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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
February 03, 2006

信頼とは何だ?(2)−信頼できるチームの条件

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 私達が自分の所属するチームを信頼している場合、そのチームはどのような状態にあるのでしょうか。あるいは、どういうチームならば私達は信頼できるのでしょうか。これを詳細に分析することが、チームビルディングにおける信頼を解き明かす近道です。ただし、信頼を体系的に論じるだけの能力も経験も今の私にはまだないので、チームを信頼するための条件をブレーンストーミングで列挙してみようと思います。

○チームの目的、上げるべき成果が明確に定義されている。
 行き先の解らない船には、怖くて誰も乗りたがりません。

○私が何のためにチームに招集されたのかが明確である。
 仕事内容やチーム内の人間関係などについて、私がどのような役割をするべきかが解らなければなりません。しかもその役割は、社内政治によって恣意的にゆがめられることなく、私の能力と私に対する期待に応じて、適切に定められるべきです。

○チーム内で不自由なくコミュニケーションが取れる。
 連絡すべきこと、共有すべき情報、相談したいことなどは滞りなく伝わってほしいものです。メールや会議などコミュニケーションのためのインフラを整備する必要があります。

○チーム内の資源を各メンバーの権限の範囲内で利用することができる。
 権限という言葉には本来、業務を遂行するための経営資源を利用できることという意味があるのですが、しばしば権限が名目化してチームの資源を利用できないでいる人がいます。予算管理の権限があるはずなのに予算を動かすことのできないチームリーダーや、顧客との折衝をする権限があるのに顧客に関する情報が入手できない交渉係などです。権限の範囲を定める場合には、それらを全うするために必要な経営資源にアプローチする道も確保されている必要があります。

○各メンバーの進捗と成果に対するモニタリング機能がある。
 「私の仕事はここまで進んでいる」という報告だけをする進捗会議はあてになりません。各メンバーの仕事の成果物は他のメンバーの目に見えるところに置かれ、品質や内容について逐次チェックを受けるようになっていなければなりません。これが欠けると、面子を保つためにできていない仕事をできたと言うつまらない嘘が横行します。

○誤りは即座に指摘し、優れた成果を承認し合うことができる。
 これは上記のモニタリング機能が働いていることが前提です。間違いは間違いとはっきり指摘してくれる方が、逆にすっきりします。また、多くの人は他人に認められたいと思っています。誰かが優れたパフォーマンスを挙げたときには周囲がそれを承認することも重要です。これは貴重な動機づけになります。

○小さな成功体験を重要視する。
 チームの目的が壮大である時、メンバーは本当にその目標が達成できるかどうか不安になり、焦りを感じます。そのような場合には、小さなことでも何か上手くいったことがあればそれを全員で喜び合うことが重要です。小さな成功体験を共有していくと、このチームならできる、このチームに自分がいても大丈夫だという自信を育てることができます。

○メンバーの業績評価の基準が明確で、かつ不合理な点がない。
 当初与えられた役割と、実際の成果とを照らし合わせて個人の業績を評価する方法には明確さと透明性が必要です。もちろん、上司との面談はプライバシーの関係上密室で行われますが、評価の基準はオープンであるべきです。加えて、報酬面では不合理な差があってはいけません。評価は最もメンバー間の揉め事の種になりやすいものです。


 こうした状態のチームであれば信頼できます。逆に言えば、これらの条件を満たすことが、チーム内に信頼感を醸成することに他なりません。もちろん、条件は他にも沢山あるでしょう(「他にもあるよ」という方がいらっしゃったらコメント等でご指摘ください)。おそらく、挙げればキリがありません。ただ、次のことだけは確実に言えます。すなわち、信頼のための条件はかなり厳格であるということです。
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