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January 11, 2012

【通算1,000エントリー】自分を鍛える人脈 自分をダメにする人脈―『自分を鍛える 人材を育てる(DHBR2012年2月号)』

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Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2012年 02月号 [雑誌]Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2012年 02月号 [雑誌]

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1,000エントリー達成!

 昨年末までに達成する予定だった1,000エントリー、10日ほど遅れて達成。2005年5月のブログ開設以来、足掛け約7年でようやく到達しました。いつもブログを読んでくださっている皆様、ありがとうございます。私の記事は1本あたり平均で約1,500字(最近は2,000字超もざらにあるが、初期はもっと短かった)なので、これまでに約150万字書いた計算か。ハードカバーの本だと1ページ約700字、300ページで約21万字だから、150万字ということはハードカバー約7冊分。1年で1冊書いている計算なのね。次の目標は「2018年末に2,000エントリー」ということにしておこう。

本当の長所を見極め、さらなる高みを目指す リーダーシップ・コンピテンシー強化法(ジョン・H・ゼンガー他)
 リーダーに求められるコンピテンシーは多数あるが、弱いコンピテンシーを矯正するよりも、強いコンピテンシーをさらに強化した方が効果的であるという論文。ただし、著者は明確に述べていないものの、強みの強化が有効なのは、あくまでも「一定レベルに達したリーダー」である点に注意が必要だ。このことは、以下のマラソン選手の例えからもうかがえる。
 マラソンの初心者は、ストレッチ運動と週数回のランニングを重ねながら、徐々に走行距離を伸ばし、持久力とマッスル・メモリー(一度強化した筋肉は、しばらくトレーニングを休んでも、再開すれば復活すること)を高めていく。

 一方、ベテラン・ランナーになると、走る距離を伸ばしただけでスピードが目に見えて速くなることはない。もう一段高みに至るには、ウエート・トレーニング、水泳、サイクリング、インターバル・トレーニング、ヨガなどを通じて、既存のトレーニングを補うスキルを身につける必要がある。
 要約すれば、マラソンの初心者はまずは短所を鍛えるべきであり、ベテランになったら長所を伸ばすトレーニングに切り替えるとよい、ということになる。ビジネスパーソンも然り。ドラッカーが「長所を伸ばすべきだ」と頻繁に主張しているからといって、若手社員や新米リーダーにまでドラッカーの主張を当てはめようとすると、道を誤ると思う(以前の記事「自分の「強み」を活かすのか?「弱み」を克服するのか?」を参照)。

 さて、本論文で著者は、リーダーシップ・コンピテンシーを全部で16個挙げている(16個の中身はp31〜32を参照)。コンピテンシーの内容自体は、リーダーに必要なスキルをテーマとした他の書籍や論文とそれほど大差がない。この論文の特徴は、強いコンピテンシーをさらに強化する際に、強みそのものに焦点を当てるのではなく、そのコンピテンシーと補完関係にある他のコンピテンシーを鍛えた方がよいとしている点である(こうした補完関係を、著者は「リーダーシップ・コンパニオン」と呼ぶ)。これは、スポーツにおける「クロス・トレーニング(交差訓練法)」を取り入れた考え方である。

 だが、著者の補完関係の考え方には個人的にやや疑問を感じる。著者によると、それぞれのリーダーシップ・コンピテンシーには、リーダーシップ・コンパニオンを形成する他のリーダーシップ・コンピテンシーが12前後あるそうだが、強いリーダーシップ・コンピテンシーと補完関係にあるコンピテンシーとは、要するに”相対的に弱い”コンピテンシーであり、強みを強化すると言いながら、実は弱みの克服を狙っているようにも見受けられる。しかも、リーダーシップ・コンパニオンがどのコンピテンシーにも12前後あるならば、結局のところほぼ全てのリーダーシップ・コンピテンシーを鍛えよ、と言っているに等しい。

 スポーツにおけるクロス・トレーニングとは、先ほどの引用文にもあるように、マラソン選手がマラソンとは直接関係がなく、自らの専門外であるサイクリングや水泳、ヨガなどに取り組むことを指す。同様に、リーダー育成におけるクロス・トレーニングも、リーダーシップ・コンピテンシーの中で補完関係を探すのではなく、例えば「地域の子どもたちとよく遊ぶ」、「厚い宗教心を持つ」、「戦争の歴史を好んで勉強する」など(これらはあくまでも私の思いつきであり、リーダーのスキル向上に貢献するかどうかは不明)、一見するとリーダーシップとは無関係の活動に糸口を探さなければならないのでは?と思う。

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数だけが重要ではない ハイ・パフォーマーの人脈投資法(ロブ・クロス、ロバート・トーマス)
 明石家さんまさんの「ほんまでっか!?TV」で、「facebookで管理できる人脈の最大数は150ぐらい。最近は300人ぐらいまで増えたが、それでも人数に限界があるのは間違いない」という話があったと記憶している(数字は間違っているかもしれないが、規模感は合っているはず)。だが、著者によると、コアとなる人脈の数はもっと少なく、一般的に12〜18人だそうだ。しかも、人数よりも人脈の質の方が重要であり、次のような人脈構築は「間違った人脈投資」だと断言している。
間違った人脈
(A)形式主義のマネジャーは、会社の正式な職位に重きを置くあまり、非公式の関係がもたらす効率性や機会を見過ごしてしまう。
(B)抱え込みすぎるマネジャーは、同僚や外部の人脈とのつき合いが多すぎて、自分自身が進捗の妨げとなり、燃え尽きてしまう。
(C)孤立したエキスパートは、新しいスキルの獲得へと背中を押す人よりも、完全な既存の専門能力に集中させてくれる人に固執する。
(D)偏見にとらわれがちなリーダーは、十分な情報に基づいた意思決定をするために、部外者に意見を求めるべき場面でも、自分の偏見を助長するような、自分とよく似た(仕事の分野、勤務地、価値観などが同じ)助言者に頼ろうとする。
(E)見せかけネットワーカーは、人脈が大きいほどよいと誤解し、できるだけ多くの人と表面的につき合おうとする。
(F)カメレオンは、人脈のなかで自分がどのグループを相手にするかに合わせて、自分の興味や価値観や性格を買え、結局どのグループとも関係を維持できない。
 反対に、著者がハイパフォーマーを観察する中で発見した「有益な人脈」とは、次の6タイプである。
高業績者が頼りにしている6タイプの人々
(1)新しい情報や専門知識をもたらしてくれる人。
(2)助言や意識づけを行い、政治的に支援し、リソースを提供してくれる公式の権力者(※1)。
(3)ためになるフィードバックを与え、意思決定に異議を唱え、よい方向へと後押しする人々。
(4)個人的にサポートしてくれる人。調子が悪い時に軌道修正を手伝ってくれる仲間や、一緒にいると自分らしさを取り戻せる友人など。
(5)新たな目的意識や価値観をもたらす人々。自分の仕事を認めてくれる上司や顧客、仕事にもっと広い意味があることを気づかせてくれる家族やその他の関係者など。
(6)ワーク・ライフ・バランスを促進し、体の健康、知的意欲、精神的な幸福を改善する活動に責任を持つように促す人々。
 こうして見てみると、facebookなど仮想空間における人脈は、せいぜい(1)や(4)(あとは(6)か?)を補完してくれるに過ぎないように感じる。にもかかわらず、いたずらに人脈の数を増やすと、やり取りの時間ばかりが増えて、「間違った人脈投資」にあったパターン(B)(F)にはまってしまうのだろう。


(※1)女性社員向けのメンタリングが失敗する要因は、メンター(同じく女性社員であることが多い)が人事面であまりパワーを発揮しないからだとされる。男性社員のメンターは、折に触れてメンティー(=メンタリングの対象者のこと)のスキルを人事部門にアピールし、昇進や配置転換を打診してくれるが、女性社員のメンターにはそのような活動が見られない。ゆえに、しばしば女性のマネジャーを増やす目的で導入されるメンタリングは、途中で頓挫するという。

 詳しくは、2011年3月号の「ジェンダー調査機関「カタリスト」がデータに基づいて指摘 メンタリングでは女性リーダーは生まれない」(ハーミニア・イバーラ他)を参照(その時のレビュー記事は、「トリの論文は何と「マネジメントはプロフェッショナル職でない!」―『プロフェッショナル「仕事と人生」論(DHBR2011年3月号)』」)。

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2011年 03月号 [雑誌]Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2011年 03月号 [雑誌]

ダイヤモンド社 2011-02-10

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(※2)なお、一般的な人脈ではなく、営業活動における人脈管理をテーマとしたものとして、2006年10月号に「営業人脈を組織的に管理する」(チュバ・ウスチュナー、デイビッド・ゴーズ)という論文があるので、参考までに。

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2006年 10月号 [雑誌]Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2006年 10月号 [雑誌]

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