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July 11, 2012

エゴグラム無料リンク集(+おまけ:私の結果)

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 エゴグラムとは、カナダ出身の精神学者エリック・バーンの交流分析における自我状態をもとに、弟子であるジョン・M・デュセイが考案した性格診断法で、人の心を5つに分類し、その5つの部分が放出する心的エネルギーの高低をグラフ化したものである。

 バーンの交流分析では、自我状態を構成する要素として、親らしさのP(Parent)、大人らしさのA(Adult)、子供らしさのC(Child)という3要素が用いられたが、デュセイは、Pの部分を、厳しい親であるCP(Critical Parent)と、優しい親であるNP(Nurturing Parent)に、Cの部分を、自由奔放な子供であるFC(Free Child)と、従順な子供であるAC(Adapted Child)に分類し、CP、NP、A、FC、ACという5つの部分が放出する心的エネルギーの高低によって、その人の性格を識別するように改良された。

 エゴグラムから明らかになる性格パターンとしては、

 ・NPを頂点とする「への字」
 ・NPとACが高く、CPとFCが低い「N型」
 ・N型とは反対に、CPとFCが高く、NPとACが低い「逆N型」
 ・左端のCPと右端のACが高く、中央のAが低い「V型」
 ・CPとAとACが高く、NPとFCが低い「W型」
 ・W型とは反対に、NPとFCが高く、CPとAとACが低い「M型」
 ・FCとACのCの部分が高く、CPとNPのPの部分が低い「右上がり型」
 ・CPとNPのPの部分が高く、FCとACのCの部分が低い「右下がり型」 などがあるという(以上、Wikipediaより)。

自分がわかる心理テストPART2―エゴグラム243パターン全解説 (ブルーバックス)自分がわかる心理テストPART2―エゴグラム243パターン全解説 (ブルーバックス)
芦原 睦

講談社 1995-04-17

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 自己分析方法としては、「東大式エゴグラム(TEG)」が有名なようで、私も最近TEGを利用する機会があった。私の結果は、CP、A、ACが高く出る典型的な「W型」であり、エゴグラムに詳しい方に話を聞くと、「最もストレスをためやすいタイプ」だそうだ。気をつけないと・・・。W型の人は、NPとFCのスコアが高い「M型」の人と組むとストレスが軽減されるという。

 エゴグラムは、基本的には自分の性格を知り、強みを伸ばし、弱みを補うための方法を確認するツールであるが、他者との”相性”という観点は面白いなぁと感じた。組織的な視点から、

 ・仕事のパフォーマンスが向上する、あるいは逆に悪化する性格の組み合わせは何か?
 ・社員の性格タイプの構成比率と、部門や全社の業績には何らかの因果関係があるのか?

といった分析を統計的に行うと、興味深い示唆が得られるかもしれない。

 TEGは有料なので、Web上で無料で受けられるエゴグラムのリンクをまとめてみた。読者の皆様にとってあまり興味はないかもしれないけれども、一応私の診断結果も掲載しておく。

(1)心理学の真髄を網羅したエゴグラムの驚異 エゴグラムによる性格診断
 50の質問から243パターンもの性格診断結果が得られる。性格をここまで細分化しているのはこのサイトぐらいではないだろうか?CP、NP、A、FC、ACのスコアを「高」、「中」、「低」で分類し、その組合せで性格を判定しているので、3の5乗=243タイプに分かれるという理屈である。

 私の結果は以下の通り。解説文も引用しておく。結構味噌クソに書かれているなぁ・・・。

エゴグラム(結果1)

1.性格
 自分を含めた周囲の人々や社会に対して、常に怒りや批判の目を厳しく向けているタイプです。しかし、性格の中に気弱で神経質な面が大きな位置を占めているために、面と向かって他人や社会に反発する事が出来ず、自分の不甲斐なさや、社会の理不尽さに対する怨念が、自己の内面へ内面へと逆行して行くタイプです。冷たく抑揚の少ない心情の持ち主であり、人生を楽しむ心の余裕などは殆ど無く、出口のない灰色の迷路を奥へ奥へと辿って行きます。自分の将来が見え過ぎるほど見える判断力の高さが、かえって自己嫌悪を高め、周囲の人々に対して意に添わぬ愛想を振りまいたりする自分に、言い知れぬ厭世観を抱くタイプです。

2.恋愛・結婚
 目付きと頭の芯だけは燃えていても、心と身体はちっとも燃えて来ないタイプですから、恋愛や結婚に対して、特別の夢や希望の湧いて来ないのも道理です。異性を観念的に捉えて、冷ややかに見据えますので、目鏡に適う相手は限られてきますし、それほど厳しく冷たい批判眼に堪え得る程の優れた相手なら、何も好き好んで虚無的な感じのにじみ出ている貴方など、相手にする必要が無いわけです。いずれにしても異性には歓迎されない孤独なタイプと言う事が出来ます。今後、人生観を大幅に変え、世間を明かるく楽しいものだと感じるように成れなければ、行手に待ち受けているものは、灰色の人生であることを覚悟しなければならないでしょう。

3.職業適性
性格的に見て、人間が相手の職種では自家撞着や対人軋轢に圧し潰されてしまい、心身症や本物の精神病にまでなり兼ねません。それかといって、エンジニアやコンピュータ技術者のようなメカが相手の職業では、孤独感が益々募って、性格破綻の進む可能性が高いのです。理想的なのは、自然や小動物が相手の職業です。例えば、農林、漁業従業者とか、愛玩小動物商(ペット商)などが考えられます。

4.対人関係
 人付き合いの方法を小手先で修正するような、一時的な間に合わせでは、どうにもなりません。自然や動物に親しんだり、絵画や音楽などの芸術に親しんだり、宗教心を養ったりして、人生観や物の価値観そのものを、もっと有情なものに修正して行く必要があります

(2)エゴグラムの部屋

 これも質問数は50問。自分でCP、NP、A、FC、ACのスコアを計算しながら診断を進めなければならないのが難点か?また、それぞれの質問が、5つの心の部分のどれを測定するものなのかがあらかじめ解ってしまうので、エゴグラムに対する予備知識がある人が受診すると、自分が想定した通りの結果が出やすいというデメリットもある。ちなみに私の結果は、CP=18点、NP=5点、A=19点、FC=5点、AC=16点で、やはり「W型」になる。


(3)エゴグラム改 性格診断 心理テスト
 エゴグラムの解説が最も豊富なサイトだと思われる。また、統計的な分析を通じて、より信頼性の高い診断になるよう、質問項目が継続的に改善されている模様。質問数は75問と他の診断サイトに比べてやや多め。私の結果は以下の通り。診断(1)に比べると、割とポジティブなコメントが目立つ。ただ、ちょっと当てはまらないなぁ・・・と感じる箇所もあり。
CP=47点(60点満点中):普通
 ある程度、規律・責任感を持っており柔軟性もあるバランスが良い人です。責任や努力が求められるとき、より高いレベルのものを追求することも必要になる場合がありますので、その時に向けて、努力を惜しまず、頑張ってください。

NP=28点(60点満点中):低い
 失敗に対して非常に厳しさを持っています。時として、部下や子供に対して放任的な態度になってしまうこともあります。時としては、人間関係において、ひずみになってしまう可能性もありますので、周りの人に「感謝」の気持ちや「寛容」の気持ちを持って対応していくことが良いと思います。

A=52点(60点満点中):高い
 能率を重視しており論理的に行動します。。損得など物事をよく考慮した上で行動をするため、ミスが少ない。ビジネスマンとしては、高い能力を発揮できる人です。感情に左右されず、現実主義で根拠のないことは当てにしません。ある意味、とても正直な人で、周りから評価されます。ただ、時として、冷静過ぎる傾向があるため、面白味に欠けてしまうことや、相手の感情を考慮しないで、打算的な行動をするため、冷たい印象を与えてしまう場合もあるため、相手のメリットと自分のメリットがお互いに高まることを考慮していくのが良いです。

FC=35点(60点満点中):普通
 ある程度、好奇心があり,ユーモアやウイットを持っている人です。気分転換が上手であり、何か夢中になれる楽しいことを探求します。時として、冗談を言ったり、楽しいことも言います。また、様々なことを体験することが好きです。この要素が重要であると感じるのであれば、創造性、好奇心をもって、遊び心を忘れないで行動するとよいと考えます。

AC=37点(60点満点中):普通
 ある程度、「協調性」があり、時として、「謙虚」な態度で行動できる人です。人間関係に関して、大きなトラブルになることが少なくまわりに、安心感を与えます。普通に人間関係を大切にしてきたいと考えています。時として、周りのフォロー役になったり、縁の下の力持ちになれる存在です。

(4)エゴグラム性格検査【ハートウォーミング】

 質問数は50。CP、NP、A、FC、ACそれぞれのスコアについて、平均値との比較ができる。ただし、この平均値がどのように算出されたものであるかは不明。私の結果は以下の通り。(スコア[20点満点中]、平均、5段階)の順番で並んでいる。パターン分類は「A優位型」であり、論理的、知的で計画的な行動が多く、仕事を進める上では有能な性格だという結果になった。一方で、理屈っぽい、冷たい、何ごとも計算づくというような非難を浴びることもあるという。

 CP=(16/20、10.11、4)
 NP=(3/20、13.01、1)
 A=(18/20、11.39、5)
 FC=(3/20、11.99、1)
 AC=(14/20、9.1、4)


(5)自分の性格や行動タイプがわかるエゴグラム
 質問は50問。診断(2)と同様、手動でスコアを計算しなければならないのと、各質問がCP、NP、A、FC、ACのどれを測定しているのかが解ってしまうのが難点か?一方で、診断結果のグラフを10パターンに分けて解説を施している点が、他のサイトとは異なる。私のタイプである「W型」(同サイトでは「苦悩タイプ」という名前がついている)の解説はこんな感じ。
 「W字型」は、完全主義の人が多く、また、こうあるべきとの思いと現実のギャップに悩むタイプです。頭が良いだけに、しょうがないと諦めることも出来ず、人や自分を責めてる事も多く、うつ病にもかかりやすいので、少し自由奔放さが必要です。

(6)比較エゴグラム性格診断テスト
 仕事とプライベートでエゴグラムの診断を分けているのが特徴である。しかしながら、他のサイトでも見られる50問の質問を、どのような基準に基づいて仕事とプライベートに分類しているのか、その基準が不明瞭との印象である。仕事とプライベートともに、同じ50の質問を多少アレンジして使えばいいのでは?という気もした。とはいえ、仕事とプライベートで性格が異なるというのはよくある話だから、診断の切り口としてはユニークだと感じた。以下が私の結果。仕事とプライベートで性格が乖離しているらしい・・・。

エゴグラム(総合)
 CPが高いあなたは、高い理想を持って、邁進するタイプです。仕事に対する責任感が強く、正義感が強いのもあなたの性格の特徴です。人を引っ張っていくリーダーシップも持っています。そのうえ、批判的精神も持っていますから、現状に満足することなく、常に改革、改善の方向に向かって考えていくことも得意です。

エゴグラム(Work/Life)
 プライベートのときのほうがAC(従順さ、など)が高いようです。仕事時間とプライベート時間で、活動スタイルにかなりの違いが見られますから、どちらかで無理をしている可能性があります。ストレスも高くなっているようですから、仕事とプライベートのバランスを見直してみましょう。なお、プライベートのときのほうがストレスが低いようですから、 プライベート時間を増やしてみるのも一つの方法です。
July 03, 2012

水曜どうでしょうを支えるミスターの自己犠牲の精神

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 水曜どうでしょう好きにしか伝わらないような自己中心的な記事を書いてみようかと。どうでしょうを見ていて最近思ったのは、この番組を支えているのは、やっぱりミスターの自己犠牲の精神だということである。ミスターは初期を除いてほとんどしゃべらないので、ミスターの性格を推し量るのは容易ではないものの(怒ると怖いらしいが)、TOKYO-MXでのClassicやDVDを繰り返し見ているうちに、ミスターの自己犠牲の姿勢が見えてきた。ただし、ここで言う自己犠牲とは、

 ・甘いものが嫌いなのに無理やり食べさせられる(その際たるシーンが、2011年の「原付日本列島制覇」で、嬉野Dが「ミスターが爆発する瞬間をファインダー越しに始めて見た」と感嘆した赤福勝負のシーン)。
 ・初期の「サイコロの旅」で、ゴールから遠ざかる目ばかりを出して、“ダメ人間”呼ばわりされる。
 ・「アメリカ合衆国横断」では、肝心なところでインキーをしてしまい、土下座で平謝りをさせられる。
 ・「ユーコン川160km」では、カヌーの前方に座った時に限って、後ろに座った大泉さんや藤村Dの舵取りの失敗により、川岸や流木の流れ込みに突っ込んでしまう。
 ・どうでしょう全般を通じて、自分で企画を考えておきながら自分でつらい目に遭う。

といった類のものではない。これらは、ミスター自身が面白く映るような自己犠牲であって、笑いにはつきものの精神である。そうではなく、ミスター自身が”面白く映らない”ような自己犠牲こそが、この番組を支えているのである(※)。

 ミスターの自己犠牲の歴史は、「ヨーロッパ21か国完全走破」に始まる。スケジュールの遅れを取り戻すべく、1日で5か国を回るという恐怖の“合宿計画”を立てて必死に車を運転するミスター。そのミスターが運転交代後に眠りについたのをいいことに、藤村Dが大泉さんをそそのかし、ドイツのロマンティック街道や古城街道へと寄り道させてしまう。ミスターは当然機嫌を悪くしたものの、内心では、「この番組は自分が頑張るより、大泉・藤村Dの2人に自由にやらせた方が面白いんだ」と悟ったのである(DVD副音声より)。これ以降、ミスターの饒舌さは影をひそめ、無口なミスターへと転向していく。

 ミスターの“面白くない”自己犠牲の例として、私は次のような場面を挙げたいと思う。

 ・カブ企画では、必ず先頭を走らされる。先頭を走ると、前方確認をしなければならないし、何よりもカメラに映りにくくなる。
 ・「マレーシア ジャングル探検」でも、D陣が下見をしておらず、どんな危険生物が出るかも解らない道なのに、先頭を歩かされる。ここでもやはり、カメラに映りにくくなる。
 ・「アメリカ合衆国横断」では、カメラが回っていないところで、実はミスターが長時間運転している。ミスターも「どうぞ寝ていてください」と言うものだから、他の3人は収録を忘れて寝ている(DVD副音声より)。
 ・「シェフ大泉 夏野菜スペシャル」では、半角斎(大泉さん)とく斎(藤村D)が粘土細工を作って遊んでいる横で、料理に必要な皿を人数分黙々と作り続ける。
 ・「ヨーロッパ・リベンジ」では、初日にいきなりドイツで野宿をするハメになり、タレント陣は車中で、D陣はテントで寝ることになった。しかし、D陣がキーを持って行ってしまったために、開いていた車の窓を閉めることもできず、寒い一夜を過ごす。翌朝、大泉さんはD陣にそのことをボヤいていたが、本当は同じく寒い思いをしたミスターだって愚痴の一つでも言いたかったはずだ。
 ・「中米コスタリカ」では、完全に”写真家大泉”のアシスタント役に回ってしまい、他の企画以上にミスターが映っている時間の割合が少ない。
 ・「ヨーロッパ20か国完全制覇 完結編」では、大泉さんと藤村Dが子供じみた口喧嘩複雑をしている横で、スペインの複雑な道路地図に悪戦苦闘して神経をすり減らし、結局はその日の夜のホテルで吐いてしまう。
 ・「喜界島一周」や新作の「原付日本列島制覇」などで、宿(喜界島はテント)の狭さをめぐって大泉さんとD陣の3人が喧嘩をしている時、ミスターはどちらにも味方せず、必ず黙って成り行きを見守っている。

 ミスターの“面白い”自己犠牲の最たるものが前述した赤福対決であるならば、“面白くない”自己犠牲の最たるものは、レギュラー放送の最後の企画「ベトナム縦断1,800km」だろう。ホーチミンにゴールした後(すなわちそれは、レギュラー番組の終了を意味する)、藤村Dがこらえきれずに号泣し、つられて大泉さんも涙を流した時、ミスターだけは気丈な態度で「ダメだよ、ダメだよ、君たち」と周囲をけん制し、笑顔で3人に握手を求めるのである。

 後の日記でミスターは、「自分も泣きたかったが、自分も泣いてしまったら寒い。自分はミスターである。だから、どうでしょうの象徴として振る舞わなければならない」と振り返っている。これによってミスターは、視聴者から「冷たい人間だ」という評価を受けたかもしれない(事実、どうでしょうのテーマソング「1/6の夢旅人2002」のCDに収録されたエクストラ映像での対談を見ると、ミスターがそういう風に言われたことが示唆されている)。しかし、ミスターとしてはそれでいいのである。

 ミスターの自己犠牲は、他の3人に手柄を譲るという点で非常に重要である。ミスターが黙ることで、番組作りは大泉さんと藤村Dの罵り合いにフォーカスが絞られる。また、ミスターが「自分は画面に映らなくてもいい」というスタンスをとることで、嬉野Dは遠慮なく大泉さんのリアクションをどアップで撮影することができる。仮に、ミスターも貪欲に笑いを追求したら、おそらく全員で笑いのつぶし合いになり、やかましいだけのガサツな番組になっていただろう。ミスターの自己犠牲の精神は、どうでしょうの画を落ち着かせ、同時に笑いを増幅させる役割を果たしていると思うのである。

 ここまでの話からいきなり飛躍するけれども、ミスターの自己犠牲の精神は、人の上に立つ者に必要不可欠な精神である。いわば、ミスターは上司の鏡である。ミスターが自分を犠牲にしたことで、大泉さんは“北海道出身の面白いタレント”という地位を確立し、藤村・嬉野両Dは、“面白いローカル番組を作れるディレクター”という評価を得た。レギュラー番組終了後、3人が全国で活躍していることは周知の通りである。

 最近はプレイングマネジャーが増えて、部下の成果を横取りしてしまう管理職がいるという話も聞く。これは自己犠牲の精神とは真逆である。自己犠牲の精神は、逆説的だが後々になって報われる。大泉さんの活躍によって、大泉さんが所属する劇団「チーム・ナックス」の知名度も上がり、ミスターが社長を務める事務所「クリエイティブ・オフィス・キュー」も所属タレントの数が増えている。人の上に立つ者は、自分の下にいる者が成功を収めて出世しなければ、自分も出世できないことを知るべきであろう(ミスターの場合は、自身が既に社長なので、事務所自体の成長が出世に該当する)。

 そして、さらに話が飛躍するが、私なんかは、ミスターの自己犠牲の精神を見るにつけ、老子の次の言葉を思い出さずにはいられないのである。
 大上は下之れ有るを知るのみ。其の次は親しみて之を譽(ほ)む。其の次は之を畏れ、其の次は之を侮る。信足らざれば、信ぜられざる有り。悠として其れ言を貴(わす)れ、功成り事遂げて、百姓、皆な我れを自然と謂う。(『老子』第17章より)

【現代語訳】
 最も優れたリーダーは、部下がその存在を知るだけの人のことである。次に優れたリーダーは、周囲から親しまれ賞賛される人である。その次は、人々から畏れられるリーダーである。最低なリーダーは、人々から軽蔑される。人を信頼しなければ、人から信頼されない。優れたリーダーは、目的が達成された時も悠然として何も語らず、部下が口を揃えて『自分たちがやったのだ』と言う。

(※)ちなみに、サイコロなどの運任せ企画に関して言えば、ミスターは“ダメ人間”呼ばわりされている割には、実は随所でいい目を出している。
 ・「韓国食い道楽サイコロの旅」では、麗水で一泊の目を出している。
 ・「香港大観光旅行」では、初日の夕食の食卓で「全員食える」のカードを引き、「韓国食い道楽サイコロの旅」の悪夢を払しょくした。
 ・「サイコロ6」では、4人の体力が限界を迎えた2日目の夜、大阪での「生きるか死ぬかの大勝負」で大阪一泊の目を出し、大泉さんから崇められた。
 ・「日本全国絵はがきの旅2」では、宮崎県・綾町で行われた「究極の選択」で、綾の絵はがきを見事に引き当て、綾での宿泊を確定させた。

 にもかかわらず、そんなことは他の3人からすっかり忘れられて“ダメ人間”扱いされ、「サイコロ5」では藤村Dから「(指宿温泉の)砂に埋まってろよ」とまで罵倒されているのも、ある種の自己犠牲であるわけだが、私が言いたい自己犠牲とはそういうことでもないことをここで断っておく。

腹を割って話した腹を割って話した
藤村 忠寿 嬉野 雅道

イースト・プレス 2011-03-10

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けもの道けもの道
藤村 忠寿

メディアファクトリー 2011-04-22

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人生に悩む人よ 藤やん・うれしーの 悩むだけ損!人生に悩む人よ 藤やん・うれしーの 悩むだけ損!
藤村 忠寿 嬉野 雅道

アスキー・メディアワークス 2012-03-24

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June 24, 2012

部下へのフィードバック法「SBI(Situation-Behavior-Impact)法」ついての補足

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 数年前の記事「効果的なフィードバックを行うための3つの要素」への補足。この記事では、部下に対する効果的なフィードバックの方法として、アメリカのCCL(Center for Creative leadership)が開発した「SBI(Situation-Behavior-Impact)法」という技法を紹介した。昔の記事にはCCLへのリンクがなかったので、以下に掲載しておく。

 Feedback That Works: How to Build and Deliver Your Message (Executive Summary)
 The SBI Observation Form 

Feedback That Works: How to Build and Deliver Your MessageFeedback That Works: How to Build and Deliver Your Message
Sloan R. Weitzel

Center for Creative Leadership 2008-08-30

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 CCLから書籍も出ているけれども、上記リンクのエグゼクティブサマリでおおよその内容は理解いただけると思う。SBI法では、フィードバックの対象者に対し、"Situation(状況)"⇒"Behavior(行動)"⇒"Impact(影響)"の順番でフィードバックを行う。

 (1)Situation: To capture and clarify the specific situation in which the behavior occurred. (フィードバックの対象となる行動が起きた時の状況を明確にする)
 (2)Behavior: To Describe behavior. (その行動の具体的な中身を説明する)
 (3)Impact: To relay the impact that the other person’s behavior had on you. (その行動が自分に与えた影響をリアルに伝える)

 3番目の「相手の行動が”自分に”与えた影響を相手に伝える」というのがSBI法のミソであり、これによって上司は部下に対し、「部下と自分の関係を重視している」というメッセージを送ることになる。また、部下の立場からすると、「自分の行動は上司から見られている」というプレッシャーを受けると同時に、「上司は自分のことをよく見てくれている」という一種の安心感を感じ取ることができる。

 ところが最近、このSBI法について考えを少し改めなければならないかも?と思うような出来事があった。ある診療所の待合室で、診察の順番を待っていた時のこと。待合室には1組の親子が座っていた。子どもは退屈しのぎのためか、診察室にあった置物でがちゃがちゃと音を立てながら遊び始めた。それを見た母親は、「やめてちょうだい!お母さんの頭が痛くなるでしょう?」と子どもを叱ったのである。

 SBI法に従えば、(1)(2)のステップは省略されているものの(この場合、(1)(2)の内容は自明なので触れるまでもないのだが)、(3)のステップには忠実に従っている。だが、子どもの行為で影響を受けたのは母親だったのだろうか?確かに、その母親が深刻な頭痛持ちであったならば、子どもの音に不快感を示しても仕方なかろう。しかし、子どもの行為で一番影響を受けた、言い換えれば、一番迷惑を蒙ったのは、同じ待合室で待っていた(私を含む)他の人たちだったはずだ。それなのに、母親が自分の利害を最優先にして子どもを叱ったことに対して、(他の患者はどう感じたか知らないが、)少なくとも私は違和感を覚えたわけである。

 冒頭に掲載した昔の記事の中で紹介している例も、読み返してみると「本当にこれでいいのかなぁ?」と自問自答したくなるようなものがある。
<良い例>
 「君の作ったシステム構成図には何点か不備があった。お客さんの期待に応えられなくて私は残念だ」
<悪い例>
 「君の作ったシステム構成図には何点か不備があった。お客さんはそれを見て不満げだった」
 仮に<良い例>のようなフィードバックを受けたとすると、今の私ならばきっと、「お前の手柄のために仕事をしているんじゃない。お客さんのために仕事をしているんだ」と心の中で反発するに違いない。むしろ、<悪い例>のようなフィードバックの方が効くと思うのである。

 ただし、お客さんの心情をもう少し具体的に表現する必要はあるだろう。例えば、「君の作ったシステム構成図には何点か不備があった。お客さんは今回のシステムリニューアルに並々ならぬ情熱を注いでおり、君が開く要件定義の会議にお客さんは何度もつき合って、システムへの希望をモレなく伝えてくれた。今日の会議にしても、普段の会議にはなかなか顔を出さない部長クラスの方々が、忙しい業務の合間を縫って出席してくれた。それなのに、君のシステム構成図を見たら、『あの会議は無駄だった』、『あの人にシステム設計を任せて大丈夫なのか?』とがっかりしたかもしれない」といった具合である。

 要するに何を言いたいのかというと、(3)のImpactのステップでは、「部下の行動が自分に与えた影響」を伝えるのではなく、「部下の行動によって、最も被害を蒙った人々の気持ちを代弁すること」が重要ということだ(そんなの当たり前じゃないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれないが・・・)。これがアメリカと日本の文化の違いに起因するのかどうかはよく解らないけれども、上司がSBI法に素直に従ってフィードバックを行うと、日本では自己本位的と受け取られる可能性が高いのではないか?と思うのである。