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September 15, 2011
【補足】リーダーは他人からのアドバイスにはどのくらい耳を傾ければいいんだろうか?
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アメリカの政治学者ジョセフ・ナイの著書を読みつつ、過去記事「今年読んだリーダーシップの本の中で最もしっくりきたよ(2)―『最前線のリーダーシップ』」を読み返してみたら、リーダーとフォロワーの関係をもう少し簡潔に整理できそうな気がしてきた。フォロワーからのアドバイスは、「リーダーとフォロワーの関係性」と「フォロワーの批判対象」という2軸によって、以下の4タイプに分けられる。
(A)フォロワーとの関係性=深い、フォロワーの批判対象=変革プログラムの中身や実行プロセス
(B)フォロワーとの関係性=浅い、フォロワーの批判対象=変革プログラムの中身や実行プロセス
(C)フォロワーとの関係性=深い、フォロワーの批判対象=リーダーの性格・人格
(D)フォロワーとの関係性=浅い、フォロワーの批判対象=リーダーの性格・人格
過去記事の中でも述べたように、(D)は罵詈雑言の類なのでスルーするのが賢明であるのに対し、(C)のケースでは、フォロワーがリーダーとの関係を破壊しかねないリスクを冒してまでアドバイスしているのだから、真摯に耳を傾けるべきである(菅前首相は、盟友である鳩山元首相の”ペテン師”発言に耳を貸さず、総理のポストに居座り続けてしまったが、まともなリーダーであれば、鳩山元首相の発言をもっと重く受け止めていたはずだ)。
難しいのは(A)と(B)である。(A)のケースでは、リーダーを取り巻く環境や、リーダーが変革プログラムを構想するに至った経緯、変革プロセスの内容や進捗度合いなどについて、フォロワーが熟知している。この点がプラスに作用すれば、リーダーはフォロワーから、施策の中身や実施プロセスに内在している細部の矛盾・綻びを修正してくれる具体的なアドバイスを入手することができる。
しかし、この点がマイナスに作用するとどうであろうか?フォロワーが事態を知りすぎているがゆえに、重要な別の視点を見過ごしてしまう危険性がある。さらに、フォロワーは、リーダーとの関係にヒビが入るのを恐れて、重要な情報をリーダーに提供しないこともありうる。リーダーは、側近たちが皆「イエスマン」になっていないかどうか、注視しなければならない。GMのアルフレッド・スローンは、役員会議で反対意見が出ずに会議が終了時刻を迎えると、「次回、もう一度この議題について議論しよう」と言って会議室を出ていくのがクセだったそうだ。
リーダーに欠けている重要な視点や洞察を提供してくれるのは、実は(B)であることも多い。確かに、(B)に該当するマスコミや評論家、世の一般人たちは、リーダーとの人間的なつながりを意識する必要がないという理由で、好き勝手にリーダーを批判してくるものだ。そのため、(B)には多くのノイズが混じってしまう。
ところが、そのノイズを取り除いていくと、ごく稀に貴重なアドバイスが発掘されることがある。それは単なる微調整や改善策といった類のものではなく、変革プログラムが前提としている仮説に対して新たな仮説を提供したり、リーダーが解決すべき問題の再定義を促したり、リーダーに与えられる選択肢を増減させたりと、リーダーシップの発揮の仕方そのものを構造的に変えてしまう可能性すらある。
過去記事の中でも述べたが、(B)に逐一反応していたら、リーダーはアドバイスへの対応だけで全ての時間を使い切ってしまう。(B)に関しては、リーダーは基本的に”静観”のスタンスを貫けばよい。しかし、時々は(B)の空間を覗いてみて、自分自身とは別の思考パターンや価値観に立脚したアドバイスを探すのが有益だろう(もちろん、自分と違う見解を聞くのは、決して気持ちのいいものではないが)。アメリカの政治学者ジョセフ・ナイは、著書『リーダー・パワー』の中で次のように述べている。「民主主義の国で偉大な政治家とは、浅い友情を築く能力に優れた人なのである」。
(A)フォロワーとの関係性=深い、フォロワーの批判対象=変革プログラムの中身や実行プロセス
(B)フォロワーとの関係性=浅い、フォロワーの批判対象=変革プログラムの中身や実行プロセス
(C)フォロワーとの関係性=深い、フォロワーの批判対象=リーダーの性格・人格
(D)フォロワーとの関係性=浅い、フォロワーの批判対象=リーダーの性格・人格
過去記事の中でも述べたように、(D)は罵詈雑言の類なのでスルーするのが賢明であるのに対し、(C)のケースでは、フォロワーがリーダーとの関係を破壊しかねないリスクを冒してまでアドバイスしているのだから、真摯に耳を傾けるべきである(菅前首相は、盟友である鳩山元首相の”ペテン師”発言に耳を貸さず、総理のポストに居座り続けてしまったが、まともなリーダーであれば、鳩山元首相の発言をもっと重く受け止めていたはずだ)。
難しいのは(A)と(B)である。(A)のケースでは、リーダーを取り巻く環境や、リーダーが変革プログラムを構想するに至った経緯、変革プロセスの内容や進捗度合いなどについて、フォロワーが熟知している。この点がプラスに作用すれば、リーダーはフォロワーから、施策の中身や実施プロセスに内在している細部の矛盾・綻びを修正してくれる具体的なアドバイスを入手することができる。
しかし、この点がマイナスに作用するとどうであろうか?フォロワーが事態を知りすぎているがゆえに、重要な別の視点を見過ごしてしまう危険性がある。さらに、フォロワーは、リーダーとの関係にヒビが入るのを恐れて、重要な情報をリーダーに提供しないこともありうる。リーダーは、側近たちが皆「イエスマン」になっていないかどうか、注視しなければならない。GMのアルフレッド・スローンは、役員会議で反対意見が出ずに会議が終了時刻を迎えると、「次回、もう一度この議題について議論しよう」と言って会議室を出ていくのがクセだったそうだ。
リーダーに欠けている重要な視点や洞察を提供してくれるのは、実は(B)であることも多い。確かに、(B)に該当するマスコミや評論家、世の一般人たちは、リーダーとの人間的なつながりを意識する必要がないという理由で、好き勝手にリーダーを批判してくるものだ。そのため、(B)には多くのノイズが混じってしまう。
ところが、そのノイズを取り除いていくと、ごく稀に貴重なアドバイスが発掘されることがある。それは単なる微調整や改善策といった類のものではなく、変革プログラムが前提としている仮説に対して新たな仮説を提供したり、リーダーが解決すべき問題の再定義を促したり、リーダーに与えられる選択肢を増減させたりと、リーダーシップの発揮の仕方そのものを構造的に変えてしまう可能性すらある。
過去記事の中でも述べたが、(B)に逐一反応していたら、リーダーはアドバイスへの対応だけで全ての時間を使い切ってしまう。(B)に関しては、リーダーは基本的に”静観”のスタンスを貫けばよい。しかし、時々は(B)の空間を覗いてみて、自分自身とは別の思考パターンや価値観に立脚したアドバイスを探すのが有益だろう(もちろん、自分と違う見解を聞くのは、決して気持ちのいいものではないが)。アメリカの政治学者ジョセフ・ナイは、著書『リーダー・パワー』の中で次のように述べている。「民主主義の国で偉大な政治家とは、浅い友情を築く能力に優れた人なのである」。
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