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   新ブログ 谷藤友彦ー本と飯と中小企業診断士
February 03, 2006

信頼とは何だ?(1)−信頼と放任は異なる

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 最近チームビルディングに関する論文を読む機会が多いのですが、たいてい次のような記述があります。

 「チームが優れたパフォーマンスを上げるためには、『信頼』を醸成することが重要である」

 確かに、その通りです。不信感の中で仕事をしてもろくなことがないということは私も経験がありますし、多くの人も体験したことがあるでしょう。しかし、この文章は正しいことは述べていますが、表面的な記述でしかないように思えます。

 そもそも、信頼の意味するところが曖昧です。私達があるチームに所属して信頼感を抱いているという場合、一体何をどのように信じているのでしょうか。信頼とは、いくつかの条件が満たされた時に生じる感情です。それならば信頼が醸成されるための条件とは何なのかを分析する必要があります。

 私達は通常、「あの人に任せておけば大丈夫だ」と思うことを信頼と呼びます。ところが、これはかなり不安定、不確実な感情です。脆く、崩れやすい信頼です。「あの人に任せておけば大丈夫だと思っていたのに…」という具合に、この種の信頼関係はしばしばいとも簡単に崩壊するものです。まさに「飼い犬に手を噛まれる」気持ちです。チームで仕事をする場合でも、あるメンバーに特定の仕事を任せ、進捗も順調だと聞いていたのに、実は全然その人の仕事が進んでいなくて、そこからチームが火を噴いてしまったという笑うに笑えない話は、プロジェクトマネジメントの分野でよく耳にする失敗談です。

 信頼を「あの人に任せておけば大丈夫だ」という「放任」程度で考えるのは不十分です。もちろん、人間の感情である以上、移り変わりは世の常であり、絶対に揺るがない信頼というものを100%保証できるわけではありません。ただし、信頼を可能な限り崩壊させず良好に保つことはできるし、そのための努力はするべきです。「放任」といった生ぬるい表現に甘んじることなく、信頼の中身を別の角度から眺める必要があります。(続く)
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