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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
January 15, 2010

サービス・マーケティングの7P(メモ書き)

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 今週の火、水とあるクライアント企業の研修を都内で実施したが、火曜日は寒かった〜。雪が降ったもんねぇ。東京で雪が降ったのは今シーズン初めてじゃないかな?

 さて、マーケティングのフレームワークと言えばおそらく真っ先に思いつくのが「マーケティングの4P」だろう。
 マーケティング・ミックスとは、ターゲットとする市場に対応するための最適なマーケティング手段の組合せをいう。その手段の組合せは無数にあり、その組合せの結果によってその販売効果も変わる。その組合せを考えていく項目として、
 (1)製品政策(Producut)・・・何を販売していくのか
 (2)価格政策(Price)・・・いくらで販売していくのか
 (3)販売経路(Place)・・・どのようなチャネルを通じて販売していけばよいか
 (4)販売促進政策(Promotion)・・・どのような広告宣伝方法をとっていくか
があり、以上の4つの政策を通称「4P政策」と呼んでいる。
(『中小企業診断士 用語必携』を基に一部加筆)
 だが、これは製造業のマーケティングの話だということを忘れてはいけない。例えばチャネルについては、メーカーが卸・小売業に対してどのようにアプローチするかという視点であり、製品(=サービス)が生産されると同時に消費されるという性質を持つサービス業にそのまま当てはめることはできない。経済がサービス化しているというのに、製造業のフレームワークだけにしがみついているのでは片手落ちだ。

 サービス業の場合は、4Pの検討の切り口が若干変わるとともに、さらに3つのPが加わり「マーケティングの7P」となる。先日の記事「『金になる顧客』と『金を連れてくる顧客』」で紹介したDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2008年11月号を読み返していたら、たまたまフィリップ・コトラーのインタビュー記事で7Pに言及している部分があったので、メモっておこう。
 サービス・マーケティングには、従来の4Pのほかに、「パーソネル(Personnel)」、「プロセス(Process)」、「フィジカル・エビデンス(Physical Evidence:具体的な証拠)」という3Pが必要となります。

 (5)パーソネル(Personnel)・・・サービスを提供する社員には、高度な知識や技能に加えて、態度や規律の質が問われます。したがって、従業員を対象とする「インターナル・マーケティング」、すなわち会社は社員にマーケティングしなければならないのです。

 (6)プロセス(Process)・・・サービスを提供する最善のプロセスを発見しなければなりません。ここでは、顧客とサービスの提供者である社員が対話することが重要となります。このような対話を通じて、顧客は「サービスの生産」に、提供者は「サービスの消費」に参加することになり、こうして最善のプロセスが見出されていくのです。

 (7)フィジカル・エビデンス(Physical Evidence)・・・サービスとは手に取って触ったり目で見たりできないものです。ですから、具体的に「何を提供した」というエビデンスが必要です。つまり、具体的な証拠が必要なわけです。

 たとえば保険に加入すると、保険会社から保険証券が届きます。そこには、加入した保険の内容、被保険者名といった具体的内容が記されています。エビデンスとは、見えないものを見えるかたちに置き換えることなのです。
(フィリップ・コトラー「マーケティング・マインドの追究」を基に一部加筆)
 「フィジカル・エビデンス」については、コトラーは保険証券を例にとってさらっと説明しているが、実際にはもっと具体的な証拠が必要になる。保険料と保険金の具体的な仕組み、保障が受けられるケースと受けられないケースの事例、死亡や病気、事故などのリスクの度合い(つまり、自分は何パーセントぐらいの確率で死亡、病気などの事態に陥る可能性があるのか?)(※)など、サービスの中身を見える化する材料をそろえなければならない。

(※)蛇足だが、保険会社はあまりリスクについては触れたがらない傾向があるように思える。保険会社は、リスクの大きさに基づいて準備すべき保険金の金額を計算し、その金額をカバーするためにどのくらいの被保険者を集め、どの程度の保険料をもらえばよいのかを考えている。ということは、被保険者側からすると、リスクの大きさが解れば、自分が支払う保険料が高すぎでないかどうか、その妥当性を検証できることになる。これは保険会社にとってはあまり嬉しい話ではない。この辺りについては、昔「『生命保険が高い!』と思ったら読む本−『生命保険の「罠』」などで書いたことがあるので、ご参考までに。
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