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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
April 11, 2006

イノベーションの全容解明へ(1)−イノベーションの3ステップ

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 これまでイノベーションといえば、何が成功して何が失敗するか全く解らないもの、山間部の天候のように気紛れなもの、突然訪れる天変地異のようにコントロール不能なものといった印象が強いものでした。しかし、最近ではイノベーションに関する著書や論文も増えて、ブラックボックスであったイノベーションの実態が徐々に明らかにされつつあるように思えます。

 イノベーションの過程は、(1)イノベーションの機会を発見する(2)イノベーションの卵を生み出す(3)市場を創出する、という3つの要素によって成り立っています。

 (1)は、ドラッカーが『イノベーションと起業家精神』の中で挙げた「7つの機会」や、クリステンセンが『明日は誰のものか』の中で「変化のシグナル」と呼んだものに該当します。「7つの機会」については、こちらの記事にまとめました。「変化のシグナル」は、マーケットにおいて「非消費者(ある製品を、自分の持てる技量や財政事情のままでは、購入あるいは利用できない人たち)」や「満足度過剰の顧客(かつてプレミアム価格の立派な理由になっていた性能面での進歩に対して金を支払わなくなった消費者)」が存在する場合に見られるもので、破壊的イノベーションの発生を示唆するものです。

明日は誰のものか イノベーションの最終解 (Harvard business school press)明日は誰のものか イノベーションの最終解 (Harvard business school press)
クレイトン・M・クリステンセン スコット・D・アンソニー エリック・A・ロス 宮本 喜一

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 (2)はイノベーションを起こすための製品やサービスを開発することです。そして(3)は、(1)の機会と(2)の製品・サービスとを適切に結びつけ、イノベーションのためのマネジメントによって新市場を生み出すことを意味します。この3つの要素の順番によって、イノベーションのプロセスは次の2つに分かれます。

儀拭 1)→(2)→(3)の順番で実現するイノベーション
 フィリップ・コトラーのマーケティング・マネジメントを簡単にまとめると、「顧客ニーズの把握」→「ニーズを満たす製品・サービスの開発」→「製品・サービスの市場への浸透」という順番になります。儀燭呂海離廛蹈札垢販犹しています。マーケティング理論に親しんでいる人には、儀燭離廛蹈札垢詫解しやすくもあり、逆にマーケティングとイノベーションの線引きを難しくする原因ともなるものです。

 ドラッカーのイノベーション理論は儀燭鯊燭扱っています。「7つの機会」のうち、一つ目の機会である「予期せぬことの生起」以外の機会から生じるイノベーションは、儀燭紡阿垢襪噺世┐泙后N磴┐弌高齢社会の到来と高齢者の巨大な市場の存在を見越して、早々から高齢者向けの医療サービスや、パッケージツアーなど余暇を楽しむためのサービスの提供を開始することは、第5の機会である「人口構造の変化」を利用してサービスを開発し、市場を創出するという儀燭離ぅ離戞璽轡腑鵑砲覆蠅泙后

況拭 2)→(1)→(3)の順番で実現するイノベーション
 況燭魯ぅ譽ュラーなパターンです。市場の機会を見つけるよりも先に製品ができあがっているという点で、一般的なマーケティング理論とは全く異なるアプローチをとります。

 クリステンセンの破壊的イノベーション理論には、況燭離ぅ離戞璽轡腑鵑多く登場します。クリステンセンの著書では、小型ディスク・ドライブ、油圧式掘削機、ミニミル(広く普及している技術と設備を使い、鉄くずを電路で融解し、それをビレットに鋳造してから、各種の鉄鋼製品に圧延する製鉄所)、電話といった「イノベーションの卵」が既存市場のプレーヤーを駆逐して、真の「イノベーション」となる様子が描かれています。これらのイノベーションに共通するのは、「まずは製品ありき」であるということです。製品を先に開発し、その後で市場を探しています。この点が儀燭箸和腓く異なることです。
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