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January 08, 2006
詳細に詰められた人生計画は面白くない〜偶然を大事にしよう
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たまに、「5年後は○○をする。10年後には△△をする。15年後には□□をする。」といった具合に、長期間にわたる人生計画を事細かく立てる人がいます。角田信朗さんは『プロ論2』の中で、「10年後の計画とかをきっちり決めているヤツに限って1ヶ月で諦めたりする。」といった趣旨の発言をされていましたが、私も長期の人生計画を詳細に立案することに対しては消極的です。
第一に、未来は必ずしも現在の思考の延長線上にはありません。これはほとんど異論のないところだと思います。5年も10年も経てば、計画を立てた当時には予想もしなかったことの一つや二つは起こります。私は中学生、高校生の時には弁護士を目指していました。しかし、大学に入ってから弁護士の夢は頓挫しました。私が法律の勉強を楽しむことができないという致命的な欠陥が見つかったのが理由です。弁護士を目標としていた頃は、自分は法律の勉強が得意であることを信じて疑いませんでした。
戦略ブームが去って、たいていの企業は環境の不確実性を理由に、長期的な戦略を詳細に立てることに消極的になりました。企業を取り巻く環境に比べれば、個人の人生計画に影響を及ぼす不確実な要素ははるかに少ないかもしれません。とはいえ、その要因はゼロではありません。
第二に、例えば人生計画に夫婦や家族の計画を盛り込むケースのように、計画の実行に他人の関与や協力が欠かせない場合、長期的かつ詳細な計画は、長きに渡ってその他人に制約を加え、他人を束縛しかねません。もしもその他人が自分にとって貴重な人物であるならば、これはお互いの関係の崩壊をももたらす恐れがあります。自分の計画が他人の重荷になるのは、望ましいことではありません。大切な人から「あなたは私にとって重い」と言われることほどショッキングな出来事はありません。
そして第三に、厳密な計画に忠実に従って実行された行動の結果は意外と味気ないものです。それはちょうど、レシピに書かれた材料の分量、調理の手順を忠実に守って作った料理が案外美味しくないのと同じです。料理の場合、使用しているコンロや鍋などの調理器具の違いによって、同じように調理しても味に差が出ます。レシピに書いてある火加減や加熱時間を調整する必要も出てきます。火加減が変われば、調味料の分量も変えなければならないかもしれません。要するに、私たちは直面した状況に応じて当初のもくろみを修正し、行動を変更することもいとわない姿勢が求められるのです。
もちろん、計画がすべて無意味だと言いたいのではありません。計画を放棄することは、羅針盤を持たずに荒波に船を出すのと同じくらい愚かです。命知らず以外はそんなことをしません。ただ、「計画万能主義」にはならないほうがよいということです。社会主義国家で信奉を集めた計画万能主義は大して成果を上げられませんでした。国家は毎年、農作物や工業製品の生産計画を詳細に立てましたが、得られたのは労働の怠慢と低い生産性だけでした。
私は、将来的になりたいと思う自分の姿をおぼろげながら想像し、そこに少しでも近づくためには今年1年どうするかという計画を立てることにしています。なりたい自分の像は、そこに到達するための道筋が幾重にも繋がっているほどに曖昧にしておきます。1年後に、予期しない出来事が発生したかどうかを確認し、それを踏まえて次の年の計画を立てます。
計画は、行動の結果を100%約束するために立てるものではありません。優れた計画は、混沌とした世界の中にあってとりあえずの一歩を踏み出す勇気を与えてくれるものであり、予期しない偶然が発生した時にそれを知らせてくれるシグナルの役割を果たすものであると思っています。
(※補足)キャリア論には「プランドハップンスタンスセオリー(Planned Happenstance Theory)(計画的偶発性理論)」という理論がある。1999年にスタンフォード大学のクランボルツ教授らによって発表されたもので、キャリアの80%は予想しない偶然の出来事によって形成されるというもの。キャリアが偶然性に左右されるといっても、日頃から能動的な行動パターンを取っている人にはより望ましい偶然が起こるし、そうでない人にはあまり起きない。
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第一に、未来は必ずしも現在の思考の延長線上にはありません。これはほとんど異論のないところだと思います。5年も10年も経てば、計画を立てた当時には予想もしなかったことの一つや二つは起こります。私は中学生、高校生の時には弁護士を目指していました。しかし、大学に入ってから弁護士の夢は頓挫しました。私が法律の勉強を楽しむことができないという致命的な欠陥が見つかったのが理由です。弁護士を目標としていた頃は、自分は法律の勉強が得意であることを信じて疑いませんでした。
戦略ブームが去って、たいていの企業は環境の不確実性を理由に、長期的な戦略を詳細に立てることに消極的になりました。企業を取り巻く環境に比べれば、個人の人生計画に影響を及ぼす不確実な要素ははるかに少ないかもしれません。とはいえ、その要因はゼロではありません。
第二に、例えば人生計画に夫婦や家族の計画を盛り込むケースのように、計画の実行に他人の関与や協力が欠かせない場合、長期的かつ詳細な計画は、長きに渡ってその他人に制約を加え、他人を束縛しかねません。もしもその他人が自分にとって貴重な人物であるならば、これはお互いの関係の崩壊をももたらす恐れがあります。自分の計画が他人の重荷になるのは、望ましいことではありません。大切な人から「あなたは私にとって重い」と言われることほどショッキングな出来事はありません。
そして第三に、厳密な計画に忠実に従って実行された行動の結果は意外と味気ないものです。それはちょうど、レシピに書かれた材料の分量、調理の手順を忠実に守って作った料理が案外美味しくないのと同じです。料理の場合、使用しているコンロや鍋などの調理器具の違いによって、同じように調理しても味に差が出ます。レシピに書いてある火加減や加熱時間を調整する必要も出てきます。火加減が変われば、調味料の分量も変えなければならないかもしれません。要するに、私たちは直面した状況に応じて当初のもくろみを修正し、行動を変更することもいとわない姿勢が求められるのです。
もちろん、計画がすべて無意味だと言いたいのではありません。計画を放棄することは、羅針盤を持たずに荒波に船を出すのと同じくらい愚かです。命知らず以外はそんなことをしません。ただ、「計画万能主義」にはならないほうがよいということです。社会主義国家で信奉を集めた計画万能主義は大して成果を上げられませんでした。国家は毎年、農作物や工業製品の生産計画を詳細に立てましたが、得られたのは労働の怠慢と低い生産性だけでした。
私は、将来的になりたいと思う自分の姿をおぼろげながら想像し、そこに少しでも近づくためには今年1年どうするかという計画を立てることにしています。なりたい自分の像は、そこに到達するための道筋が幾重にも繋がっているほどに曖昧にしておきます。1年後に、予期しない出来事が発生したかどうかを確認し、それを踏まえて次の年の計画を立てます。
計画は、行動の結果を100%約束するために立てるものではありません。優れた計画は、混沌とした世界の中にあってとりあえずの一歩を踏み出す勇気を与えてくれるものであり、予期しない偶然が発生した時にそれを知らせてくれるシグナルの役割を果たすものであると思っています。
(※補足)キャリア論には「プランドハップンスタンスセオリー(Planned Happenstance Theory)(計画的偶発性理論)」という理論がある。1999年にスタンフォード大学のクランボルツ教授らによって発表されたもので、キャリアの80%は予想しない偶然の出来事によって形成されるというもの。キャリアが偶然性に左右されるといっても、日頃から能動的な行動パターンを取っている人にはより望ましい偶然が起こるし、そうでない人にはあまり起きない。
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コメント
Posted by: 佐藤直曉 | January 11, 2006 11:40
このセリフ、いつか使わせていただきます!
本当に私も実践を通して思いました。
月度計画書を作り、その月の売上を目指しますが、うまくいくときはほとんどありません。うまくいかなかったときに、もう一回練り直し、またさらに練り直し・・・の繰り返しで予算に達成していきます。
ともさんの話を聞くと、自分の頭の中が整理され、勉強になります。
ありがとうございました。
Posted by: りょうすけ | January 12, 2006 02:24