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October 25, 2009

マネジメントとリーダーシップの違い(メモ書きその2)

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  「マネジメントとリーダーシップの違い−『リーダーシップ論−いま何をすべきか』」に続き、今回は『DIAMONDハーバードビジネスレビュー』2008年2月号に掲載された論文で、1977年マッキンゼー賞を受賞したアブラハム・ザレズニックの「マネジャーとリーダー:その似て非なる役割」を基に、マネジャーとリーダーの相違点を整理しておこうと思う。

ダイヤモンド社
2008-01-10
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目標の違い
 マネジャー:仕事の必要性から生じる目標⇔リーダー:個人的な意志から生じる目標

 マネジャーは目標を目の前にして、受身とはいわないまでも、人間味に欠ける態度を示しがちである。たしかにマネジメント上の目標は、人間の欲求というよりはむしろ、仕事の必要性から生じてくるものであり、それは組織の足跡と文化と深く関連している。
 リーダーは何かに反応するのではなく、むしろ能動的であり、したがってアイデアはみずから生み出すものなのだ。つまり、個人的な意志の下、積極的な態度で臨む。リーダーの影響力の真意とは、何が望ましく、何が可能であり、そして何が必要であるかについて、人々の考え方を変えることにほかならない。

仕事観の違い
 マネジャー:関係者と調整し、選択肢を絞り込む⇔リーダー:選択肢を創出し、人々にイメージさせる

 マネジャーは、戦略を立案し、意思決定を下すため、人々とアイデアを結びつけ、問題解決を図るのが仕事であると考える。論理的に組み立てられた解決では、選択肢の幅を狭め、各関係者に「これしか方法はない」と思わせるくらい、感情的な反応さえ制限できる。
 リーダーは積年の問題に新しい方法論を導入し、どのような選択肢がありうるのかを議論する。この議論に勢いをつけるには、そのアイデアを、人々を興奮させる具体的なイメージへと変換させる必要がある。そのようなイメージをつくり出して、初めて実体のある選択肢として展開できる。

人づき合いの違い
 マネジャー:一緒に働くことを好むが、感情移入しない⇔リーダー:人々に深く感情移入する

 マネジャーは、人々と一緒に働くことを好み、一人で行動することを避ける。一人で働くのは不安だからである。心理学的に見たビジネス・キャリアの研究を指導したが、一緒に働いてくれる人を見つけたいという欲求が、マネジャーには特徴的であるようだ。(…一方、もう一つの特徴として挙げられるのが、)人間関係への感情移入が概して低いことである。

 これら二つのテーマ、すなわち「だれかと一緒に働きたい」という欲求と「人間関係はわずらわしい」という感情移入の低さは矛盾しているように見える。しかしこの共存こそ、異なる意見を調整し、互いに妥協できるところを模索し、権力のバランスを図るといったマネジャーの行動を支えている。
 リーダーは、何らかのアイデアに興味を抱いている時、本能的に、しかも深く感情移入して人間関係を築く。

 リーダーの影響力が大きい組織では、人間関係はこじれやすく、また緊張しており、時には錯綜する。このような雰囲気では、人々は強く動機づけられるものの、しばしば予期せぬ結果が招かれる。

人格特性の違い
 マネジャー:「生まれ落ちたままの人」(once-born)⇔リーダー:「生まれ変わる人」(twice-born)

 生まれ落ちたままの人の場合、家庭でくつろいでいるような居心地のよさ、周囲の環境と違和感なく調和している感覚から生じる自己感(自分自身を機能させる自我意識)を、自身の行動や態度の指針にしている。

 マネジャーの場合、みずからを秩序の維持者あるいは調整者と考える。組織を維持し、かつ強化することは、マネジャー自身の価値を高めることにつながる。すなわち彼ら彼女らは、義務と責任のバランスを図るなかで、その役割を果たすことに務める。
 これとは対照的に、生まれ変わる人の場合、完全に孤立しているという感情から自己感を引き出している。

 リーダーには、生まれ変わる人、つまり自分は周囲から孤立していると感じる傾向が見られる。彼ら彼女らは組織のなかで働いていても、けっして組織に帰属することはない。また、自分が何者かについて、どのような組織に属しているのか、どのような仕事に従事しているのか、ましてや世俗的な物指しなど、まったく意に介さない。
 最後の「生まれ落ちたままの人」⇔「生まれ変わる人」というのは、アメリカの心理哲学者ウイリアム・ジェームズの用語であり、彼によると人格特性は大きくこの2つに分類されるという。もし、生来的に形成される、あるいは幼少期の生活が大きく影響する人格特性がマネジャー、リーダーの適性を決定するならば、ジョン・コッターが今の時代に必要だと強調した「優れたリーダーシップとマネジメント力をともに備え、なおかつこの両者をうまくバランスさせられる」人材の育成はどうすればよいのか悩みどころだ。
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