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December 20, 2005

予想通り、政府予想より早く到来した超少子化社会

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  超少子化国 来年にも「人口減少社会」
  今年中に人口減少か 厚労省の動態統計

 おそらく半年ほど前の政府予想では、2007年より人口減少が始まるとされていた記憶があるのですが、先日閣議決定された平成十七年版「少子化社会白書」では、来年にも人口減少が始まるとの見方が示されました。ところが川崎二郎厚労相は「今年は人口が減る年になりそうだ」と、白書の予想をも上回るスピードで人口減が進行していることを指摘しました。政府予想より早く人口減少・少子化が進むことは大方予想していましたが、とうとう本格的に「超少子化社会」が到来した模様です。

(1)移民問題は…
 少子化が進行すれば労働力人口が減少するため、経済・産業を維持するために海外からの移民を受け入れて労働力を確保すべきだという主張が当然出てきます。個人的には、一定の移民を受け入れることは覚悟をしなければならないが、移民に依存しすぎることはできないと思っています。しかも、「一定の移民」もそれほど多数にはならないでしょう。日本の経済的な要求を満たすというより、国際社会からの政治的な要求に答える程度にしかならないように思われます。

 移民を受け入れることは、現在のように外国人労働者を受け入れることとはわけが違います。日本には移民を受け入れる体制がなさ過ぎます。そして、その体制を築くには、何十年もかかることが予想されます。移民受入は即効薬になる可能性が低そうです。何十年もかかる長期戦になるのならば、子どもを増加させるための方策を戦略的に考えることの方が優先されるべきであり、はるかに意義があることだと思います。

(2)子どもを増やすためには?
 子どもを生まない理由は(身体的、生理的な要因を除いて)大きく二つあると考えられます。一つは、子育てをすることが経済的に厳しい、仕事との兼ね合いを考慮すると子育てが困難であるといった消極的な理由であり、もう一つは自分のライフスタイルを優先するために子どもをつくらないという積極的な理由です。

 前者に対しては、政府、自治体、地域が一体となった支援サービスを行うことが有効であり、実際に各種の支援策が実施、検討されているところです。今後の課題は、ばらばらになっている各種支援策を一貫した支援へと構築し、利用者の認知度と利便性を高めることでしょう。

 一方、後者に対する解決策は難題です。後者を理由にする人が増加すれば、事態はかなり深刻になります。人は国家の現在のみでなく、国家の将来に対しても責任を有しており、子どもをもうけることによってその基盤を築くことが重要な責務である、と言って説得することができるならば簡単なのですが、責任論を振りかざして子育てを強要するような真似が正当化されるとも思えません。後者の理由に対してはどのように向き合えばいいのか、私は解りません。

(3)高齢者に引退はなくなった
 少子化は高齢者を支える人口の減少を意味します。10年ほど前であれば、「現在は1人の高齢者を4人の若者で支えているが、将来は2人の若者で支えなければならない」という説明がイラストつきで紹介されたものですが、今となってはそれは絵空事ではなく現実です。もっとも、高齢者が社会保障に全面的に依存するのにも限界があります。子どもが増え、人口が増えればいいのですが、実現するとしてもかなり先のことになりそうです。

 高齢者が生きがいや第二の人生を求めて退職後も働き続けることが、「頑張る高齢者」の理想的な姿として報道で大きく取り上げられますが、何十年後にはこれが当然のことになると思われます。しかも、自己実現のためといった聞こえのいい理由ではなく、もっと差し迫った理由、つまり社会保障だけでは賄い切れない生活費を稼ぐためという現実的な理由で働くようになります。少子高齢社会は、高齢者に引退がなくなる社会の到来をも意味しているようです。高齢者、あるいは数十年後に高齢者となる人たちは、働き続けることができるように自己をマネジメントする必要がありそうです。
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