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January 13, 2009
3大疾病の治療費、患者数および先進医療との関係−『生命保険の「罠」』
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「「生命保険が高い!」と思ったら読む本−『生命保険の「罠」』」
「「収入保障型」の場合はどうなるか?−『生命保険の「罠」』」
「医療保険に入るべきか否か?−『生命保険の「罠」』」
生命保険についていろいろ調べていたらたくさん記事のネタができたので、図らずも『生命保険の「罠」』シリーズのようになってしまったが、さすがに書くのに飽きてきた(←早っ)。なので、今回の記事をもって一旦生命保険シリーズは終了。
3大疾病の治療費
最後に取り上げるのは、医療保険の「3大疾病特約」。3大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)と診断されたら、一時金として数百万円単位のまとまった金額がもらえるという保険である。通常の病気やケガの治療費に比べて高額な3大疾病の治療費をカバーするのがこの特約の目的だが、それでは3大疾病の治療費はどのくらいなのだろうか?
NTT東日本関東病院(NTTって病院持ってたのか!)が発行している広報誌「もしもし」第6号 2005年9月・10月号を見ると、3大疾病の治療費に関する記述が見つかる。
「【特集】 なるほど、医療費 気になる手術費用と医療費のしくみ」
この特集では、入院代を含む治療費は以下のようになっている(カッコ内は入院日数。もちろん、病院によって治療費は異なるので、あくまでも参考の金額)。
○胃がん…胃がん手術(切除)=1,100,000円(20日間)
○乳がん(片側)…乳房部分切除=730,000円(12日間)
○狭心症・心筋梗塞…冠動脈バイパス術=2,500,000円(15日間)
○脳動脈瘤…脳動脈瘤頸部クリッピング=1,800,000円(13日間)
○脳腫瘍…ガンマナイフ=750,000円(3-5日間)
上記金額は治療費の総額なので、そのうちの1〜3割が自己負担となる。3割負担だと結構な額になるものの、前回の記事「医療保険に入るべきか否か?−『生命保険の「罠」』」で書いたとおり、「高額療養費制度」による救済措置があるため、自己負担を軽くすることは可能だ。
3大疾病の患者数
日本人の3人に1人はガンで死亡し、3人に2人は3大疾病で死亡すると言われているが、3大疾病になる確率はいったいどのくらいなのだろうか?例によって、厚生労働省の「平成17(2005)年患者調査の概況」を利用して、簡単に試算してみた。
「患者調査の概況」における推計入院/外来患者数は、調査日時点の「瞬間」における人数を調査したものであり、調査日にたまたま通院しなかった患者は含まれない。この「調査日にたまたま通院しなかった患者」を推定して、調査日時点で日本全国にどのくらいの患者がいるのかを試算したのが「主要な傷病の総患者数」である。これによると、平成17年10月の時点で、日本全国には悪性新生物(ガン)の患者が約142.3万人、虚血性心疾患(心筋梗塞を含む)の患者が約86.3万人、脳血管疾患(脳梗塞を含む)の患者が約136.5万人いることになる。日本人の100人から150人に1人は、何らかの3大疾病を患っているということになる。
それでは、3大疾病の患者数を年齢別に見るとどうなるか?総患者数の計算式
悪性新生物(ガン)を例にとって、具体的な試算方法を以下に記述する。上記式のうち、年齢階級別データがすぐ取れるのは「入院患者数」(下表の(A))のみであるため、それ以外の項目は工夫が必要だ。まず、初診/再来外来患者数についてだが、年齢階級別の外来患者数全体のデータは存在する(「統計表4」)ため、これを一定の割合で初診と再来に按分する。「統計表1」で全傷病の推計外来患者の合計=約709.2万人の内訳を見ると、初診=約120.7万人、再来=約588.6万人であるため、初診:外来=1:4.88となる。この比率を使って、年齢階級別の推計外来患者数(B)を1:4.88に按分した人数を初診外来患者数(C)、再来外来患者数(D)とする。また、平均診療間隔については、「統計表12」の日数を全年齢階級に適用した。
このようにして、年齢階級別に見た3大疾病それぞれの患者数と、各年齢階級の人口に占める割合を算出したのが下の表だ。
○悪性新生物(ガン)の年齢階級別患者数

○虚血性心疾患(心筋梗塞を含む)の年齢階級別患者数

○脳血管疾患(脳梗塞を含む)の年齢階級別患者数

○3大疾病の年齢階級別患者数と人口比

34歳までは3大疾病の患者がほとんどいない。35歳から64歳のうち、3大疾病のいずれかにかかっている割合は1%弱。65歳以上になると、約3%が悪性新生物、約2%が虚血性心疾患、約4%が脳血管疾患の患者となり、年齢が上がるにつれてパーセンテージも上昇する。
先進医療とその治療費
3大疾病特約を勧める販売員は、「保険適用外の『先進医療』を受けると、その分の自己負担が大きくなるため、3大疾病特約をつけた方がいいですよ。特に、ガンの治療には300万円かかるものもあります」などと言う。この「先進医療」とは何なのか?厚生労働省のホームページにも説明が載っているが、掻い摘んで言えばこんな感じだ。
厚生労働省の「第16回 先進医療専門家会議 議事次第」の資料に、平成18年度の先進医療の実績に関する資料がある。この資料から、1年間の実施件数が多いトップ10の先進医療をピックアップしてみた。
まず頭に入れておきたいことは、先進医療のすべてが高額であるとは限らない、という点だ。もちろん、「悪性腫瘍に対する粒子線治療」や「固形がんに対する重粒子線治療」は約300万円と高額だ。だがもっと注目すべき点は、1年間の実施件数を見れば解るとおり、ガンなどになった人が全員受ける治療ではないということである。
3大疾病特約を考えるならば、上記の情報ぐらいは頭の中に入れた上で検討した方がよさそうだ。
※繰り返しになりますが、私は保険のプロでも保険の販売員でもありません。上記の内容は、あくまで個人的な見解であることをご了承ください。
「「生命保険が高い!」と思ったら読む本−『生命保険の「罠」』」
「「収入保障型」の場合はどうなるか?−『生命保険の「罠」』」
「医療保険に入るべきか否か?−『生命保険の「罠」』」
生命保険についていろいろ調べていたらたくさん記事のネタができたので、図らずも『生命保険の「罠」』シリーズのようになってしまったが、さすがに書くのに飽きてきた(←早っ)。なので、今回の記事をもって一旦生命保険シリーズは終了。
3大疾病の治療費
最後に取り上げるのは、医療保険の「3大疾病特約」。3大疾病(ガン、心筋梗塞、脳卒中)と診断されたら、一時金として数百万円単位のまとまった金額がもらえるという保険である。通常の病気やケガの治療費に比べて高額な3大疾病の治療費をカバーするのがこの特約の目的だが、それでは3大疾病の治療費はどのくらいなのだろうか?
NTT東日本関東病院(NTTって病院持ってたのか!)が発行している広報誌「もしもし」第6号 2005年9月・10月号を見ると、3大疾病の治療費に関する記述が見つかる。
「【特集】 なるほど、医療費 気になる手術費用と医療費のしくみ」
この特集では、入院代を含む治療費は以下のようになっている(カッコ内は入院日数。もちろん、病院によって治療費は異なるので、あくまでも参考の金額)。
○胃がん…胃がん手術(切除)=1,100,000円(20日間)
○乳がん(片側)…乳房部分切除=730,000円(12日間)
○狭心症・心筋梗塞…冠動脈バイパス術=2,500,000円(15日間)
○脳動脈瘤…脳動脈瘤頸部クリッピング=1,800,000円(13日間)
○脳腫瘍…ガンマナイフ=750,000円(3-5日間)
上記金額は治療費の総額なので、そのうちの1〜3割が自己負担となる。3割負担だと結構な額になるものの、前回の記事「医療保険に入るべきか否か?−『生命保険の「罠」』」で書いたとおり、「高額療養費制度」による救済措置があるため、自己負担を軽くすることは可能だ。
3大疾病の患者数
日本人の3人に1人はガンで死亡し、3人に2人は3大疾病で死亡すると言われているが、3大疾病になる確率はいったいどのくらいなのだろうか?例によって、厚生労働省の「平成17(2005)年患者調査の概況」を利用して、簡単に試算してみた。
「患者調査の概況」における推計入院/外来患者数は、調査日時点の「瞬間」における人数を調査したものであり、調査日にたまたま通院しなかった患者は含まれない。この「調査日にたまたま通院しなかった患者」を推定して、調査日時点で日本全国にどのくらいの患者がいるのかを試算したのが「主要な傷病の総患者数」である。これによると、平成17年10月の時点で、日本全国には悪性新生物(ガン)の患者が約142.3万人、虚血性心疾患(心筋梗塞を含む)の患者が約86.3万人、脳血管疾患(脳梗塞を含む)の患者が約136.5万人いることになる。日本人の100人から150人に1人は、何らかの3大疾病を患っているということになる。
それでは、3大疾病の患者数を年齢別に見るとどうなるか?総患者数の計算式
総患者数=入院患者数+初診外来患者数+再来外来患者数×平均診療間隔×調整係数(6/7)を用いてやってみた。
悪性新生物(ガン)を例にとって、具体的な試算方法を以下に記述する。上記式のうち、年齢階級別データがすぐ取れるのは「入院患者数」(下表の(A))のみであるため、それ以外の項目は工夫が必要だ。まず、初診/再来外来患者数についてだが、年齢階級別の外来患者数全体のデータは存在する(「統計表4」)ため、これを一定の割合で初診と再来に按分する。「統計表1」で全傷病の推計外来患者の合計=約709.2万人の内訳を見ると、初診=約120.7万人、再来=約588.6万人であるため、初診:外来=1:4.88となる。この比率を使って、年齢階級別の推計外来患者数(B)を1:4.88に按分した人数を初診外来患者数(C)、再来外来患者数(D)とする。また、平均診療間隔については、「統計表12」の日数を全年齢階級に適用した。
このようにして、年齢階級別に見た3大疾病それぞれの患者数と、各年齢階級の人口に占める割合を算出したのが下の表だ。
○悪性新生物(ガン)の年齢階級別患者数

○虚血性心疾患(心筋梗塞を含む)の年齢階級別患者数

○脳血管疾患(脳梗塞を含む)の年齢階級別患者数

○3大疾病の年齢階級別患者数と人口比

34歳までは3大疾病の患者がほとんどいない。35歳から64歳のうち、3大疾病のいずれかにかかっている割合は1%弱。65歳以上になると、約3%が悪性新生物、約2%が虚血性心疾患、約4%が脳血管疾患の患者となり、年齢が上がるにつれてパーセンテージも上昇する。
先進医療とその治療費
3大疾病特約を勧める販売員は、「保険適用外の『先進医療』を受けると、その分の自己負担が大きくなるため、3大疾病特約をつけた方がいいですよ。特に、ガンの治療には300万円かかるものもあります」などと言う。この「先進医療」とは何なのか?厚生労働省のホームページにも説明が載っているが、掻い摘んで言えばこんな感じだ。
「先進医療とは、新しい医療技術の出現・患者ニーズの多様化等に対応するために、一般の保険診療で認められている医療の水準を超えた最新の先進技術として厚生労働大臣から承認された医療行為のことを言います。」先進医療のうち、保険適用対象外の部分は自己負担になるため、場合によってはとんでもない治療費がかかりますよ、というのが保険屋の言い分である。それでは、先進医療にはいったいいくらかかるのだろうか?
(「先進医療ってなに?」(保険選びのお役立ち情報サイト ライフィ))
厚生労働省の「第16回 先進医療専門家会議 議事次第」の資料に、平成18年度の先進医療の実績に関する資料がある。この資料から、1年間の実施件数が多いトップ10の先進医療をピックアップしてみた。
| No | 技術名 | 年間実施 件数 | 1件あたり 費用 | 平均 入院期間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 悪性黒色腫又は乳がんにおけるセンチネルリンパ節の同定と転移の検索 | 622 | 51,391 | 12.3 |
| 2 | 悪性腫瘍に対する粒子線治療 | 533 | 2,851,409 | 31.4 |
| 3 | インプラント義歯 | 485 | 589,683 | 3.8 |
| 4 | 固形がんに対する重粒子線治療 | 453 | 3,107,095 | 33.2 |
| 5 | 抗がん剤感受性試験 | 272 | 28,854 | 33.9 |
| 6 | 画像支援ナビゲーション手術 | 204 | 84,844 | 41.6 |
| 7 | 自己腫瘍(組織)を用いた活性化自己リンパ球移入療法 | 152 | 623,094 | 12.0 |
| 8 | 子宮頚部前がん病変のHPV-DNA診断 | 134 | 12,200 | - |
| 9 | 胸部悪性腫瘍に対するラジオ波焼灼療法 | 110 | 203,345 | 10.9 |
| 10 | 歯周組織再生誘導法 | 93 | 58,880 | 0.0 |
まず頭に入れておきたいことは、先進医療のすべてが高額であるとは限らない、という点だ。もちろん、「悪性腫瘍に対する粒子線治療」や「固形がんに対する重粒子線治療」は約300万円と高額だ。だがもっと注目すべき点は、1年間の実施件数を見れば解るとおり、ガンなどになった人が全員受ける治療ではないということである。
3大疾病特約を考えるならば、上記の情報ぐらいは頭の中に入れた上で検討した方がよさそうだ。
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※繰り返しになりますが、私は保険のプロでも保険の販売員でもありません。上記の内容は、あくまで個人的な見解であることをご了承ください。
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