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July 03, 2006

沼上幹の名言

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 「(マズローの欲求階層説に関する一般的な理解には)奇妙な議論の飛躍がある。つまり、生理的欲求が満たされ、安全・安定性欲求が満たされると、なぜか一足飛びに自己実現欲求の充足へと注意が向いてしまう。…自己実現欲求の追求という方向が美しく気高く、安上がりであるがゆえに、多くの人がそこに目を奪われ、所属・愛情欲求や承認・尊厳欲求を忘れてしまうのである。

 …本当は、社会システムを運営していく上で自己実現欲求はそれほど主要な位置を占めていない。企業組織を運営する上では、ほとんど関係ないとさえ言ってもよい。マズロー自身も認めていたように、自己実現欲求に主として動かされているような人というのは、豊かなアメリカにおいてすら極めて少数なのであり、それが少数だからといって社会が崩壊してしまっていたわけでない。自己実現欲求が満たさなくても、十分立派に、創造的な社会は成立するのであり、創造的な企業組織運営も可能なのである。」
(沼上幹著『組織戦略の考え方』ちくま新書、2003年)
 沼上幹(ぬまがみつよし、1960〜)
 一橋大学大学院商学研究科教授。専攻は経営戦略論、経営組織論、経営学方法論。

 マズローの欲求階層説はあくまでも仮説であり、科学的には何ら実証されていない。にもかかわらず、自己実現欲求という言葉だけが独り歩きをしてしまった。たまに、「部下のモチベーションを上げるためには、部下に自己実現の機会を与えるべきだ」と安易に主張する人がいるが、組織には個人個人の自己実現を可能にしてくれる仕事はそうそう存在しない。組織の一員である部下に真摯な態度で接すること、部下の仕事が組織にとって不可欠であるというメッセージを発すること、これらの働きかけの重要性を忘れてはならない。

組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)
沼上 幹

筑摩書房 2003-03

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