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March 07, 2006

多様性(ダイバーシティ)のマネジメント(2)−日本での事例

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 日本でダイバーシティ・マネジメントが注目されるようになったのは最近のことです。日本はアメリカほど人種や民族などが多様であるわけではない(当然のことながら、日本でも人種差別や特定の民族を軽視する動きがあることを否定するわけではありません。)ため、もっぱら女性の積極的な活用に主眼が当たっています。

日本でダイバーシティ・マネジメントが注目されるようになった背景
 日本は先進国の中でも女性の活用が遅れていると言われています。この点はこれまでも国内外の数々の報告で指摘されてきました(例えば、ILO(国際労働力機構)は日本の管理職・専門職に女性が占める割合が極めて低いことを何度も報告しています。ちなみにアメリカでは男女の比率はほぼ同じです。)。にもかかわらず、日本企業は長らく女性の活用には消極的でした。

 ここにきて企業がその態度を変えようとしているのには大きく2つの要因があります。一つには、より高い地位とキャリアアップを望む女性が増え、無視できない割合になったことがあります。そしてもう一つが、日本の人口減少に伴い、企業は慢性的な労働力の不足に悩まされる可能性を感じているということです。個人的には、後者の理由の方が企業にとって重要であると思っています。なぜなら、社会の認識の変化が企業の行動を変えるのには概して時間がかかるものですが、企業自身が危機に直面すれば、それに迅速に対応する動機が生じやすいからです。

 日本の女性の就業者数を年齢別にグラフにすると、20代後半から30代前半にかけて就業者数が減少するM字型になります。これは、この年代で女性が結婚、出産を経験し、そのまま退職する女性が多いためです。育児を経て仕事に復帰する女性ももちろんいますが、全ての女性がそうするわけではありません。裏を返せば、女性には潜在的な労働力が豊富に存在するということになります。日本企業は移民によって労働力をまかなうことには弱腰であるため、労働力の不足を解消する道を女性に見出した、ということが言えるでしょう。

ダイバーシティ・マネジメントに取り組む日本企業
 単に足らなくなった労働力を女性で補うというだけであれば、女性の「活用」とは言えません。それは女性の「利用」です。男性と女性の違いに価値を認めることにはなりません。女性を積極的に活用するためには、女性の特性を企業の戦略に結び付ける必要があります。

 最も理解しやすいのは、女性のニーズを満たす製品を市場に送り込むために、女性社員の発想、考え方を活用するというものです。松下電器と日産自動車が好例です。

(1)松下電器
 白物家電分野において、「生活者(=女性)の目線からの商品開発」を目指し、戦略商品の開発やデザインスタッフに女性社員を登用して、電子レンジ、洗濯機などのヒット商品を世に送り出しています。

(2)日産自動車
 車を購入するのは男性が主ですが、購入の意思決定の6割には女性が関与しているという事実が社内調査で判明しました。そこで、車両の機能やデザインに女性社員の意見を積極的に反映させることにしました。「SERENA」には女性社員の様々なアイデアが埋め込まれています。

 主要な顧客が女性でない場合でも、ダイバーシティ・マネジメントは可能です。例えば、大和証券は女性の営業職を積極的に採用しています。証券市場には、家電や車の市場のように女性顧客が多く存在するとは考えられません。大和証券は、女性の特性に注目しているのです。それは、女性は男性よりもコミュニケーション能力、対人能力が概して高いというものです。もちろん、世の中の全ての営業職には女性の方が向いているというわけではないのですが、少なくとも証券の営業には女性の方が向いていると大和証券の経営陣は考えています。

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