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October 06, 2010

マネジメント・イノベーションがもたらす「自由」と「責任」−『経営の未来』

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ゲイリー ハメル
日本経済新聞出版社
2008-02-16
おすすめ平均:
主体性と創造性を発揮するための経営とはどうあるべきかのヒントを提供
訳がひどい。。。
混沌と階層化
posted by Amazon360

 またまたこの本だけで3本目の記事に突入。それだけこの本からは学ぶことが多いということなんだよ〜

 <1本目>この本を読んで、前提が崩れたマネジメント手法を整理してみた−『経営の未来』
 <2本目>企業経営に市場原理を入れてみよう!でもマネジャーの仕事はどうなる?−『経営の未来』

 ハメルの主張を端的にまとめれば、伝統的な上意下達の階層組織ではなく、現場社員をもっと信頼して彼らに自由を与え、組織の未来を左右する重要なアイデアや、組織の成長を後押しする優れた能力を現場社員から引き出せる組織こそが、激動の21世紀を勝ち残るだろう、ということである。

 これは、組織の歯車と揶揄され、組織のルールに縛られて創造性を阻害されている現場社員にとっては願ってもない朗報だろう。同書では、現場社員が実際にそのような自由を手にしている企業として、ホールフーズ(有機野菜などを販売し、ウォルマートのような低価格路線とは逆の戦略を展開している小売業)、W・L・ゴア&アソシエイト(アウトドア製品などに用いられる防水透湿性素材「ゴアテックス」などを製造する化学メーカー)、グーグルの名前が挙がっている。

 ハメルが主張するのは性善説的な立場に立ったマネジメントと言えるが、ここで私は「自由には責任が伴う」ことを強調しておきたいと思う。責任が伴わない自由は悪であり、どんなに革新的な組織であっても許されるものではない。前述の3社が社員に与えた自由と、それに対して社員が負うことになる責任を以下にまとめてみた(「自由」の内容は同書の事例に拠るが、「責任」の内容は私なりに考えてみたものである)。

【自由】
 管理職が現場社員に権限委譲を行い、現場社員の裁量を拡大する。(ホールフーズ)
【責任】
 現場社員は自らの権限と裁量に基づいて行った行動、およびその結果について、説明責任を負う。
 また、通常の企業では、現場社員は能力重視で評価され、ポストが上がるにつれて結果評価の比重が高くなるが、現場社員に権限委譲された場合は、結果も厳しく評価される。

【自由】
 現場社員は、勤務時間の一定割合を自由に研究や実験にあてることができる。(W・L・ゴア、グーグル)
【責任】
 「自分はこれがやりたい」という強い好奇心がないとやっていけない。指示待ち人間は淘汰される。
 自由時間の間は、自分に指示してくれる人がいないため、自分で仕事をマネジメントすることになる。
 さらに、1人で完結する研究は稀であるから、研究テーマに賛同してくれる社員を探し出し、協力を仰がなければならない。

【自由】
 階層型組織ではなく、格子型組織によって社員がネットワークを形成する。(W・L・ゴア)
(以前の記事「企業経営に市場原理を入れてみよう!でもマネジャーの仕事はどうなる?−『経営の未来』」を参照)
【責任】
 年齢や経験に関係なく、あらゆる社員と円滑にコミュニケーションする能力が求められる。

【自由】
 社員は自分の好きな仕事をしてよい。したくない仕事ならば断ることができる。(W・L・ゴア)
【責任】
 逆に自分が誰かに仕事を依頼する場合は、その人のニーズを十分に考慮する必要がある。
 さらに、なぜ自分はその仕事をしたいと思っているのか、そしてなぜ自分がその人を必要としているのかを相手に説明する義務を負う。

【自由】
 管理職というポストは存在せず、誰でもリーダーになることができる。リーダーの数にも限りはない。(W・L・ゴア)
【責任】
 管理職という地位パワーに頼って周囲に影響力を及ぼすことはできなくなる。
 周囲のメンバーに対し、自分が付き従うに値する信頼できる人物であることを証明しなければならない。
 すなわち、確固たる基軸とビジョンを持ち、ビジョン実現のために率先垂範して行動する人物であること、加えてメンバーの潜在能力を解放し、メンバーの成長をサポートする人物であることを示す必要がある。

【自由】
 現場社員が上司や同僚を評価することができる。(W・L・ゴア)
【責任】
 逆に、現場社員も同僚から評価されることになり、同僚からのプレッシャー(ピア・プレッシャー)を受ける。
 いい加減な評価をすることはできないから、普段から上司や同僚の仕事ぶりをよく観察し、彼らとコミュニケーションをとって、正確な評価材料を集めなければならない。
 上司や同僚に気兼ねしてネガティブなフィードバックができないようではダメ。言うべきことは言う勇気が求められる。

【自由】
 会議では部門や役職に関係なく、誰もが自由に発言することができる。意思決定は極めて民主主義的なプロセスで行われる。(グーグル)
【責任】
 相手の発言には敬意を払う。相手の人格と発言内容を切り離して考える。相手を批判する場合は、人格を批判するのではなく、発言内容を批判する。
 自分なりの確固たる意見を持って会議に参加しなければならない。間違いや不十分さを恐れて発言を控える消極さは許されない。
 会議を収束させるのは議長だけではなく、参加者全員の責務である。つまり、会議に参加したからには、何らかの結論を導き出す覚悟で臨まなければならない。
(過去の記事「「みんなの意見」が案外正しくなるためには、個人が自立していないとダメ」を参照)

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コメント

>現場社員は、勤務時間の一定割合を自由に研究や実験にあてることができる。


残業代を払いたくないなら素直にそう言え。
グーグルの20%ルールや3Mの15%ルールは、個々の社員が何かの分野で卓越した能力を持ち、かつセルフマネジメントに長けていることが前提です。つまり、もともと高い生産性を持つ社員がいて成り立つ仕組みです。敢えて15%とか20%という制約を設けることで、「その枠内で何とか成果を出そう」と色んな社員が切磋琢磨し、そこから創発が生まれることを狙ったものと思われます。

したがって、残業が恒常化している非効率な会社に導入しても成功しないでしょう。


> >現場社員は、勤務時間の一定割合を自由に研究や実験にあてることができる。
>
>
> 残業代を払いたくないなら素直にそう言え。

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