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January 10, 2009
「生命保険が高い!」と思ったら読む本−『生命保険の「罠」』
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すみません、年末に書いた「今年印象に残った本ベスト10(第6位→第10位)」という記事で思いっきり間違ったことを書いてしまった。「30歳の男性が60歳になるまでに死亡する確率は0.47%」みたいなことを書いたが、全くの誤りである。そこで、適切な死亡率を元に、もう一度「保険会社の経費(営業担当者の人件費、広告宣伝費、営業所・支店等の賃借費など)」を考慮せずに、月々の保険料を試算するとどうなるかやってみたいと思う。
「死亡時の保険金=3,000万円」の保険の場合
試算にあたり、以前の記事と同じく、30歳の男性が100人加入している生命保険を想定する。保険加入期間は満60歳の誕生日まで、つまり30年間とし、保険期間中に死亡した場合は3,000万円の保険金が受け取れるものとする。
30歳の男性が60歳になるまでに死亡する確率だが、厚生労働省の「生命表」を用いて計算する。生命表とは、「ある時期における死亡状況(年齢別死亡率)が今後一定不変としたとき、各年齢に達したものが平均してあと何年生きられるかを、死亡率、生存数、平均余命等の生命関数によって表現したもの」である。
「第19回生命表(完全生命表)」(厚生労働省ホームページ)
男性の生命表のページからエクセルの詳細データをダウンロードすると、「30歳の生存数=98,490」、「60歳の生存数=89,600」という数値が出てくる。単純に引き算をすれば、30歳から60歳になるまでの死亡数は98,490−89,600=8,890となる。ここから、30歳の男性が60歳になるまでに死亡する確率は、8,890÷98,490=9%と計算できる。つまり、100人の加入者のうち、9人は60歳になるまでに死亡し、保険金の支払いが発生するというわけだ。『生命保険の「罠」』の中で、「『確率』で考えても、60歳までに10%近くの人が亡くなる」(p116-117)と書かれているのともほぼ一致する。
9人に支払う保険金の合計は、3,000万円×9人=2億7,000万円。これを残りの91人が負担する(簡略化のため、死亡した9人が死亡時までに支払った保険料は除外して考える)わけだから、1人あたりの負担金額は約296.7万円。これを30年間で支払うとすると、1ヶ月あたりの保険料は、296.7万円÷30年÷12ヶ月=約8,242円となる。
保険料を「運用」すると…
ただ実際には、加入者が支払った保険金は保険会社によって運用されるため、支払うべき保険料はもっと少なくなるはずだ。世界の金融システムがこんな状態なので、かなり低リスクで運用することにする。保険料を「年2%」で運用した場合、月々の保険料はいくら必要なのだろうか?

現実には、保険料が支払われた直後から運用を開始することができるが、計算を簡単にするため、30歳の間の1年間に支払われた保険料は、31歳から運用が始まるものとする。つまり、30歳の時の保険料は、31歳から60歳になるまでの29年間運用される。この間、年率2%で運用し続けると(複利)、最初の保険料は(1+利率)^{運用年数}=1.02^29=1.78倍(※「^」はべき乗)に増加する。同様に、31歳の時の保険料は28年間、32歳の時の保険料は27年間…運用され、元の保険料は1.74倍、1.71倍…に増える。各年齢における運用後の金額の合計が、支払うべき保険金=2億7,000万円に等しくなるように毎月の保険料を設定してやればよい。すると、上記の表の通り、約6,100円となる。
これで、保険料の「原価」にぐっと近づいたはずだ。
※ちなみに、私は保険のプロでも保険の販売員でもありません。上記の内容は、あくまで個人的な見解であることをご了承ください。
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