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January 06, 2011

図も訳解らんし話も長げぇーんだよ(怒)―『ビジネス構造化経営理論』

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 この本もヤンミ・ムンの『ビジネスで一番、大切なこと』と同じで、定期購読しているDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(DHBR)に何回かフライヤーが入っていたんだよね。さらに、本誌の中では広告形式の連載も組まれていた。だけど、載っている図が毎回イマイチだったから、本はずっと買わないでいたんだな。ただ、最近になってビジネスモデル絡みの研修の仕事があったりとかしたので、渋々ながら読むことにした(だって600ページもあるんだもん)。

 結論から言えば、私にとっては全くの期待はずれ。100ページぐらいまでは頑張って読んだが、100ページ読んでも得られるところがなかったから、その後はほとんどまともに読んでいない。

 この本は通常の本よりも挿図が多くて、本文の理解を助けてくれるのかなぁ?って期待したけれど、図を見ていたらかえって頭が混乱した。例えばこれ(図はデジカメで撮影した。本来なら、私がパワポで描き写したものを載せることで図の引用とするべきなんだろうけど、それも面倒くさくなった。私の汚い手書きのメモが入っている点はご容赦くださいな)。
基本ステークホルダー価値ポジション

 「顧客価値ポジション」とは、企業が顧客に対して取る立ち位置のことで、M・ポーターが言う「ポジショニング」とほぼ同じと捉えて構わない。で、「顧客からの選択」と「顧客の選択」の楕円から出ている「⇔」は一体どういう意味なのさ?「顧客」と「顧客の選択」の2つは対立でもしているのかい??

 敢えて図にするならば、(手書きでちょっと書いたけど、)「企業」と「顧客」という2つのテキストボックスがまずあって、顧客から企業に対して「顧客からの選択」という矢印を、企業から顧客に対して「顧客の選択」という矢印を引くべきじゃないの?そして、その双方向のやりとりの場から「価値」が創造される(=顧客にとっては、支払った価格に見合うメリットが享受できることを意味し、企業にとっては、コストを上回る収益が得られることを意味する)というのが普通なんじゃない??っていう気がする。

 あと、次の図もよく見ると「?」なところがある(本を押さえている指が映り込んじゃった、汗)。
企業のビジネス構造

 「価値ケース」とは著者独自の用語であり、顧客が欲しているニーズと、顧客に提供する製品・サービスの組み合わせを指している。一般的に、1つの企業には複数の価値ケースが存在し、いくつかの価値ケースを束ねるようにして事業が構成される。

 右上のケイパビリティ構造とは、その製品やサービスを提供するための業務や組織構造を表している。左下には価値ケース構造の補足がついているのだが、「価値創出構造大枠」というのは、顧客価値を創造する構造のこと(実際、本文ではそのような説明になっている)なのだから、要はケイパビリティ構造と同じなんじゃないのかい?って思うわけよ。だとすると、価値ケース構造とケイパビリティ構造を結ぶ「⇔」はまたしても何なのさ??

 さらに解らないのが次の表だね。
ビジネス構造の全体俯瞰要素

 この表さぁ、縦軸と横軸がまず解らないんだよね…。普通に読めば縦軸は左端の「視点」なんだけど、そうすると、「企業視点」、「構造視点」、「価値視点」の右横にある「ステークホルダー」っていうボックスは何なのよ?って突っ込みたくなるわけさ。実は、この「ステークホルダー」の列も、表の縦軸になっているんだな。つまり、縦軸が2つあるわけだ。

 そうすると、横軸は何か?ってことになるんだけど、もうこれがとにかく解りづらい。一番上の「Why」、「Where」、「What」、「How」が横軸だとすると、「企業視点」の「Why」にある「ビジネス目的(=企業の存続意義)」と、「顧客視点」の「Why」にある「顧客価値ポジション(=企業が顧客に対して取る立ち位置)」とかは同じ次元の話かぁ?って脳みそが悲鳴を上げるわけだ。

 これも要は「ビジネス目的」、「ビジネス対象」…という行がもう1つの横軸になっているんだよね。で、その横軸自体が「企業視点」という縦軸の切り口の1つでくくられていて…と考えていくと、頭が爆発しそうになるよ。

 あと、細かいことだけど、右端の「戦略・改革プログラム」の列って、敢えて切り出す必要があるのかねぇ?というのも、各ステークホルダーに対する価値を適切に提供できるように、きちんと業務や組織構造をデザインしましょうっていうのがこの図のポイントであるならば(そして、著者が同書全体を通じて繰り返し主張していることでもある)、「ケイパビリティ構造」の列で止めておけば十分なはずなんだよね。

 そこに「戦略・改革プログラム」がくっついているというのはどういうことだい?「ケイパビリティ構造」自体は各ステークホルダーに対する価値とのリンクが不十分で、そこにさらに改革プログラムを付け足さないといけない、ということでも言いたいのかね?(って自分で文章を書いていても、何を言いたいのかだんだん解らなくなってくるわけ、涙)

 「自社が提供している製品の軸で物事を考えるのではなく、顧客の軸で考えるべきだ」という著者の主張は、要はプロダクトアウトの発想からマーケットインの発想に転換しなさい、ということだ。マーケットインの発想をする上で重要なのは、マーケティング理論の大家であるセオドア・レビットが「顧客はドリルを欲しているのではない。4分の1インチの穴を欲しているのだ」と語ったように、「顧客が本当に欲しているものは何か?」を考えることである。それがすなわち「顧客価値」にあたる。手前味噌で大変恐縮だが、顧客価値については以前にもこのブログで取り上げた。

 競合他社は4つのレイヤーで見極めるといいんじゃないかい?

 あと、「各ステークホルダーに対する価値を適切に提供できるように、きちんと業務や組織構造をデザインしましょう」という著者の主張に関して言えば、またまた手前味噌だが1年ぐらい前にこんな記事をアップしている。

 発想を広げるプロセス改革の視点(1):問題だと思ったことは本当に「問題」か?
 発想を広げるプロセス改革の視点(2):あるべき姿はどうやって描くのか?
 発想を広げるプロセス改革の視点(3):ITを導入すれば本当に問題は解決するか?

 それから、「業務プロセスよりも組織構造を先に設計すると痛い目に遭う」とか、「業務の成果を的確に測定する指標を設定しなければならない」といった点についても、自分で記事を書いたことがある。最初の100ページぐらいで飽きたのは、自分の昔の記事以上の発見がいつまで経っても得られないからなのさ。

 「とりあえず箱作っちゃえ」的な組織設計の危うさ
 プロセスKPIを設定するための5つの視点
 実務的なプロセスKPIにファインチューニングする3つのポイント
 評価制度を間違えると社員の行動はおかしな方向へ導かれる

おススメの書籍

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コメント

長々とがんばって指摘してしている割には、批判内容が枝葉末節ですね。
矢印に拘泥するよりも、虚心たんかいに勉強してみれば。

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