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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
November 29, 2005

専門家は一つの分野に集中した方が多様な知識を習得できる

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 明石家さんまさんが、ある番組で所ジョージさんの言葉を紹介していました(言葉の細部は違っているかもしれません)。

「あれもこれもと知識を追い求めるよりも、一つのことに集中した方が、むしろ周辺の知識も得られてより知識が豊富になる。」

 逆説的な表現ですが、さすが所さん、いいこと言うなと思いました。

 仕事であれ学問であれ、専門分化した方が成果を上げやすいことはほとんど異論のないことだと思います。人間の知識欲は強大で、欲望の赴くままに次から次へと様々な分野に手を出してみたい誘惑に駆られることもあります。しかし、そのようなことをしても、結局は注ぐべきエネルギーが散漫になり、どの分野も中途半端にしか習得できないのがおちです。「二兎を追うもの一兎も得ず」とはよく言ったもので、僅か二兎を追っただけでも人間は失敗してしまうのです。

 専門分野は、確かに名目上は他の分野と明確に区別されますが、実際には他の分野から完全に独立しているような専門分野は皆無です。ある専門分野は別の専門分野と知識を共通にするか、別の専門分野の思想的影響を受けるか、別の専門分野の方法論を借用するなどして、必ず他の専門分野との接点を有しています。真にある専門分野を極めようとするのならば、自ずと接点を有する他の専門分野も理解する必要が生じます。

 他の専門分野まで「極める」必要はありません。それは不可能に近い荒業です(ダ・ヴィンチのような一部の天才にはできるかもしれませんが)。ただし、他の専門分野を「理解する」能力は要求されます。とはいえ、それは誰でも獲得することが可能なはずです。他の専門分野の知識は、すでに核としている専門分野の知識との関連性において理解することができます。こうして、私達は知識を豊かにすることができるのです。

 ドラッカーは次のように述べています。
 われわれは、多様な知識に精通する「博学」を必要としてはいない。また事実、そのような人間は存在しえない。
 逆にわれわれは、ますます専門化していく。
 われわれが、真に必要とするものは、多様な専門知識を理解する能力である。そのような能力を持つ者が、「知識社会」における「教育ある人間」である。
(P・F・ドラッカー著『ポスト資本主義社会 21世紀の組織と人間はどう変わるか』)

ポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるかポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるか
P.F. ドラッカー P.F. Drucker

ダイヤモンド社 1993-07

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