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April 25, 2011

QCサークルを工場以外の業務にも広げたいんだよね―『上流モデリングによる業務改善手法入門』

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世古 雅人
技術評論社
2010-11-23
posted by Amazon360

 現状業務の棚卸し方法が解りやすく書かれていた本。SEやシステム会社向けというよりも、通常の企業で社内業務改善プロジェクトに携わっている人たち向けのような気がする。最初は粗い分析から入って、徐々に細かい分析に入っていくという作業イメージがつかみやすかった。

 (1)まず、各個人が自分の担当業務を細分化する。そして、それぞれの業務について「業務名」、「業務内容」、「担当者(=ここでは自分の名前)」、「インプット(=業務を始めるのに必要な情報、資料など)」、「アウトプット(=業務の結果できあがる成果物)」を整理し、付箋に書き出していく。
 (2)模造紙に全員の付箋を貼りつけ、内容の重複やレベル感を修正しつつ、それぞれの付箋を業務の流れに沿って線でつないでいく。
 (3)付箋どうしのつながりを見ながら、各業務の「開始条件/制約条件(=「Aさんの成果物Xができあがったら着手する/成果物Xができあがるまで着手してはいけない」など)」を明確化する。
 (4)(3)までの内容をエクセルに業務一覧としてまとめる。一覧には、「業務名」、「業務内容」、「担当者」、「インプット」、「アウトプット」、「開始条件/制約条件」が含まれる。
 (5)(4)までの内容をUMLモデルで書き表す。

 個人的には、UMLモデルまで作る必要はないと思うんだけれども(それこそITベンダーなどに任せればいい)、(4)までは現場レベルでできるようになるといいと思うんだよね((4)までできなくても、最低限(3)までできれば、業務が可視化されて改善アイデアの議論ができるようになる)。先日の記事「「たくさん働けば、その分報われる」という価値観が組織を壊すことも―『リーダーシップ 真実の瞬間(DHBR2011年5月号)』」でも書いたが、組織は放っておくと余計な業務が増えて煩雑になっていく性質を持っている。だから、本来であれば定期的に業務を見直して、不要な仕事を捨て去り、本当に必要な仕事にリソースを集中させなければならない。

 工場ではQCサークルに代表されるように、現場レベルで業務改善・品質向上を目指す自主的な活動がずっと昔から行われているし、「QCの7つ道具」のような改善ツールも整っている。これに比べると、営業部門、マーケティング部門、サービス部門、物流部門、購買部門、その他の事務部門は、これといった業務改善の方法論を持ち合わせていない。もちろん、これらの部門にシステムを導入する際には、標準的な業務プロセスを一応は定義するものだ。しかし、システム導入後もその標準プロセスが継続的に見直されているかどうかはやや疑問である。

 業務改善の方法論といっても、特別なものを使う必要は全くない。逆に、特別なものだと、使える人が限定されてしまうからよくない。そういう意味では、本書で紹介されているやり方は(UMLモデルを除けば)非常にオーソドックスなものだから、現場で十分に習得可能だと思う。

 私の個人的な想いとしては、今回の記事タイトルにも掲げたように、QCサークルのような活動を工場以外の業務にも広げたいんだよね。意味のない無駄な仕事は社員のモチベーションを下げるし、企業側にも余計なコストを押しつける。とはいえ、現場の細かい業務にまでトップが口を挟んで改善を断行するのは非現実的だ。現場の仕事に責任を持つのはあくまでも現場の社員であるし、現場が自分たちの仕事を自らの力で価値あるものにデザインし直すことができれば、仕事に対するコミットメントが高まるのは間違いないだろう。

 (続く)

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