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January 14, 2011

(メモ書き)人間の根源的な価値観に関する整理(1)―『異文化トレーニング』

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 先日の記事で私自身の価値観を棚卸ししてみたのだが、どうやら人間には根源的な価値観のタイプというものがあるらしい。この点について、『異文化トレーニング』の中で言及されていたので、同書の内容を簡単にまとめておこうと思う。

八代 京子
三修社
1998-02
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読んでよかった。
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 まず、クラックホーンとストロッドベックによると、人間の価値観を規定する普遍的問題として次の5つがあるとされる。
(1)人間の本質とはなにか?(人間性志向)
(2)人間と自然との関係はどうあるべきか?(人間対自然志向)
(3)人間の時間に対する志向はなにか?(時間志向)
(4)人間の活動に対する志向はなにか?(活動志向)
(5)人間同士の関係はどうあるべきか?(関係志向)
 そして、これら5つの普遍的問題に対する解となる価値観には、複数のバリエーションが存在するという。
(1)人間性志向
 ・本質的に悪(ただし、後天的に変化しうる)
 ・本質的に悪(後天的にも変化しない)
 ・善と悪のどちらでもない(ただし、後天的に変化しうる)
 ・善と悪のどちらでもない(後天的にも変化しない)
 ・善と悪を両方兼ね備えている(ただし、後天的に変化しうる)
 ・善と悪を両方兼ね備えている(後天的にも変化しない)
 ・本質的に善(ただし、後天的に変化しうる)
 ・本質的に善(後天的にも変化しない)

(2)人間対自然志向
 ・自然に服従
 ・自然と調和
 ・自然を支配

(3)時間志向
 ・過去重視(経験、歴史や伝統、前例を重んじる)
 ・現在重視(状況に応じて行動をとる)
 ・未来志向(たえず目標を立て、よりよい未来を信じる)

(4)活動志向
 ・「ある」重視(あるがままを肯定する)
 ・「なる存在」重視(自分を内面から徐々に変革する過程を重視する)
 ・「する」重視(行動することに意義を見出す)

(5)人間関係志向
 ・直系重視(縦の上下関係を基本とする)
 ・傍系重視(横の結びつきを大事にし、個人よりも集団の意思を優先する)
 ・個人主義(個人の平等と権利が基本とされる)
 マイケル・コールは、文化圏によってこれらの価値観の組合せには異なる傾向が見て取れることを明らかにした。

例えば、アメリカは、

 (1)人間性志向=善と悪を両方兼ね備えている(ただし、後天的に変化しうる)、あるいは本質的に善(ただし、後天的に変化しうる)
 (2)人間対自然志向=自然を支配
 (3)時間志向=未来志向
 (4)活動志向=「する」重視
 (5)関係志向=個人主義

といった価値観の傾向があるのに対し、日本は、

 (1)人間性志向=善と悪を両方兼ね備えている(後天的にも変化しない)
 (2)人間対自然志向=自然と調和
 (3)時間志向=過去志向でもあり、未来志向でもある
 (4)活動志向=「なる存在」重視でもあり、「する」重視でもある
 (5)関係志向=直系と傍系をともに重視

という傾向が見られると分析している。

 日本の人間性志向が「善と悪を両方兼ね備えている(後天的にも変化しない)」というのが個人的には若干引っかかるけれど(後天的にも変化すると考えている人の方が多いんじゃないか?まぁ、こればかりは調査してみないとわからない)、全体的には何となくそんな感じかなぁ?という気もする。また、上記の分析結果からは、アメリカより日本の方が複雑な価値観を持っているとも推測される(だからといって、アメリカ文化が単純というわけではないけれど…)。

 思ったよりメモ書きが長くなりそうなので、ここで一旦今日の記事を終了。「その2」では、ヘールト・ホフステードとフォンス・トロンペナールスの研究を整理することにしよう。

 (続き)

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