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February 26, 2011

マネジャー(管理職)の評価方法に関する素案

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 今回は、マネジャーの評価方法についてちょこっと考えてみた。マネジャーの第一義的な役割は、部門の業績目標を達成することである。だから、マネジャーの評価も、第一義的には部門の業績目標を達成したかどうかで判断される。

 ここで、「部門の業績目標」をもう少し別の表現にしてみると、
 部門の業績目標=堯壁下の個人目標)
  =堯壁下の頑張り+マネジャーの支援)
となるはずだ(この辺の考え方は、案ディー・グローブの『インテル経営の秘密』にも少し書かれている)。

アンドリュー・S. グローヴ
早川書房
1996-04
おすすめ平均:
まさに経営のバイブル
技術と経営,両分野で頂点を極めた筆者の経営指南書
新しい事は書かれていないかな。
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 まず、部門の業績目標は部下の個人目標へとブレイクダウンされる。これは、MBO(目標管理制度)の基本的な考え方だ。ただし、部下は自分ひとりの力で個人目標を達成するわけではない(もし部下だけの力で目標が達成できるのならば、マネジャーなど必要ない)。それぞれの部下が自分の目標を達成できるようにマネジャーが支援することにこそ、マネジャーの存在価値がある。

 営業部門であれば、各営業担当者には毎期の売上目標が課せられるが、マネジャーは部下の手持ち商談の状況をモニタリングして、あまり重要でない商談に割いているリソースを、勝ち目のある重要な商談へと振り向けるようにアドバイスする。また、ここぞというタイミングで部下の営業に同行して顧客のキーパーソンを説得し、クロージングを手助けする。あるいは、部下の提案品質が均一に保たれるよう、提案ツールや製品資料の標準化・高度化を進める。

 品質目標を課せられている製造部門の場合、それぞれの製造工程を担当している社員には、担当工程での歩留率の向上や品質改善のための提案活動の実施、といった目標が与えられる。マネジャーは部下から品質改善のアイデアを引き出すようなコーチングをしたり、提案を実際に行動に移すよう動機づけたりする。さらに、提案を実施するにあたって、他の工程の担当者や調達部門のような他部門との調整が必要になるのであれば、マネジャーが関係者間の橋渡し役を率先して引き受けなければならない。

 であれば、マネジャーの評価にあたって重要なのは、「部門の業績目標をクリアしたか否か?」だけではなく、「部下の個人目標の達成をどの程度サポートしたか?」ということである。そして、そういう支援の有無は、「リーダーシップ」とか「対外交渉力」などといった、マネジャーに求められるであろう汎用的なスキルを並べて総合的に見るというよりも、「それぞれの部下に対して、そのマネジャーはどのような支援行動を取ったのか?」という詳細レベルに踏み込んで判断する必要がある。

 ここからは個人的な素案であり、どこまで実現性があるか解らないけれども、例えばこんな評価方法が考えられのではないだろうか?部下にはただ1つ、「あなたのマネジャーは、あなたの個人目標の達成を支援してくれましたか?」という質問を与える。そして、「5.手厚く支援してくれた」〜「1.全く支援してくれなかった」の5段階でマネジャーを評価してもらう。ただ、5段階の評点だけだと全く深みがないので、部下には「マネジャーの具体的な支援行動」も文章で記述してもらう(あるいは、マネジャー以外の第三者がその部下と面談して聞き出してもいいだろう)。

 しかし、部下が知らないところでマネジャーが支援してくれていた事実は、この質問では明らかにすることができない。そこで、部下の評価に加えて、マネジャーの上司にあたる上位クラスのマネジャーにも、「あなたの部下であるマネジャーは、部下の個人目標の達成を支援していましたか?」という質問を投げかけて同じように5段階で評価してもらい、具体的な支援行動の事実を書き出してもらう。最終的には、部下の評価と上司の評価を集計して、マネジャー自身の評価を確定する。

 ちなみに、部下の目標をマネジャー自身がやってしまったケースでは、「1.全く支援してくれなかった」という評価になる。時折、「部下に任せるよりも、自分でやった方が早いから」という理由で、部下の仕事を横取りしてしまうマネジャーがいるみたいだけれども、そうやって部門目標を達成したとしても、そのマネジャーを高く評価することはできない。マネジャーがプレイヤーと化してしまったら、部下がいる意味がなくなってしまうからだ。

 ここで書いた方法は、いわゆる360度評価に近いのだけれども、一般的な360度評価は、「リーダーシップ」、「対外交渉力」といった、マネジャーに求められる汎用的なコンピテンシーを因子として、数十問(時に百問以上)にわたる質問の回答結果から、各因子の得点を導いている。これに対して私の素案は、「部下の個人目標の支援の程度」という1点に評価対象を絞っている。ただ、項目としては1つだが、評価の根拠を定性的なコメントで深く見ようとしている。

 「360度評価でさえ導入が躊躇われるのに、そんな評価などできるか!?」っていう声が聞こえてきそうだが、個人的には部下からのネガティブな評価に弱いマネジャーは昇進したって大した業績など残せないと思うし、ネガティブな評価をされただけで部下との関係がギスギスするようならば、そのマネジャーには「人の上に立つ者」としての資質が欠けているのではないか?と疑わざるを得ない(部下との関係が壊れてしまったら、その部下からは翌期以降も悪い評価しか得られないから、マネジャーはどうせいつまで経っても昇格できない)。

 逆に、マネジャーが部下を買収していい評価ばかりを書かせるのではないか?という懸念もあるけれども、部下の買収に躍起になっているマネジャーは、本業がおろそかになるはずだ。そもそもマネジャーが高く評価されるには、個々の部下がちゃんと個人目標を達成して部門目標をクリアすることが大前提である。よって、たとえ「部下に対する支援行動」の部分で高い評価を得られても、肝心の部門業績のところでアウトになるに違いない。

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