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June 24, 2005
要素還元主義的な「近代知」からシステム思考的な「関係知」へ
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デカルトが精神と物質を分離して考察するようになってから、近代科学の目覚しい発展が始まったというのは頻繁に指摘されるところである。近代科学の特徴は、物質を細かく分けていくことによって、物質の本質を捉えることができるとする新しい科学アプローチの方法にある。こうした近代自然科学の知識を「近代知」と呼ぶ。(※1)
もちろん近代科学はこの方法で大きな進歩を遂げたが、弊害も残った。その1つが「細分化された学問のそれぞれがあまりに高度化してしまったこと」である。科学者たちは、対象とする領域を分けたのはいいが、細分化されたそれぞれの領域ばかりに集中してしまうあまり、その分野については高度に専門的になったものの、他の分野との交流が薄れてしまったのである。
こうした近代科学への反省の意味を込めて、現代では「関係知」が必要であるという声が多く上がってくるようになった。それまで断絶されていた異なる学問が手を結び、新たな学問分野を生み出す。そうした新たな科学の姿勢が提唱されるようになった。(例えば、遺伝子工学は医薬品業界から生まれていないが、医薬品開発に欠かせない技術となった)
この流れはビジネスでも起こっている。我々は何らかの専門性を身につけることを求められている(しばしば「強み」と呼ばれるものである)が、常に他の専門分野のことにも興味、関心を持ち、できるならば他の専門性も吸収することが望ましいとさえ言われる。「関係知」を追求するならば、これも効果的な方法である。
だが、これはなかなかエネルギーの要る作業である。1つの専門性を身につけるのでさえ並々ならぬ努力が必要であるのに、さらに他の分野ともなると難易度が一気に上がってしまう。
私は、ビジネスの世界において「関係知」が意味を持つのは、専門家が共にチームで働く機会が多くなったという意味においてであると考えている。
あらゆる専門家が現代ではチームで仕事をする。システム開発現場では、アプリケーション設計の専門家、各言語を用いたプログラム開発の専門家、データベースの専門家、ハードウェアの専門家、情報セキュリティーの専門家、テスト専門家など、実に多くの専門家が共にチームとなって仕事をする。医療現場でも、複雑な手術になると、多くの異なる専門スタッフが共同で執刀する。M&Aでも、経営コンサルタント、公認会計士、税理士、弁護士といった各方面の専門化がチームで仕事を進める。
異分野の人間がチームを作り、チームの目的の実現のために自らの持つ専門性を発揮し、相乗効果を図りながら仕事を行う。これがビジネスにおける「関係知」の在り方の主たるものであると考えている。
※1 ここ数年、ビジネス関連の書籍に多いのが「ロジカルシンキング」をテーマにした本である。そしてこれらの本の中で必ずと行ってよいほど紹介されているのが、マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱したMECE(Mutually Exclusive collectively Exhaustive:それぞれが重複することなく、全体集合としてモレがない)という概念である。だが、これ自体は全く新しい考え方ではなく、近代の自然科学が長らく拠り所としてきた考え方にすぎない。そして近代の自然科学が行き詰ったように、MECEばかりに頼っても思考は行き詰る。
ロジカルシンキングについては、この書籍が有名。
《参考文献》
もちろん近代科学はこの方法で大きな進歩を遂げたが、弊害も残った。その1つが「細分化された学問のそれぞれがあまりに高度化してしまったこと」である。科学者たちは、対象とする領域を分けたのはいいが、細分化されたそれぞれの領域ばかりに集中してしまうあまり、その分野については高度に専門的になったものの、他の分野との交流が薄れてしまったのである。
こうした近代科学への反省の意味を込めて、現代では「関係知」が必要であるという声が多く上がってくるようになった。それまで断絶されていた異なる学問が手を結び、新たな学問分野を生み出す。そうした新たな科学の姿勢が提唱されるようになった。(例えば、遺伝子工学は医薬品業界から生まれていないが、医薬品開発に欠かせない技術となった)
この流れはビジネスでも起こっている。我々は何らかの専門性を身につけることを求められている(しばしば「強み」と呼ばれるものである)が、常に他の専門分野のことにも興味、関心を持ち、できるならば他の専門性も吸収することが望ましいとさえ言われる。「関係知」を追求するならば、これも効果的な方法である。
だが、これはなかなかエネルギーの要る作業である。1つの専門性を身につけるのでさえ並々ならぬ努力が必要であるのに、さらに他の分野ともなると難易度が一気に上がってしまう。
私は、ビジネスの世界において「関係知」が意味を持つのは、専門家が共にチームで働く機会が多くなったという意味においてであると考えている。
あらゆる専門家が現代ではチームで仕事をする。システム開発現場では、アプリケーション設計の専門家、各言語を用いたプログラム開発の専門家、データベースの専門家、ハードウェアの専門家、情報セキュリティーの専門家、テスト専門家など、実に多くの専門家が共にチームとなって仕事をする。医療現場でも、複雑な手術になると、多くの異なる専門スタッフが共同で執刀する。M&Aでも、経営コンサルタント、公認会計士、税理士、弁護士といった各方面の専門化がチームで仕事を進める。
異分野の人間がチームを作り、チームの目的の実現のために自らの持つ専門性を発揮し、相乗効果を図りながら仕事を行う。これがビジネスにおける「関係知」の在り方の主たるものであると考えている。
※1 ここ数年、ビジネス関連の書籍に多いのが「ロジカルシンキング」をテーマにした本である。そしてこれらの本の中で必ずと行ってよいほど紹介されているのが、マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱したMECE(Mutually Exclusive collectively Exhaustive:それぞれが重複することなく、全体集合としてモレがない)という概念である。だが、これ自体は全く新しい考え方ではなく、近代の自然科学が長らく拠り所としてきた考え方にすぎない。そして近代の自然科学が行き詰ったように、MECEばかりに頼っても思考は行き詰る。
ロジカルシンキングについては、この書籍が有名。
ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution) 照屋 華子 岡田 恵子 東洋経済新報社 2001-04 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
《参考文献》
デミングの組織論―「関係知」時代の幕開け 武田 修三郎 東洋経済新報社 2002-11 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
来るべき「世界の形」を描く―21世紀・知的リーダーたちの提言 吉川 弘之 日刊工業新聞社 2001-06 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
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