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June 26, 2006

【ミニ書評】ピーター・ドラッカー著『ポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるか』

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ポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるかポスト資本主義社会―21世紀の組織と人間はどう変わるか
P.F. ドラッカー P.F. Drucker

ダイヤモンド社 1993-07

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 ピーター・ドラッカー著。ドラッカーが半世紀にも及ぶ時間を費やして観察・予測してきた「知識資本主義社会」の姿を1冊にまとめた書籍。1969年に発表された『断絶の時代』と非常によく似た構成になっているが、ドラッカー自身は本書を『断絶の時代』の単なる続編ではなく、音楽でいうところの「対位旋律」であると述べている(2冊の内容を合わせると、美しくて重厚な「知識の」ハーモニーを奏でる、ということか?)。

断絶の時代―いま起こっていることの本質断絶の時代―いま起こっていることの本質
P.F. ドラッカー Peter F. Drucker

ダイヤモンド社 1999-09

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 仰々しい紹介をしたが、びっくりするほど目新しいことが書かれているわけではない。むしろ、マネジメントや政治・経済に関するドラッカー哲学のエッセンスが凝縮された1冊であると言った方が適切である。名著『現代の経営』などで体系化されたドラッカーのマネジメント論が、再び知識資本主義社会という文脈で述べられるのは奇妙な気もするのだが、よくよく考えると納得できる。

 知識の社会的な意味は「知識社会学」という分野で20世紀前半から論じられていたし、知識が経済の重要な資本になるという主張は1950年頃から存在していた。ちょうどこの頃から、ドラッカーはマネジメントの体系化に着手している。つまりドラッカーは、知識集約的になりつつある組織を観察しながらマネジメントを体系化したのだ。ドラッカーにとっては、マネジメントを論じることは、そのまま知識資本主義社会を論じることにつながるのである。
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