※2012年12月1日より新ブログに移行しました。よろしければこちらもご覧ください。
free to write WHATEVER I like
December 20, 2010

「ES向上⇒CS向上のサイクル」をサプライチェーン全体に広げてみたら―『バリュー・プロフィット・チェーン』

拍手してくれたら嬉しいな⇒
ジェームス・L. ヘスケット
日本経済新聞社
2004-12
おすすめ平均:
成功するための秘訣とは?
バリュー・プロフィット・チェーン
翻訳の稚拙さが、星二つを減ず
posted by Amazon360

 「訳が読みにくい」と言っておきながら、何だかんだで3本も記事を書いてるじゃないか!?という突っ込みはしないでね。これまでも書いてきた通り、本書の中心的な内容は、社員満足度(ES:employee satisfaction)と顧客満足度(CS:customer satisfaction)との間の関係なのだが、著者が「バリュー・プロフィット・チェーン」という言葉を使って本来スポットを当てていたのは、自社のパートナー(仕入先)や投資家をも含む関係であった。

 ES向上⇒CS向上⇒利益向上」の自己強化システムについての考察-『バリュー・プロフィット・チェーン』

 だが、同書を読み進めていくうちに、仕入先や投資家との関係に関する記述が薄れていってしまう印象があって残念だった。そこで、仕入先も含めた関係について少し考えてみることにする(投資家との関係については、書ける自信がないので省略(汗))。

 仕入先にとって自社は顧客であるから、仕入先の社員の満足度が上がれば、自社の社員の満足度も上がる可能性がある。もっとも、仕入先とダイレクトに接しているのは購買部門など全体の一部にすぎないから、仕入先の社員満足度の向上が、自社の社員満足度の向上に直結するわけではない。

 ただ、購買部門の社員満足度が上がり、社内顧客である他部門に対してよいサービスを提供するようになれば、他部門の社員満足度にもプラスの影響を及ぼすようになる。その効果が全社的に波及すると、自社の社員満足度が総合的に上昇すると考えられる。

 この考え方を広げていけば、製品加工の最も上流にいるメーカーから最終製品を購入する消費者にいたるまでに、下図のような「ES向上⇒CS向上」のチェーンが成立することになる。

社員満足度向上⇒顧客満足度向上のチェーン

 同書の中で、仕入先との関係について取り上げられている数少ない事例の1つが、「P&Gとウォルマート」の関係である。
 P&Gにおける石鹸製品の出荷は、ウォルマートから日次で送られてくる需要情報に従って行われる。P&Gは、ウォルマートの流通センターのために商品を継続的に保管し、供給し続けている。この流通センターでは、ほとんどの商品が搬入口からウォルマートの店舗配送トラックに移すだけのクロス・ドック方式がとられている。P&Gは、すぐに支払いをするための手順と送り状を作ったが、このやり方は、ウォルマートにとってはプロセスの削減に、P&Gにとっては運転資本の節約につながった。

 その結果、P&Gの石鹸製品に関するウォルマートの在庫回転率は向上し、特に在庫投資と事業運営費用が大幅に削減された。ウォルマートは、主要なライバル企業と同一の単価を支払いながらも、店頭に製品を並べるまでの総費用をかなり低くすることができた。一方でP&Gは、取引関係からもたらされる莫大な収入とコスト上のメリットを享受している。
 (ね?とっても読みにくい日本語訳でしょ?)同書の記述はここで終わってしまっているものの、このような両社の取り組みを通じて、P&Gの社員満足度とウォルマートの社員満足度がどのように変化したのか?、さらにウォルマートの社員満足度とウォルマートの顧客満足度の関係にどのような影響があったのか?といった考察がされていれば、かなり面白い内容になっていたかもしれない。

おススメの書籍

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:

コメントする