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October 19, 2011

嗚呼、我がいとしの阪神タイガースよ…サンスポの「虎V逸連載」をまとめておく

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 中日ドラゴンズ、優勝おめでとうございます。阪神ファンの自分にとっては、悲しいかな4月に立てた順位予想がほとんど当たってしまったよ。阪神と巨人が逆だったけどね。

 一時は首位ヤクルトに2.5ゲーム差まで詰め寄りながら、直接対決で6連敗を喫するという、阪神”お得意の”シーズン終盤の失速。2008年に巨人に8連敗を食らって大逆転V逸という大恥をかいた、あの負の歴史を思い出してしまった。しかし、今年は優勝どころかCS出場まで逃してしまい、続投が規定路線だった真弓監督も、一転して辞任することになった(まぁ、事実上の解任だが)。

 サンスポが「虎V逸連載」というタイトルで、5回に渡る連載記事を載せていたので、来シーズン以降の反面教師の題材として、ここにまとめておこう。今回のような監督人事のドタバタを見ると、どうも90年代の暗黒時代を思い出してしまう。ただ、あの頃は現場とフロントとの確執が問題となっていた。しかし、今回はそうではなく、監督を筆頭とする首脳陣の力量不足に起因するところが大きいように思える。

 現場とフロントの対立は、どちらかが気に食わない相手を追放することで表面的にはすぐに解決できるものの、周囲には不穏な空気と感情的なしこりが長く残る。一方で、今回のような能力不足の問題は、解決するのに時間がかかる。ただし、適切なアプローチを取れば、中長期的には高い確率で成功を収めることができる。

 ・阪神タイガースはどういう野球をするチームなのか?
 ・そのチーム戦略を実現するのにふさわしい監督像とは何なのか?
 ・その監督を支えるコーチ陣には、どのような要件が求められるのか?
 ・上記の監督やコーチ陣を、生え抜きのOBあるいはベテラン選手の中からどのように育成していくのか?
 ・生え抜きのOBだけでは足りず、外部招聘が必要な時に備えて、適材をリストアップしているか?
 ・チーム戦略を実行するために、各選手にはどのような役割・能力を求めるのか?
 ・理想とする役割・能力と、現在の役割・能力にはどのくらいのギャップがあるのか?
 ・そのギャップを埋めるためのトレーニングをどのように組み立てていくのか?
 ・ギャップを埋めるのに時間がかかりすぎると想定される場合、どこまで補強(FA選手や外国人選手の獲得、トレードなど)に頼るのか?
 ・その補強は、若手選手の出場機会を奪ってでも必要なものと言えるのか?
 ・選手の故障などのリスクをどの程度想定しているか?また、リスクが現実化した場合に備えて、予備の選手を用意できているか?
 ・ドラフトで指名する選手は、中長期的なチームの変化を考慮したものになっているか?(言い換えれば、現在の中堅選手が数年後にベテランとなり、思うようなパフォーマンスを上げられなくなった際に、すぐにその選手の役割を代替できる選手へと育つだけの公算があるか?)

 来年の監督は、内部昇格なら和田打撃コーチ、外部招聘なら日本ハムを今季限りで退団する梨田監督に絞られているようだが、来年の監督が誰になるとしても、こうした人材マネジメント上の論点に、球団が1つ1つ丁寧に答えていくことが必要だと思う。一阪神ファンとしては、暗黒時代への逆戻りはもう勘弁。猛虎が復活することを願ってやまない。

【虎V逸連載1】「捨てたんですか、この試合」
球団と真弓監督、そして選手との溝が決定的になったのは首位・ヤクルトと4ゲーム差で乗り込んだ9月9日からの3連戦だった。先発・久保の周りに内野手が集まり、久保投手コーチが、その輪に近づいた。カクテル光線に照らされた、神宮のマウンド。そこに今年の阪神を象徴する、不穏なムードが漂っていた。

 初戦を落とし、迎えた2戦目だった。1-3の四回二死二、三塁。打席は1番・青木。敬遠で2番・田中浩との勝負も想定される中、久保投手コーチが伝えたのは、小嶋への交代だった。しかも打順の絡みがあったといえ、捕手も藤井彰から、この時点でまだ経験が浅い小宮山へスイッチされた。

 「捨てたんですか? この試合?」ある主力野手の声に、セキを切ったように他の野手も続いた。マウンド上での異例の“詰問”。しかしコーチは説明もせず、黙ったままだ。そして久保は白球を高く放り上げ、ベンチへ帰っていった。

【虎V逸連載2】まとめ役“失格"木戸ヘッド
 どういうビジョンで戦っているのか。選手起用や戦略など、チーム内からその意図を問う声が続出した今季。無死や一死二塁で追い込まれると、『何とかしろ』というサインまであったという。ただヘッドという役割を考えれば、作戦面以上に、チームをまとめられなかったという事実の方が、大きいだろう。
 若手に厳しい一方、ベテラン勢には甘い。失敗した選手や出場機会が少ない選手へのフォローがない。9月14日の中日戦(甲子園)では、同点の七回無死一塁で代打・俊介が犠打を2球連続ファウルし、三振。ベンチ裏に若手を集めた木戸ヘッドコーチが「なにやっとるんや! 次、失敗したヤツは落とすからな!」と怒鳴り、試合後に俊介が2軍落ち。関係者は、「うちはほめて伸びるタイプの若手が多い。厳しいのはいいが、ただ怒鳴り散らすだけで、具体的なアドバイスがない…」と指摘した。

【虎V逸連載3】「監督育成」怠った球団
 阪神には2軍監督を経て、1軍に昇格させるという従来の方針があった。90年代では中村勝広、藤田平。岡田彰布は野村政権、星野政権下で2軍監督として経験を積み、昇格に備えた。

 04年から5年間、指揮を執った岡田政権の間にも後継者づくりを怠り、08年の辞任後、近鉄でヘッドコーチのキャリアしかない真弓監督に急きょオファー。監督未経験者のもろさをこれでもかと露呈し続けた3年間だった。真弓阪神の間に平田2軍監督は退団。後継者育成を忘れていたと言われていても仕方ない。

【虎V逸連載4】バラバラになった虎
 09年の春季キャンプ。サンケイスポーツ評論家の板東英二氏と対談を行った新指揮官は、継続中の金本の偉大な記録について「そのとき(止まるとき)は僕が決断します」と話していた。自身の仕事は、過渡期を迎えているチームの若返りだと自認。そして実際、3年間で若手を多く登用した。

 ただ金本に関していえば、スムーズな記録の“幕引き”をさせたとはいえない。03年、05年の優勝の大立役者であり、球史に残るスラッガー。そんな功労者を昨年の右肩の故障以来、ファンや周囲から厳しいバッシングを受けさせる形にしてしまった。

【虎V逸連載5】活用されなかった星野SD
(※もともとは「扱いやすい真弓監督」というタイトルだったのだが、いつの間にか変わっていた)
 編成やチーム方針にほとんど口を挟まない真弓監督は球団としては扱いやすい。ベンチワークの弱さは球団主導で行った城島、小林宏、藤井彰らの大型補強で補えると考えていたフシがあった。

 球団の思惑は3年目のシーズンに入って瓦解。新井は打点王トップ、マートンは首位打者と最多安打を争い、平野、鳥谷が打率3割近くを打ち、球児がセーブトップに立つ個人成績を残しながら、ベンチワークの甘さが勝負どころで出て、4位に終わってしまった。
November 18, 2010

「よかれと思ってやったのに・・・」というマネジメントのパラドクス集(その4〜5)

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(4)戦略的になればなるほど、人材が育たなくなる
 これは、以前に書いた「戦略とリンクした人材育成プランの立て方」についての記事と、つい最近書いた「新人や若手社員を育成する仕事のあり方」についての記事を読み返していた時に頭をよぎったパラドクスである。

 戦略とリンクした人材育成計画を作成するための5ステップ(1)
 戦略とリンクした人材育成計画を作成するための5ステップ(2)
 新人・若手には「会社にとってのリスクは低いが、完結した仕事」を任せよう(1)
 新人・若手には「会社にとってのリスクは低いが、完結した仕事」を任せよう(2)
 
 これから書く内容は、「戦略とリンクした人材育成計画を作成するための5ステップ」の内容と矛盾するかもしれないが、あの記事を書いた当初よりも私の考えが進歩したということでご容赦ください(何という言い訳、汗)。

 このパラドクスを表している一番の例が、ここ数年の阪神タイガースである。私と同じ阪神ファンの多くは、このパラドクスを痛いほど感じていることだと思う。岡田前監督は、最近の野球を語る上で欠かせない「セイバーメトリクス」に精通していたと言われる。さらに、楽天の野村名誉監督をして「現代野球の真髄」と唸らせた鉄壁のリリーフ陣「JFK」を完成させたのだから、セリーグの監督の中でもかなり戦略的な監督であったと言えるだろう。

 確かに、岡田前監督が就任した初年度(2004年)を除いて、阪神は毎年優勝争いをするほどの常勝軍団になった。一部には、星野元監督の遺産を食い潰しただけだというネガティブな意見もあるが、星野政権下と岡田政権下のメンバーはガラリと変わっているから、この批判は当てはまらないと思う。

 それよりも問題だったのは、岡田政権下では投打ともに主力メンバーがほとんど変わらず、若手選手が2軍から全くといっていいほど台頭してこなかった点である。真弓監督に代わってからようやく、上本、鶴、西村のような若手が起用されるようになったものの、1軍の世代交代がうまく進まずに首脳陣が苦労している場面が多々見られた。ここ数年の阪神は、戦略的に試合を展開する一方で、若手選手の育成が疎かになっているというジレンマを抱えている。

 「戦略的になればなるほど、人材(特に若手社員)が育たなくなる」というパラドクスは、事業戦略と人材戦略の時間軸が異なることに起因している。環境変化が激しい今の時代においては、事業戦略は3年もてばいい方であり、ヘタをすると毎年見直さなければならないくらいになっている。時間的なプレッシャーが高まる中で、戦略を成功に導こうと思ったら、どうしても即戦力に頼った人員構成になる。

 一方で、人材戦略、とりわけ若手社員の育成に関しては、もっと長期的な視野で考えることが求められる。いくら世間が「3年で1人前だ」と言っても、実際に25歳ぐらいの社員に、事業戦略の実現に直結するような重要な仕事を任せる企業がどのくらいあるだろうか?

 若手社員にそのような重要な仕事を割り当てるまでには、少なくとも5年以上の長いスパンで、腰を据えて育成にあたる必要があると思う。「新人・若手には『会社にとってのリスクは低いが、完結した仕事』を任せよう」の中で私が言いたかったのは、若手社員に対しては、事業戦略とは必ずしも直結しない安全領域において、失敗が許される一定量の仕事を任せて、じっくりとスキルアップさせるのがいいのではないか?ということであった。

 事業戦略というのは、本来的には中長期的なものであるが、先ほども述べたように昨今は大幅に短期化が進んでいる。これに対して、人材の育成スピードは劇的に短くなるものではない。むしろ、事業戦略が高度化するにつれて、戦略の実現を支える人材のスキル要件は厳しくなっている。となると、人材戦略はますます長期的な視点で考えなければならなくなる。両者の時間軸はもっと乖離が進むことが予想される。

 このジレンマに対する1つの解決策としては、事業戦略と直結した即戦力中心の人材戦略を策定する一方で、事業戦略とある程度距離を置き、主に若手社員を対象とした中長期的な育成重視の人材戦略を立てることではないだろうか?後者の人材戦略は、5年から10年後ぐらいにどんな事業戦略が来てもある程度適応できるような、強固な基礎スキル(いわゆる「コンピテンシー」のように、どの仕事でも高いパフォーマンスと相関関係のある能力)を持った人材の育成を目標とするのが望ましいように思える。

 そして、それぞれの事業戦略は、戦略を実行する際に投下した資本の回収だけをゴールとするのではなく、中長期的な人材戦略に要する投資額も生み出すように設計しなければならないだろう。

(5)成果主義を導入したのに、成果が出なくなる
 成果主義をめぐるジレンマはたくさんある。成果主義を導入したら、チームワークや部下育成が評価されなくなったために社員が個人主義に走り、組織がギスギスするようになった、という弊害を指摘したのは、株式会社ジェイフィールの高橋克徳氏である。

河合 太介
講談社
2008-01-18
おすすめ平均:
何だかよくわからない本だった。
情けは人のためならず
好事例に偏りが・・・
posted by Amazon360

 また、成果主義を導入したところ、目標未達成に対するペナルティを恐れて、社員が自分の目標を低く設定するようになり、逆に組織全体のパフォーマンスが下がってしまったと暴露したのは、元富士通の人事担当で現在は人事コンサルタントを務める城繁幸氏だ。

城 繁幸
光文社
2004-07-23
おすすめ平均:
バランスを欠く内容と異常な文書
告発本として臨場感を伴った内容
時は流れ「成果主義」の形も変わり始める
posted by Amazon360

 ただ、これら2つの事例は、評価すべき「成果」の定義を誤っていたのが原因であり、制度の運用次第でカバーできる問題であるように思える。最初の事例については、チームワークや部下育成を社員の役割として明確に定義し、それを評価するように制度設計すればよい。成果主義で測定すべき成果は、受注高やコスト削減のように、定量的に測定可能な結果ばかりとは限らない。

 2つ目の事例については、組織全体として達成すべき目標を出発点として、それを各部門、各社員へとブレイクダウンしていくことで、目標の整合性を確保するプロセスを導入すればよい。目標設定を社員任せにして、ボトムアップで制度運用しようとするから、おかしなことになる。

 しかしながら、上記のように正しい運用を行ったとしても、成果主義には避けることのできないパラドクスが存在すると思われる。それは、成果主義では「想定外の成果」を評価することができないという点である。成果主義によって各部門、各社員に与えられる目標は、目標設定の時点における戦略や事業計画、部門方針を前提としている。

 ところが、これだけ事業環境が変化しやすい時代であれば、1年も経たないうちに、当初の前提とは異なる事情が次から次へと生まれてくる。そのような変化に適応し、変化を乗り越えるために社員がとった挑戦的な活動は、当初の成果主義では評価されない。人間というのは、評価されない活動はしたがらないものだ。社員は、頭では新規の活動をやった方がいいと解っていながら、評価制度に引っ張られて足踏みしてしまう。こうした保守的な姿勢が積み重なれば、会社全体がイノベーションを追求する機会を失ってしまうのである。

 個人的には、成果主義で社員の評価を100%行うことは無理だと思っている。成果主義で評価できるのはせいぜい80%ぐらいであり、残りの20%は企業の将来的な成長に資するイノベーティブな活動をしたかどうかを包括的に評価するのが望ましいのではないだろうか?

 (続く)
December 02, 2009

リーダーがメンバーの動機を「昇華」させるとはどういうことか?

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 「マネジメントとリーダーシップの違いを自分なりにまとめてみた」で、「リーダーはメンバーの個人的動機を『昇華』させる必要がある」と書いたが、やや抽象的な表現なのでもう少し具体的な説明を試みたいと思う。

 リーダーが新しい課題を掲げ、組織を変化させようとすると、それぞれのメンバーが持っている個人的な動機と衝突することがある。この場合、個人的動機のレベルで合意を図るのではなく、一段階上のレベル、すなわち「その課題の実行が組織全体にとって有益である」という社会性のレベルでベクトルを束ねる努力がリーダーには求められる。これをメンバーの個人的動機の「昇華」と呼んだわけだが、誤解のないように言っておくと、メンバーの個人的な動機を無視して正義を押しつければよいという話では決してない。

 むしろ、「この会社にとって必要だ」とか「社会的にも意義がある」といった大義名分が先行する議論は危ないこともある。トップが正当な理由を掲げていながら、実は裏にはやましい私的動機があったなどというのはよくある話だ。国民のため、公益のためといいながら、一部の団体が甘い汁を吸っている利権の構図だってちっともなくならない。

 それに、リーダーの課題はリーダー自身の価値観から発せられている(※冒頭のエントリーを参照)のに、メンバーの価値観は一切考慮されないという論理は間違いなく通らない。リーダーは自らの個人的な価値観を明らかにするとともに、メンバー個々人の価値観にも十分な配慮を配慮を払わなければならない。

 阪神タイガースに来季から加入することになった城島選手のことを取り上げてみよう。阪神はかつての暗黒時代を抜けて優勝争いができるチームになったが(今年はダメだったが…)、レギュラー陣の世代交代が進まず、チーム力の低下という問題を抱えている。特に、育成に時間がかかると言われるキャッチャーは、ベテランの矢野選手の後継者問題が深刻だ。今年は若い狩野選手が大幅に出場機会を増やしたものの、それでも全体として見ればやはり「チームの若返りを図りながら、常勝チームを作る」というのが喫緊の課題であった。

 そこで導入されたのが、マリナーズを退団した「城島選手の獲得」というソリューションである。 「マネジメントとリーダーシップの違いを自分なりにまとめてみた」での言葉を使えば、「資源の『新結合』」に当たる。年齢も若く、キャッチャーとしての実績も申し分ない上に、打撃センスにも優れている。ならばこれで一件落着かというと、そんなに甘い話ではない。

 キャッチャーはピッチャーとの信頼関係が重要であり、ピッチャーとの相性がモノをいうポジションでもある。スポーツニュースをいろいろと読んでみると、今年二桁勝利を挙げてブレイクした能見選手は、狩野選手のおかげでこの成績が残せたと発言しているし、ベテランの下柳選手や守護神の藤川選手も矢野選手とのバッテリーを望んでいる。しかし、城島選手は全試合に出場したいときっぱり言い切っているから、もし城島選手の言う通りになれば、せっかく今年スタメンの座をつかみかけた狩野選手は成長のチャンスを失い、これまで虎の正捕手の座を守り続け、多くのピッチャーから厚い信頼を得ている矢野選手も出場機会が大幅に減るだろう。

 選手はみなそれぞれ個人的な動機を持っており、このまま放置したら間違いなくチームは崩壊する。この状態を打破するのは、リーダーである真弓監督しかいない。能見選手が投げる試合は狩野選手で、下柳選手と藤川選手が投げる時は矢野選手で、それ以外は城島選手で、などのような切った貼ったの解決策では何の前進もない。真弓監督自身は阪神というチームをどうしたいと思っているのか。そして、各選手の個人的な思いを尊重しつつも、常勝チーム構築という共通の目的に向かって各選手に何を期待するのかについて、改めて選手と対話することが求められている(そして、実際にやっているはずだ)。

 選手全員の個人的動機が全て満たされることはありえない。何かしら諦めなければならない動機はある。逆に、新たに提示されたチーム像を前に、これまでとは違う役割を認識し、今までとは別の動機を抱くようになるかもしれない。メンバーがそれぞれ個人的動機を多かれ少なかれ変容させつつ、再び組織の目的のために貢献しようと思える状態にすること、これが「個人的動機の『昇華』」の意味するところである。