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September 01, 2005

行き当たりばったりの読書の末にたどり着いた、ドラッカーの「体系的学習」の方法

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 「体系的に学習する」−これは私が常々掲げている目標です。そして、私が好きな言葉でもあります。

 しかし、この目標を「発見」するまでには紆余曲折がありました。

 恥ずかしながら、私には、受験勉強の反動で(というのは全くの言い訳ですが…)、大学に入ってからまともに勉強をしなかった時期が2年ほどありました。講義には出席していたのですが、知識が身についている気がしないと思っていたのです。

 3回生になって、自分がビジネスのことにあまりに無知であることを思い知らされて、少しずつビジネス関連の雑誌や書籍を使いながら学習を始めました。だが、その時の書籍の選び方はあまりに衝動的で、計画性もあったものではありませんでした。とりあえず、そんなに分厚くなくて、内容も簡単そうで、かつ、興味を引くタイトルのものを買いあさっていました。

 4回生になった頃から、「1ヶ月に最低5冊は本を読む」という数値目標を立てるようになりました。しかし、依然として書籍の選び方は行き当たりばったりでした。例えるならば、どこを掘っているかもよく解らないままに、闇雲にあちこち掘り返していて、いつまでたってもお目当ての物にたどり着けそうにない、そんな状態です。

 P.F.ドラッカーに出会ったのは4回生の始めの頃でしたが、本当に偶然でした。最初に読んだのは、友人に読むように薦められた『ネクスト・ソサエティ』でした。

ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまるネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる
P・F・ドラッカー 上田 惇生

ダイヤモンド社 2002-05-24

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 その頃はドラッカーのことも知らなかったので、あまり気に留めてはいませんでした。ところが、社会人になってから、ドラッカーは偉大な人物であるということを聞いて、もっとドラッカーの書籍を読みたくなったのです。調べてみたら、日本で出版されているだけで30冊ほど。数に驚きましたが、4ヶ月ほどかけて、ドラッカー選書としてシリーズ化されている10冊を含め、20冊弱を読み切りました。

 一定の期間をかけて、ドラッカーという一つのテーマに絞って学習をした結果、今まで手当たり次第にやってきた学習に比べて、はるかに深い理解を得られたのです(以来、すっかりマネジメントの虜になってしまったのは、このブログからも解っていただけると思います)。加えて、まとめて学習することで、どの分野の学習が今の自分に足りないのかが明確に把握できるようになりました。

 「マネジメント」という、おぼろげながらも遠くに見える最終目標を常に見据えつつ、一つ一つの分野に対して一定の時間を費やしながら学習していく。一つの分野を学習すると、新たに学習しなければならないと思う分野が幾つも出てくるので閉口するが、それは仕方ない。とにかく一つ一つの分野の深い学習を地道に積み重ねることで、最終目標に向かって行く−これが、私の言う「体系的な学習」です。

 「体系的」と言うと、どうしても「システム」を連想させてしまうので、あらかじめ学習の対象が明確に定義されていて、学習のための計画も完璧に用意しなければならないといった、雁字搦めの学習を指しているのかと思われがちですが、私はそうではないと思っています。システムというのは、決して無味乾燥なものではなく、本来は非常に有機的で動態的なものです。また、「私にとっての」体系は、あくまで私のこれまでの理解と経験を基盤として、そこに新たな経験を連関させていくことで広がりを見せる世界に他なりません。

 ドラッカー自身、毎年3ヶ月ほど集中的に学習する期間を設けるそうです。3ヶ月あれば、1つのテーマを一通り学習することができると言います。また同時に、3年計画なるものもあるらしく、これは文字通り、あるテーマを3年かけて学習するものです。最近の3年間はシェークスピアの全集を読むことだったそうです(確か、日本経済新聞「私の履歴書」にそうあったと思います)。こうした学習が、ドラッカーの数多くの名著を生み出してきたと言えます。


 「体系的に学習する」−一生大切にしたい目標です。
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