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April 04, 2006
増え続ける製品オプションは定期的に「体系的廃棄」を施そう
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「イノベーションに優れた企業は、古いもの、陳腐化したもの、もはや生産的でないものを、組織的に廃棄する仕組みをつくっている。『品質さえよければ、馬車用むちの市場はいつまでもあるはずだ』などとはけっして考えない。人間のつくったものはみな、遅かれ早かれ、通常は早いうちに、陳腐化してしまうことを知っている。…
それらの企業は、ほぼ三年ごとに、そのすべての製品、工程、技術、サービス、市場を死刑の裁判にかける。『今知っていることを知っていても、この製品やサービスを手がけるだろうか』と問い、その答えがノーであるならば、『どうするか検討しよう』とは言わずに、『どう手を引くべきか』と問う。」
(P・F・ドラッカー著、上田惇生他訳『マネジメント・フロンティア』)
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多くの市場で製品のコモディティ化(汎用化・日用品化)が進み、競合他社の製品との差別化が図りにくくなっていることはもはや周知の事実です。これは、図中の「ベース」の領域に多くの企業の製品が集中している状態です。そこであらゆる企業がマーケティングのセオリーに従い、他社製品と差別化を図るために様々な機能やデザインなどを付け加えて、よりきめ細やかな顧客ニーズに対応し、付加価値を創出しようとしています。
顧客の個別ニーズに応える方法には、「オプション」と「カスタマイズ」の2通りの方法があります。オプションとは、比較的多くの顧客に共通するニーズに応えるために、あらかじめ企業が用意する選択肢のことで、自動車で言えばカーオーディオやカーナビに当たるものです。一方、カスタマイズとはオプションではカバーできないようなより細かい顧客の要望に応えるもので、自動車を例に取ると、エンジンチューニングを施したり、インテリアを好みに合わせて改造したりするような場合が該当します。
製品にカスタマイズを施す場合は、逐一設計を行い、その仕様のためだけの製造工程・製造方法を採用する必要があります。カスタマイズをすれば、より「わがままな」顧客を虜にすることが可能になりますが、企業にとっては業務が複雑になりコストが増大して、収益を圧迫する原因ともなりかねません。ゆえにできる限り、設計や生産方法が決まっているオプションへとシフトさせることが望ましいとされます。
ところがオプションばかりにこだわるのも問題があります。オプションの数がいたずらに増えすぎると、管理やメンテナンスのための手間とコストが増加するからです。オプションではなくカスタマイズで対応した方が楽であるという、皮肉な事態が発生してしまうのです。
カスタマイズからオプションへシフトさせるためのルールを作ることに比べると、オプションを廃止してカスタマイズへとシフトさせるためのルールを作ることは少ないように思われます。「3ヶ月に1回受注があったらオプションにする」という意思決定はできても、「3ヶ月以上受注がなかったらオプションから削除する」という決断はなかなかな下されません。「このオプションは最近売れていないから止めよう」とか、「このオプションは煩雑だから当社では対応しないことにしよう」といった場当たり的な判断になりがちです。ドラッカーの「体系的廃棄」の手法を活用して、オプションを廃止するための体系的なルールを組織内に設けることが有用であるように思われます。
《補足》
「体系的廃棄」と似た言葉に「計画的陳腐化」という言葉がありますが、両者は全く違います。「体系的廃棄」とは製品やサービス、プロセスなどを定期的に総点検し、もはや組織にとって不要となったものを廃棄することであるのに対し、「計画的陳腐化」とは買い替え需要を狙う目的で行われるもので、より優れた製品で既存製品を意図的に陳腐化させ、製品ライフサイクルを縮めることをいいます。
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