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August 21, 2007
エリック・シュミットの名言
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When asked how the 64-bit Itanium, the new megaprocessor from Intel and Hewlett-Packard, would affect Google, Mr. Schmidt replied that it wouldn't. Google had no intention of buying the superchip. Rather, he said, the company intends to build its future servers with smaller, cheaper processors.
…"We aren't interested in getting maximum power for a high price," he says. "What we're looking for is maximum functionality and that's a whole different thing." Each of Google's thousands of motherboards (a computer's main circuit board) are designed for the quick switching of components. Even the power supply is held on with Velcro straps: if it burns out, it can be replaced quickly. Recently, when the expensive top-end disk drives used by the motherboards proved inadequate, Google tossed out thousands and replaced them with cheaper, better models.
(Michael S. Malone, ‘Forget Moore’s Law’, Red Herring 2003)
エリック・シュミット(1955〜)
GoogleのCEO。Google関連の昔の記事を読み返していて見つけたので紹介。この言葉は、「ムーアの法則なんて忘れろ」という、IT産業の将来に関わる非常に挑戦的な記事の中で紹介されたものである(参考:http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/000372.html)。
そもそもムーアの法則とは、インテルの創業者であるゴードン・ムーアが1965年に提唱したもので、「半導体の集積密度は18〜24ヶ月で倍増する」という経験則のこと。半導体メーカーは、(半ば狂信的に)ムーアの法則に従って高性能チップを開発し、ソフトウェア企業はチップの性能を最大限に活用するようなソフトウェアを開発してきた。その代表格が「ウィンテル」である。
しかし、Googleは全く違う考えを持っていた。検索エンジンが対象とするのは基本的にテキスト情報である。ならばわざわざ最新の高価な高性能チップを使う必要もなく、昔のチップをうまく活用すれば何とかなるはずだと考えたのだ。そこでGoogleは、ウン万台のコンピュータをつないで、独自のサーバシステムを作り上げてしまった。冒頭の引用文で、シュミット自身もインテルが2001年に発表したItaniumプロセッサに関し、「Googleのビジネスに与える影響はない」とあっさり否定し、こんな風に述べている。
「高い金を払って最高のパワーを手に入れることには興味はない。重要なのは機能性をどう高めるかであり、パワーと機能性は別物である。Googleの数千のサーバに搭載されているマザーボードは、部品が素早く交換できるようにデザインされている。電源は、燃えたらすぐに交換できるようにマジックテープで留められているくらいだ。最近も、マザーボードが使っていた高価なディスクドライブが不適切だと解ったので、数千台をより安価でGoogleに適したドライブに交換した」
これらの言葉から、競合他社を出し抜き、一気に業界のトップへと上り詰める企業に必要な要件が見えてくる。月並みの言葉だが、それはすなわち「常識を疑う」こと、そして「まずは自分でやってみる」ということだ。
日本で言えば、トヨタ自動車が似たような性格を持っているように思える。原価を極限まで下げるために、従来の方法を絶えず改善し続けるのは、まさに昨日までの常識に自ら疑問を投げかけることに他ならない。また、今はどうか知らないが、昔のトヨタは新しい部品を作るときに、必ず最初は自分達で部品を作り、限界までコストを下げてから、それ以下のコストで外注に出していたらしい。
ちなみに、「ムーアの法則なんて忘れろ」議論から4年たった今、Googleのサーバがどうなっているかとか(4年前に比べてインデックス数は爆発的に増え、画像や動画も検索対象となっている)、シュミットの考えに変わりはないかとか、本当にIT産業はムーアの法則を忘れることができるのか/忘れるべきなのか、とか議論は絶えないのだろうが、その辺りについてはまた別の機会で。
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コメント
暑さと忙しさで消耗気味なので、
きちんと説明しませんが
「まずは自分でやってみる」
との言葉に元気がでました。
次回も楽しみにしてます。
Posted by: 〒 |
August 22, 2007 00:56
「まずは自分でやってみる」というのは、起業直後のエネルギッシュな起業家には欠かせないもののように思います。
(もちろん、ある程度事業化のめどが立てばM&Aを繰り返して事業拡大を図るという戦略もありですが)
Posted by: とも | August 28, 2007 17:31