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August 24, 2007

「危ない中国製『割り箸』」より危ないのは日本人の思考か?

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 中国製の割り箸について書かれた日経ビジネスオンラインの記事を読んでいてふと思ったことをつらつらと。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070823/132912/

[1] 漂白:薬剤を加えた水で洗浄した後に硫黄で薫蒸するが、化学薬品の残留量を一定限度内に抑えることがポイント。防カビ効果期間を延長させるべく、一部の生産者は防カビ剤として大量の農薬を使うケースがある。

[2] 乾燥:滑石粉(タルク・パウダー)を加えて水気を除去して乾燥させるが、滑石粉は胆のう結石を誘発しやすいだけでなく、滑石粉に含まれる重金属が人体の血液や神経系統を損傷する可能性がある。<使用前に洗浄すれば、表面に付着している滑石粉を減らすことが可能である由>

[3] 艶出し:一部の生産者はガンの誘発物質である「多環芳香炭化水素」の工業用パラフィンを使用している。

 この文章から、中国産の割り箸が「薬品漬け」の製品であることが伺える。それならば、非常識な中国を一方的に責め立てればいいかというと、そういう話ではない。

 中国メーカーからすれば、日本人が「白くてきれいな箸」を好むから大量の薬品を使っている、というのが言い分でもあったりする。さらに、木製よりも竹製の方が白くするのが大変なので、竹製の割り箸にはもっと大量の漂白剤が使用されており、きちんと洗浄されないまま日本に輸出されている、という話もある。

 もちろん、無節操な中国メーカーも非難されるべきである。しかしながら、中国メーカーを「薬品漬け」の道に走らせたのは日本であり日本の消費者であることは無視できない。

 中国では木製の割り箸を生産しすぎたために、森林の減少が問題視されている。そして、とうとう伐採の制限がかけられてしまった。あの広大な中国の森林が、日本人の割り箸が一因となって伐採を制限される−つまりそれは、割り箸問題に関して、日本と中国を切り離して考えることができないことを意味している。

 中国だけを一方的に責められないのは、割り箸問題に限った話ではない。

 「中国の環境問題はやがて日本にも深刻な影響を与える。例えば中国の大気が汚染されれば、いずれその大気は気流に乗って日本に流れてくる」などと、もっともらしいことをのたまって、中国の環境問題を非難する「一言コメンテータ」が増えているようだ。しかし、これだって中国一国の問題ではない。日本のメーカーが大小問わずこぞって中国に工場を建てて大量生産をしているために、大気や土壌の汚染が(さらには労働問題も?)起こっていることは十分考えられる。自分に都合の悪いことなので、大抵の人は積極的に調査しようとはしないだろうが、ちょっと考えれば日本も問題の一部に加担していることは容易に想像できる。

 これだけ経済がグローバル化していると騒がれているのに、ある国の問題の原因がその国のみに帰せられることはほとんど無い。こうした注意は各方面から喚起されているにも関わらず、ちょっと気を緩めるとすぐに忘れ去られてしまう。そして、他国を槍玉に挙げて愛しき我が身は守るという、都合のいい国粋主義のようなものがまかり通る。もちろん、問題の種類にもよるだろうが(本当に「その国だけが悪い」といった問題が無いとは言い切れない)、やはり問題を短絡的に捉えてしまわないよう、タフな思考は持ちたいものだ。

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コメント

>非常識な中国を一方的に責め立てればいいかというと、そういう話ではない。
同意です。
隣人も日本人と同じく勤勉で誠実であると考えているのが事実誤認というか、甘さだったと思います。
日本人ならば「白くて綺麗な材料から作ろう」となるのですが、殆どの国ではこの思考があてはまりませんね。
特に中国、韓国、北朝鮮等の特に日本人と外観が似ている民族に限って、特にそれが顕著ですね。不幸な事です。
隣人を、我らと同等に考えてはいけない。よき反省材料だと思います。
それは論理のすり替えではありませんか?本質は「提供するサービスに対する誇りの有無」だと思います。

良く似た話で「金払って食べるキムチとタダのキムチ」という記事を書いたことがあります。リンクしてますのでご参照下さい。
中国製の割り箸については別の記事も書いています。こちらもリンクしますのでご参照下さい。
>nextさん

コメントありがとうございます。
一般論として、海外で生産させることにはそれなりのリスクがつきまとうのですから、日本側もそれなりの対策をしておく必要は当然あっただろうと思います。
(品質管理体制をちゃんとしておく、薬品の量を抑えても品質を維持できるような製造技術を開発し中国に移転する、消費者も無知を決め込まないでもっと早くから厳しい目を光らせておく、など)
>中村友一さん

貴重なご意見ありがとうございます。

もちろん、中国メーカーに「サービスに対する誇りが欠けている」ことは私も否定しません。しかし、途上国(中国が途上国かどうか若干怪しいですが)で生産するならば、それぐらいのリスクはあって当然と考えるべきだったと思います(かつての日本も「安かろう悪かろう」の考えで公害を撒き散らす国だったではありませんか)。

それにも関わらず、いざ問題が発覚すれば中国だけを槍玉に挙げるのはいささか筋が違う、というのが私の考え方です。

朝青龍問題は確かに朝青龍の品の無さが一番の問題ですが、それを黙認し続けた協会にも非があることはほとんど誰もが認めるところです。

未成年の喫煙が一向に減らないのは、タバコを吸う未成年だけが悪いわけではないでしょう。大人の責任も十分問われる問題です。

メディアも、身近な例だと割と冷静に判断できるのですが、国境をまたいだ問題になると、途端に判断が変わってしまうように思えます。

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