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June 26, 2006

【ミニ書評】トーマス・ダベンポート著『ナレッジワーカー』

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ナレッジワーカー (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)ナレッジワーカー (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)
トーマス・H・ダベンポート 藤堂 圭太

ランダムハウス講談社 2006-04-27

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 トーマス・ダベンポート著。ドラッカーは『ポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるか』の中で、知識の生産性を測定し、知識労働者の生産性を上げることが21世紀の経済の最大の課題であると述べているが、どのような手段でそれを行うのかはほとんど述べていない(ドラッカーは現代経済学の問題をいくつも指摘したが、解決策を導くことはあまり得意ではなかったようである)。

 この問題を再び議論の土俵に上げ、その解決に取り組んでいるのがダベンポートである。ダベンポートは、知識労働者には様々なタイプがあるため、何らかの基準に従って分類することが有効であると考える。本書ではいくつかの分類法が提案されているが、本書全体を通じて最もよく用いられるのが、(1)取引型(協働の度合いが低く、業務が単純)、(2)専門型(協働の度合いは低いが、業務が複雑)、(3)統合型(協働の度合いは高いが、業務が単純)、(4)協働型(協働の度合いが高く、業務が複雑)という分類である。

 しかし、知識労働のプロセスを論じる部分ではこの分類を用いて議論を進めるものの、知識労働者の仕事のスタイル(情報の利用方法や人的ネットワークの形成方法)を論じる部分ではこの分類が全く使われなくなる。この点で、議論の展開の一貫性にやや疑問を感じる。また、知識労働者の生産性向上という当初の問題提起は、いつのまにか知識労働者の実態を記述することに重きが置かれるようになるにつれて、うやむやにされてしまった印象がある。

《2014年1月6日補足》
 取り消し線部について、これはドラッカーに対して本当に失礼なことを書いてしまった。知識労働者であるエグゼクティブ(経営管理者)が成果を上げるための方法については『経営者の条件』に詳細に書かれているし、組織全体として生産性をマネジメントすることの重要性は『現代の経営(上)』で説かれている。ドラッカーの文献の読み込みが浅かったことを大いに反省している。


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