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August 21, 2005

BPR(Business Process Re-engineering:業務改革)の火付け役=マイケル・ハマーの誤算

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 「今週のBooks」でも紹介しましたが、マイケル・ハマーといえば「リエンジニアリング」の生みの親です。

 ハマーによれば、リエンジニアリングとは「コスト、品質、サービス、スピードのような、重大で現代的なパフォーマンス基準を劇的に改善するための、ビジネス・プロセスの根本からの再考と再構築」を意味します。

 ビジネス・プロセスの再考とは、既存のやり方の手直しという漸進的な改善ではなく、業務プロセスを無数の個別作業に分解し、全くの白紙から業務をデザインし直すことで、あらゆる非効率を排除し、生産性を著しく向上させることを指しています。

 私が『リエンジニアリング革命』を読んだのは、学生時代の最後の頃でした。焦点は確かにプロセスにあるのですが、プロセス主義者かといえばそうではなく、むしろ極端に結果主義的な論調が目立ち、違和感を感じた覚えがあります。(当時の私の頭の中には、プロセス主義−結果主義という二項対立の図式がありました。)

 事実、「(リエンジニアリングとは)組織の脂肪をそぎ落とすだけでなく、これを細かく刻んで、フライパンで溶かしてしまうことだ」というハマーの言葉にあるように、ハマーが目指していたのは、無駄や非生産性を徹底的に排除した合理的な組織という、極めて最終的かつ外観的な結果でした。そのため、ダウンサイジングやコスト削減を(隠れた)目的として、誤った方法でリエンジニアリングを導入する企業が続出してしまったのです。得られたのは生産性の向上ではなく、ずたずたに切りつけられた組織、ハメル&プラハラードが「企業栄養失調症」と表現した、組織力を失った企業でした。

 結局、ハマーの主張には人間への配慮が欠けていたのです。後年になって、ハマーは『リエンジニアリングを超えて』の中で、プロセスを重視する組織は悪夢のような結果になるかもしれない、と自身の誤りを反省しています。また、『リエンジニアリング革命』のもう一人の著者、ジェームズ・チャンピーも「我々の主張した革命は、道半ばにして挫折した。それは何もしなかったことより悪いことだ。」と述べています。

 リエンジニアリングへの批判は、フレデリック・テイラーの「科学的管理法」への批判と似ています。両者は、業務プロセスを諸要素に分解し、無駄を省き、再構築して合理性を追求するという点では類似しています。ただ、舞台が肉体労働者中心の向上なのか、ホワイトカラー中心の現代的企業なのかの違いに過ぎなかったのです。

 真のプロセス主義は、人間に注目しなければなりません。ハマーの誤解から得るべき教訓は、まさに次の言葉に集約されています。

 「プロセス重視の世界では、単純作業の労働者が失っていた尊厳が、労働の場に復活する。」

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コメント

TB有難うございます
内容盛りだくさんのブログですね
さかのぼって読んでみます
TBありがとうございます。

>真のプロセス主義は、人間に注目しなければなりません。

まさにその通りだと思います。
そこには生きた人間が存在しているわけですから。。。
また寄らせて戴きます。
ともさん、お体お大事にしてください。

そして、ブログのリンク、ありがとうございます。非常にうれしいです。

こんにちは。
『リエンジニアリングを超えて』という本は邦訳された本でしょうか?
検索しても見つからないので教えていただけると幸いです。
aprenderidyさん

こんにちは。昔の記事にまでコメントいただきありがとうございます。
『リエンジニアリングを超えて』という表現が不適切で申し訳ありませんでした…
これは洋書でして、邦訳は出ていないと思います。
"Beyond Reengineering: How the Process-centred Organization is Changing Our Work and Our Lives"
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/000638711X


> こんにちは。
> 『リエンジニアリングを超えて』という本は邦訳された本でしょうか?
> 検索しても見つからないので教えていただけると幸いです。

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