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August 13, 2011

民主党・自民党への個人的な期待と、我々自身がするべきこと(2/2)―『日本の壊れる音がする』

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 (これで最後)

 <自民党に対して>
 自民党に関しては、いっそのこと、いい意味で官僚と癒着し(つまり、官僚をフルに活用し)、筋の通った政策の立案・実行を期待している。それと同時に、自民党には重要なタスクを課したい。それは、今回の東日本大震災をめぐる一連の意思決定プロセスについて、

 ・どの意思決定はOKで、どの意思決定はNGだったのか?
 ・意思決定に至るプロセスで、どのような問題が生じたのか?その問題を引き起こした原因は何だったのか?
 ・意思決定の結果はOKだったが、プロセスに問題があったケースは何か?その場合、どのようなプロセスを踏むべきだったのか?
 ・自民党ならばどのようなプロセスを踏み、どのような意思決定を下していたか?

などといった観点から独自に検証し、震災対応に関する知見を蓄積してもらいたい、ということである。福島原発事故に対する政府の対応を自民党は批判するけれども、原発を推進してきたのは他ならぬ自民党なのだから、今回の大震災から重要な教訓を引き出さなければならない。

 実は、阪神淡路大震災の時も自民党は野党であり(社民党の村山政権だった)、自民党は大型の震災に直面した経験がない。村山政権や菅政権を”反面教師”として、近いうちに必ず起きると言われている東海大震災、首都圏直下型地震に備えてもらいたいのである。

 自民党も、どのぐらいの危機管理能力があるのかは未知数だ。過去には「えひめ丸号事件」をめぐって、チョンボをやらかしている。2001年、ハワイ沖で日本の高校生の練習船「えひめ丸」が、アメリカ海軍の原子力潜水艦と衝突して沈没、日本人9名が死亡する事件が起きた。事件発生時、森喜朗総理(当時)はゴルフ場におり、連絡はSPの携帯電話を通じて入った。

 衝突により日本人が多数海に投げ込まれたことや、相手がアメリカ軍であることも判明していたが、森元総理は第二報、さらに第三報が入るまで1時間半の間プレーを続け、これが危機管理意識上の問題となった(※5)。だからこそ、今回の大震災をめぐる様々な意思決定については、専門のワークグループを立ち上げて、数年を費やしてでもじっくりと検証するだけの意義と価値があると思うのである。

 <我々国民はどうすべきか?>
 我々がなすべきことは、端的に言えば「テレビを見るな」、「幅広い分野に興味を持て」、「情報源を多角化せよ」の3つである。テレビで流れる政治関連のニュースは、どこの局もほとんど同じだし、内容が偏っている。これは、閉鎖的な記者クラブ制度がもたらしている弊害である。

 だから、もっと視野を広げる必要がある。我々はどうしても自分の生活に直結する問題ばかりに関心を寄せがちだが、政治の役割は実に幅広い。いつの時代でも最優先とされるべき課題は、

 ・国家を外敵から守るための軍事・安全保障と、
 ・国内では取得できない資源を海外から得るための資源外交

の2つである。なぜなら、この2つがないがしろにされると、国家が潰れてしまうからだ。これに加えて、

 ・経済成長を実現するマクロ政策や金融政策
 ・政府や自治体の財政健全化
 ・国民の生命や健康を守る医療サービス
 ・高齢社会を支える介護・福祉、ならびに年金制度
 ・今後も経済成長を持続させるために必要な人口構成の実現(具体的には、出産・子育て支援)
 ・子どもたちを、教養と実務能力を備えた日本人へと育て上げる教育制度
 ・上記の政治的課題と関連する各種税制の整備

などが並ぶ。どれ1つをとっても大きなテーマだし、お互いに複雑に関連し合っているため、理解するのは容易ではない。しかし、自分の生活と直結したテーマだけに焦点を絞るのは、近視眼的な捉え方である(経営学でいうところの「マーケティング・マイオピア」ならぬ、「ポリティクス・マイオピア」である)。

 日常生活との関係性が薄く、あまり実感が持てない分野であっても、中長期的に見れば自分たちの生活に跳ね返ってくるものばかりである。したがって、それぞれの分野を理解する努力を惜しまず、自分なりの”座標軸”をはっきりさせることが我々にも必要なのである。

 そのためには、情報源の多角化が必須となる。テレビが論外なのは先ほども述べたが、新聞、書籍、ブログ、ネットニュース、地元の議員の講演会など、幅広いチャネルに目を向けて、様々な情報に敏感にならなければならない。その際に留意すべきなのは、一方のイデオロギーに偏らないことである。新聞であれば、例えば「産経と朝日」といった具合に、思想的傾向が異なるものを2部取るのが望ましい。

 我々は、自分にとって有利な情報や、自分の主張を裏づける情報ばかりを集めたがる傾向がある。心理学では、この傾向を「確証バイアス」と呼ぶ。この「確証バイアス」に陥らないようにするには、敢えて自分の考えとは反対の見解が述べられている情報リソースに目を向けることが有益である。

 自分が好きではない情報に、自ら首を突っ込んでいくことは、非常に苦痛である。だが、同じ論点でも多様な見方があることを知り、バランスのとれた基軸を自分の中に確立するのであれば、この苦痛は避けては通れないものなのである。

(※5)「森喜朗|Wikipedia」の「えひめ丸号事件」の項を参照。

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