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May 30, 2005

知識を適用するということ(2/2)〜現実に合わせて知識を創造する

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 知識社会と呼ばれる現代社会においては、知識労働者と呼ばれる人が全労働者の3分の1ないし5分の2の割合を占めていると言われている。知識労働者とは文字通り仕事に知識を適用する労働者であるが、典型的な例としては医者や弁護士、会計士が挙げられる。もちろん、彼らは労働人口全体から見れば少数派に属する存在であり、むしろ知識労働者の中核は企業で働くホワイトカラーの大多数、すなわちマーケティング担当者、購買担当者、流通担当者、製造担当者、販売担当者、経理担当者、財務担当者などであると考えられる。

 しかし「知識を適用する」という行為がいかなる活動を指しているのかは容易には理解しがたい。そもそも我々は知識に対してそれほどいい印象を持っていない。なぜなら我々は過去の暴君が知識を力の源泉として濫用し、不当な権力を振るったことを歴史から学んでいるし、自らが成長する過程においても、「詰め込み教育」と揶揄される知識押し込み型の教育によって、一種の知識アレルギーを経験したことがあるからだ。

 だが、知識に対するマイナスの印象は往々にして知識そのものに対する多少の誤解から生じている。知識を正しく理解すれば、我々は正統な力としての知識をもっと生産的に利用することができるはずだ。

 弁護士が知識労働者である所以は、弁護士が一般人より多くの法律を「知っている」からではない。この「知っている」と言う言葉もよく誤解をされる。我々は知識を「知っている」のではない。「知っている」のは情報である。弁護士は確かにいかなる法律にいかなる条文が記載されているかを「知っている」。だが、一般人でも六法全書を開けばその程度は知ることができる。弁護士は一般人より六法全書を参照する回数が多いことを理由に弁護士を名乗っているのではない。一般人でも簡単な法律問題ならば、必要な条文さえ与えればそれなりの法的解決策を導くことができる。

 弁護士が知識労働者であるのは、現実の問題を法的に構築し(=現実の知覚)、多岐にわたる法律からいかなる条文を適用すべきかを決定し(=情報の選択)、適切な「生きた」法的解決策を導出する(=知識の創出)ことを、一般人に比べてはるかに高い精度をもって行うことができるからである。そしてそれができるのは訓練された弁護士でしかない。だから弁護士は知識労働者なのである。

 知識社会に生きる我々は、もっと知識そのものを正しく理解するように努めなければならない。そうでなければ、またしても知識がごく一部の者によって濫用されるという過去の過ちを繰り返す。

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