることができる。
(3)最終成果との結びつきが薄い指標は削り、KPIにメリハリをつける
プロセスKPIは最終成果に至るまでのプロセスをモニタリングするものであるから、最終成果をどのように位置づけるかによってKPIの優先順位が変わってくる。
とにかく売上拡大が最優先課題であるような場合は、「時間」や「コスト」に関するKPIはごっそり削ってしまうのも1つの手である。逆に、収益性を重視するのであれば「時間」や「コスト」は重要なKPIになるし、「値引率」や「値引になった商談の割合」も見過ごせない指標となる。
営業活動の効率性を重視するのであれば、「量」のウェイトを軽くする。前回の記事の中で、「営業活動はろ過装置のようなものであり、プロセスが進むに従って顧客・商談数が減っていく」と書いたが、効率的な営業とは、入口(=ターゲット顧客数)が多少狭くなったとしても、ほとんどろ過されずに出口から出てくる(=成約できる)状態を指す。この場合は、「量」の代わりに「質」や「次プロセスへの進行率」に重きを置くことが考えられる。
上記の3つのポイントに従って微調整を行えば、プロセスKPI体系ができあがる。あとは各KPIの目標値を設定し、継続的なモニタリングを通じて目標との乖離をチェックする。そして、必要に応じて改善策を打つ。この繰り返しによって、KPIマネジメントのPDCAサイクルが回っていく。
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