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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
May 25, 2009

何でゆとり社員が生まれたかもうちょっと詳しく考えてみる必要があるな−『職場を悩ますゆとり社員の処方せん』

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池谷 聡
朝日新聞出版
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ぴんとこず
若いスタッフに対する疑問が解消
管理職、人を使う立場の人ならぜひ読むべき
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 5月も終わりに近づいてきて、新入社員が現場に配属される会社も増えてきたと思う。いつの時代にも若者というのは上の年代からは物足りなく映るもので、「最近の若い者ァ…」と愚痴の対象になるものだが、最近の新入社員は彼らが受けたゆとり教育にちなんで「ゆとり社員」と呼ばれ、これまでの若者とはまた違った人種として見られている。

 ゆとり社員にはこんな特徴があると本書は指摘する。
・オフィスにかかってきた電話を取らない
・上司との酒はきっぱり断る
・顧客の希望よりも「自分の夢」にこだわる
・仕事の抱負は「転職できるスキル」を磨くこと
・「受験」も「就活」も苦労知らずでめげやすい
・何でも教えてくれる「グーグル」が先生
・「自分はできる」と自信満々だが実践に弱い
・言われたことしかやらない、できない
・「お客様感覚」でプロ意識が低い
・具体的イメージのない成長願望
・成長できないと感じるとすぐ辞める
・すぐに成果が出ることにしか興味がない
 そんなゆとり社員は、自分の思い通りにならないと腐ってやる気を喪失したり、上司がアドバイスをしただけで自律神経失調症になったり、「私、忙しいんです」と言って部長命令を拒否したり、仕事に行き詰まっても先輩のアドバイスを無視したり、やるのが当たり前のことでもやれと言われない限りは「それは聞いていません」と言ってやらなかったりといろんな問題行動を起こす。本書にはこうしたゆとり社員の問題行動と、ケースに応じた対処法が紹介されている。(その中のいくつかは、日経ビジネスアソシエのサイト「ゆとり世代との付き合い方」でも読むことができる)

 まぁ、自分が望んでゆとり教育を受けたのではないのに「ゆとり社員」とカテゴライズされ、また全ての問題行動が今の新入社員に特有なわけでもないのに何かへまをすると全部ゆとり教育のせいにされる今の新入社員には若干同情せざるを得ない。だが、それでもやはり最近の新入社員は「真面目でよく勉強するが、普段はおとなしくて自己主張があまりない。時に『自分はできるヤツだ』という有能感をちらつかせ周囲を圧倒することもあるものの、肝心なところで行動を起こさず、結果につながらない」という印象を私自身も受ける。端的に言えば、どこか「矛盾した自主性」を感じるのだ。

 もともとゆとり教育とは生徒の自主性を育てるための教育だったはずだ。それがどこでどう転んでこうなってしまったのか?この本を紹介しておきながらこんなことを言うと怒られるかもしれないが、私自身は「ゆとり社員にはこう対処しましょう」といったハウツーにそんなに興味はない。それよりも、本来の教育の目的と実際の結果がこうもずれてしまった原因−別の表現をすれば、教育のデザインのどこに不備があったのかを理解することの方が私にとっては重要である。そして、この点に関する知見は、企業における人材育成にも活かすことができるはずだ。なぜならば、職務の要求を満たす人材を育成するための学習デザインについて、成人と子供という違いこそあれ、ゆとり教育の反省から学ぶべき点があると思うからである。しかし、ゆとり社員をテーマに人事・人材育成担当者向けに書かれた本で、そこまで踏み込んだ本は残念ながら見たことがない。

 よし、ゆとり教育の実態についていろいろと調べてみるか。
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