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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
August 24, 2005

成果を上げるためには、部下と同様に上司もマネジメントする必要がある

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 組織内の人間関係に関するマネジメントというと、たいていは「上司が部下をいかにマネジメントするか」という問題に焦点が当たります。書店で企業経営のコーナーに行くと、この手の書籍がいかに多く出回っているかが解ります。

 しかしながら、人間関係の組み合わせを考えるならば、「部下が上司をいかにマネジメントするか」という問題も、同時に取り上げなければならないはずです。だが、残念ながらこの問いにはほとんど言及されたことがありません。
(そして、私もこの問いにいかに答えればよいか、その素材はほとんど見つかっていません。)
 
 あるエグゼクティブが、「いい上司となるための条件は何ですか」と聞かれて、「いい部下を持つことです」と答えた、という話を聞いたことがあります。部下の上司に対する働きかけが、組織上見過ごすことのできない影響を有していることを示唆するエピソードです。

 通常、対人関係において、「PがQをいかにマネジメントするか」という問いを提起する場合、PがQよりも大きな「力」を有していることを暗黙の前提としています。フレンチとラベンによれば、力の源泉は次の5つに求められます。

(1)報酬…PはQに対して報酬を与えることができる。
(2)正当性…PはQの行動に影響を及ぼすべき正当な権利を有する。
(3)強制…PはQに対して、従わなければ罰を与えることができる。
(4)専門性…Pは特定の知識や技術に関して、Qよりも優れている。
(5)準拠性…QはPに対して魅力を感じ、一体でありたいと願う。

 (1)〜(3)は組織上の地位に付随する力であり、(4)(5)は個人の能力や資質に関連する力です。かつては上司が部下より大きな力を有することは当然とみなされてきました。しかし、現代では、(4)(5)次第で部下の方が上司よりも大きな力を有する場面も少なからず存在します。(例えば、ソフトウェア開発の現場では、優れたプログラミング技術を有する部下が、設計者たる上司に対して大きな力を有することがあります。)

 もっとも、誤解してはならないのは、上司と部下の間の力の大小関係がマネジメントの方向性をすべて決定するわけではないということです。最初に述べたように、部下による上司のマネジメントが必要なのは、それが組織内の人間関係として現に存在するからに他なりません。

 「上司のマネジメント」については、P.F.ドラッカーの『明日を支配するもの−21世紀のマネジメント革命』の第6章「自らをマネジメントする」で少しだけ述べられています。
 ほとんどの人は、他の人と共に働き、他の人の力をかりて成果を上げる。特定の組織に属していようが、独立していようが関係ない。したがって成果を上げるには、人との関係について責任を負わなければならない。(中略)自らが成果を上げるためには、共に働く人の強み、仕事の仕方、価値観を知らなければならない。
 上司とは、肩書を越える存在である。それぞれの仕方で仕事をする権利をもつ一個の人間である。その上司を観察し、仕事の仕方を理解し、上司が成果を上げられるようにすることは、部下たるものの責務である。

明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命
P.F. ドラッカー Peter F. Drucker

ダイヤモンド社 1999-03

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《2012年5月10日追記》
 「上司のマネジメント」については、リーダーシップ論の権威であるジョン・コッターもHBR誌に論文を寄稿している。⇒ジョン・コッター著「『ボス・マネジメント』の心得 上司をマネジメントする」(『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』2010年5月号)(※1980年マッキンゼー賞受賞論文)

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2010年 05月号 [雑誌]Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2010年 05月号 [雑誌]

ダイヤモンド社 2010-04-10

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